ここまでは純粋にベンチマークテストのスコアでRadeon RX 7700 XT/7800 XTの実力を確認してきた。では、“イマドキ”のAAAタイトルは快適に遊べるのだろうか?
Radeon RX 7000シリーズは、AMDの超解像技術「FidelityFX Super Resolution(FSR)」にも対応している。超解像技術は最近のGPUにおけるトレンド機能の1つであり、いうなればGPU本来のターゲット解像度よりも高い解像度でも、高いフレームレートでゲームを楽しめる、ある意味で必須の機能だ。
超解像技術は、低解像度で出力したゲーム画面をリアルタイムで引き伸ばす。そのため、ゲームの設定やシーンによっては、解像感が失われたように感じることもある。しかし、より多くのゲームタイトルを高解像度で遊べる機能として、筆者個人としては好意的に利用したいと思っている。
今回は、FSR 2.0に対応しているAAAタイトル「サイバーパンク 2077」のゲーム内ベンチマークテストで、Radeon RX 7700 XT/7800 XTにおける平均フレームレートを計測する。出力解像度は4K、画質プリセットは「ウルトラ」で、その他の設定も「画質優先」としている。
FSRをオフにした状態(=ネイティブ解像度)と、「ウルトラパフォーマンス」(=フレームレート最重視)設定でオンにした場合の結果は以下の通りだ。
さすがに超重量級タイトルということもあり、FSRを無効にした状態ではWQHDでも平均フレームレートは60fpsを大きく割ってしまう。しかし、FSRを有効化すると余裕で60fpsを超えるので、サイバーパンク 2077を遊ぶ際はFSRを必ず有効化すべきだろう。
今回はフレームレート優先のウルトラパフォーマンス設定としたが、安定して60fps以上でれば構わないというのであれば、画質をより重視した「パフォーマンス」「バランス」設定で遊んでもいいだろう。
ついでにもう1本、超重量級のゲームタイトル「Microsoft Flight Simulator(MSFS)」を過不足なく遊べるのかもチェックしてみよう。
今回は、ディスカバリーフライトの「モナコ」をAI操縦としてし、「CapFrameX」を使って2分間の平均フレームレートを計測した。設定で「DirectX 12」を有効にした状態での計測結果は以下の通りだ。
サイバーパンク2077のテスト結果と比べると、フルHD解像度とWQHD解像度におけるFSRの効果はあまり見られない。4K解像度ではFSRの効果はてきめんで、平均フレームレートが60fpsを超えるようになった。
あくまでも推測だが、MSFSのモナコフライトは海上のシーンが多く、描画上の変化が少ない。ゆえにフルHDあるいはWQHD程度であればネイティブ解像度で描画してもGPU負荷が高まらず、FSRの効果が薄くなったものと思われる。
重量級でも、画面に変化の少ないゲームタイトルであればFSRがなくてもWQHD解像度までは60fps以上で遊べる。ゲーム画面に変化が多かったり、4K解像度で遊びたい場合はFSRを有効にすることで、より上位のGPUを使っているかのようなゲーム体験が得られることは間違いない。
最後に、動画作成アプリのパフォーマンスをチェックしてみよう。
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