リフレッシュモデルは、現行のA-8000に寄せられた顧客からのフィードバックを元に改良されたものだ。本体サイズは約2850(幅)×1430(奥行き)×2010(高さ)mm、重量1750kgで現行品と変わりないが、製紙可能サイズ、機能、デザインの点で異なっている。
製紙サイズは、現行品ではA4またはA3のみだったが、リフレッシュモデルではA3延長サイズまで製紙できる。また、紙の種類ごとに製紙条件を設定する必要があったが、リフレッシュモデルでは投入した紙の繊維の状態をセンサーが検知し、自動的に最適化する機能が加わり、設定の手間がなくなった。
加えて、本体パネルに「環境貢献量の見える化」機能を搭載した。再生した紙の累計枚数に応じ、CO2排出の削減量、節約できた木材の本数や水の量(500mlペットボトル換算本数)を表示する。A-8000リフレッシュモデルと連携したPCやスマホ(タブレットも含む)で確認もできる。
デザイン的には、エプソンのコーポレートカラーであるブルーから、より自然を感じられるパステル調のグリーンに変更した。さらにペーパープラスカートリッジの装填(そうてん)部をすりガラス状の半透明の部材でカバーして優しい雰囲気をプラスした。なお、ペーパープラスの素材は現行と同じポリエステルとなっている。
エプソングループでは、以前より「省・小・精」にこだわってきた。「より効率的に」「より小さく」「より精緻に」を表したもので、これにより地球環境問題をはじめとするさまざまな社会課題を解決し、地球を豊かに彩る未来を実現したいというものだ。
2022年9月には、その思いをくんで、「省・小・精から生み出す価値で人と地球を豊かに彩る」というエプソングループ全体のパーパスを設定したという。
「新型PaperLab」は、そのパーパスに即したものとなっている。まず、A-8000と比べ、本体サイズがコンパクトになっている。幅はA-8000を500mm超えてしまうものの、約3350(幅)×910(奥行き)×1280(高さ)mmとなり、凹凸がないぶん、コンパクトに見える。
前回発表されたコンセプトモデル(サイズは約2848×1428×2009mm/幅×奥行き×高さ)でも小さく感じたが、プロトタイプでは幅こそ増えたものの、体積比では半減。A-8000では、分解とより分けの処理をそれぞれ個別のユニットで行っていたが、新型PaperLabでは1ユニットにまとめたこと、また製紙時の加圧/加熱処理を同時に行えるようにしたことで、小型化を実現したという。
加えて、製紙プロセスを見直したことで、新型PaperLabでリサイクルした再生紙を繰り返し再生紙へとリサイクルしても、紙の強度をほとんど落とさないことに成功している。
デザインは、オフィスになじみやすいホワイトを基調とした配色とし、天板はナチュラル感を生み出す木目調のものへと変更された。
操作パネルには、A-8000同様、環境貢献量の見える化機能を搭載。こちらもPCやスマホなどと連携して表示できるようにした。
A-8000の結合剤の素材はポリエステルだが、新型PaperLabでは天然由来の結合材を採用している。製紙速度は毎時約360枚、製紙サイズはA4のみで、色の指定はできない。また、シュレッダー機能がないため、別売りの専用シュレッダーが必要だ。
専用シュレッダーのプロトタイプも、コンセプトモデルから様変わりした。
まず、新型PaperLabプロトタイプに合わせた、オフィスになじむホワイトを基調としたカラーリングで、天板部はベージュという配色だ(こちらは木目調ではない)。コンセプトモデルでは四角い箱という印象だったが、プロトタイプの場合は横から見てV字状の切れ込みが入っており、古紙の投入口が分かりやすくなっている。また、正面から確認しやすい場所にパネルを搭載し、環境貢献量の見える化機能で可視化した環境効果換算値を表示するようにした。
コンセプトモデルのサイズをエプソンが明らかにしていないため詳細は不明だが、プロトタイプは少しスリムになった印象だ。なお、プロトタイプのサイズは公開されており、約500(幅)×520(奥行き)×960(高さ)mm、重量は約100kgとなっている。
現在のところ、新型PaperLabのプロトタイプはシュレッダー機能のないモデルのみだが、専用シュレッダーなしで、古紙を直接投入できるモデルも開発中とのことだ。
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