Microsoftの平井氏によれば、こうした研究所での共創に関してMicrosoftが「スプリントスタイル」と呼んでいる共創の形を取っているという。
スプリントスタイルというのは、マラソン(長距離走)ではなくスプリント(短距離走)で開発を行うという意味で、実際に顧客企業が研究所に来てもらって開発するのは原則的に5日間と決めて、その間に課題を解決し、ある程度のPoC(Proof of Concept)を作っていくスタイルで行っているという。
このため、同研究所のWebサイトから申し込みがあると、まず研究所側で書類審査を行い。承認してからプロジェクトが走りだすという。この時にポイントになるのは、既にある程度きっちりやることが決まっていて、技術的な課題が明確になっていることが前提だという。
その後、NDA(Non-Disclosure Agreement、秘密保持契約)へのサインなどがあり、研究所側とビデオ会議で今後の方針を明確にしていくと平井氏は説明した。
平井氏によれば、このプロセスが非常に重要で、実際に来てもらってやる5日間はすぐに終わってしまうので、このビデオ会議の間にそれを明確にしておくことが成功への鍵になるということだった。
そして、契約締結後に研究所で5日間のスプリントを行う。基本的には関係者全員に来てほしいということをお願いしているそうだが、コロナ禍のリモートワークが普及している中で、実際にコードを書くような開発者の人はリモートワークであることが多い。その場合はパートナーの選択に任せているそうだが、承認権を持っている人にはできるだけ「神戸に来てほしい」とお願いしているそうだ。
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