ここからは、Radeon RX 7700 XT/7800 XTの性能をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
今回のテストでは、機材調達の都合で「Core i7-12700F」(Pコア8基16スレッド+Eコア4基4スレッド)を搭載する自作PCでテストを行った。グラフィックスドライバーはテスト版の「Adrenaline 23.20.01.05」を利用している。
比較用として、今回は過去にほぼ同じ構成のPCでテストを行った「GeForce RTX 4060 Ti(8GB)」と「GeForce RTX 4070」のテスト結果も掲載する。参考値として捉えてもらえると幸いだ。
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみる。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」と、DirectX 12ベースの「Night Raid」「Time Spy Extreme」、リアルタイムレイトレーシング(RT)の性能をチェックする「Port Royal」を実行した。総合スコアは以下の通りだ。
今回登場しているGPUは、いずれも約4年ほど前に登場した2世代前の同等品からのリプレースを想定したモデルである。そのこともあってか、結果はほぼ横並びだ。ターゲット解像度であるWQHDでレンダリングするテストの結果に注目すると、Radeon RX 7700 XT/7800 XTは競合製品とかなりよい勝負ができている。
また、RTテストであるPort Royalでも、Radeon RX 7700 XT/7800 XTはよく頑張っている。RT処理はRadeonの苦手分野とされてきたが、今回の結果を見る限りは同クラスの競合と遜色がないレベルとなっている。
最近のゲーミングシーンは「とにもかくにもGeForce RTX 40シリーズ」みたいな雰囲気があった。しかし、少なくとも3DMarkの結果を見る限りはRadeon RX 7700 XT/7800 XTも相当によい選択肢となりそうだ。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4Kの3つの解像度でスコアを測ってみた。結果は以下の通りだ。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD、WQHD、4Kの3つの解像度でスコアを測ってみた。結果は以下の通りだ。
注目したいのが、WQHD解像度における結果である。うたい文句通り、Radeon RX 7700 XT/7800 XTは「非常に快適」にプレイできる状況だ。ゲームエンジン自体が古いこともあってか、Radeon RX 7800 XTは4K解像度でも「とても快適」評価となっている。
続けて、システムへの負荷がやや大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD/WQHD/4Kの3つで行っている。結果は以下の通りである。
3DMarkやFF14ベンチマークの結果と比べると、Radeon RX 7700 XT/7800 XTの結果が少し苦しめとなっているように見える。WQHD解像度では、Radeon RX 7700 XTの結果が上から2番目の「とても快適」になってしまっている。
FF15ベンチマークのベースとなっている「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION(FF15)」は、推奨環境として「NVIDIA製GPU」、つまりGeForceを挙げており、過去のテストでもRadeonはスコア面で不利に立つことが多かった。ゲームタイトルによっては、このような最適化による差が生じうるので、ある程度は仕方ないのかもしれない。
ともあれ、WQHD解像度までであれば、Radeon RX 7700 XT/7800 XTは一般的に重たいとされるゲームタイトルを難なく遊べることが十分に分かった。
では、FF15よりもさらに重いゲームタイトルではどうなるのだろうか……?
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