A-8000では、使用済みの紙を投入すれば、その中で紙が線維化され、印刷されたものを読み取ることは完全にできなくなる。紙の移動を伴わないため、情報漏えいの危険性は低下する。
このように、直接投入モデルの方が情報漏えいのリスクは低下しそうに感じるが、実はシュレッダーが別に必要となる新型PaperLabでも、同様にリスクを低減できる。
というのも、新型PaperLabを設置できない支店や営業所、公共機関であれば自治体が管理する学校や図書館などに専用シュレッダーを置くことができるからだ。
新型PaperLab専用シュレッダーでは、紙を線維化しやすいようスパイラルカットし、3×15mmというサイズにまで細かくする。ここまで小さなシュレッダー片になれば、印刷されていた情報を読み取ることは難しい。そして、その裁断された紙を、新型PaperLabのある場所へ移動させるので、情報漏えいのリスクはほぼゼロになる、というわけだ。
CO2排出量をどれだけ削減したかなどを計算するのは大変だが、PaperLabシリーズでは紙のリサイクルによる環境効果を数値化/視覚化してくれる。その情報は社員やそこで働く職員の環境意識向上につなげられる上、レポートに活用することで企業のブランドイメージ向上にも役立つ。
「地域住民や子どもたちに見学してもらえば、環境教育にもつながるだろう」とセイコーエプソン プリンティングソリューションズ事業本部でPaperLab開発責任者の山中剛氏は付け加えた。
A-8000リフレッシュモデルは2024年春販売開始予定、新型PaperLabと新型PaperLab専用シュレッダーは2024年春に実証実験を開始し、同年秋に販売開始予定。新型PaperLabの販売価格は、A-8000の半分程度をめどに開発しているとのことだ。
無限に紙を再生できるPaperLabで、紙から脱却できない企業や組織でも、少しは罪悪感が和らぐようになるかもしれない。
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