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外付けGPU「ONEXGPU」でビジネスノートPCをパワーアップしてみた オンライン会議における“もっさり”の解決策になる?(1/5 ページ)

» 2024年03月19日 12時00分 公開
[瓜生聖ITmedia]

 リモートワークで会社から貸与されたノートPCを使っている人の中には、その性能に不満を感じている人も多いのではないだろうか。例えば、作業効率アップのために外部ディスプレイを接続する場合もあるだろう。しかし、高解像度ディスプレイやマルチディスプレイの環境だと、メモリ不足などで極端に動作が重くなる場合もある。

 とはいえ、現代のノートPCの多くは物理的にメモリの増設ができず、そもそも内部のパーツ追加や交換を会社が認めていない場合がほとんどだろう。

 しかし、本記事で紹介する外付けGPU(eGPU)「ONEXGPU」を使えば、そんな会社のPCでもパワーアップさせられるかもしれない。

photo 今回試した「ONEXGPU」

「会社のPCの動作が遅い……」

 筆者が働いている会社から貸与されているのは、典型的なビジネス向けノートPCだ。以前はデスクトップPCだったが、オフィスのフリーアドレス化に伴い、軽量で持ち運びのしやすいノートPCに変わった。そしてリモートワークが中心となったことで、小型軽量よりもインタフェースの豊富さと、性能が重視されるようになった。

 搭載しているメモリは16GBで、一般業務では十分だ。しかし、最近は自宅で使用していると動作のパフォーマンス低下に悩まされるようになった。特にオンライン会議ツール「Microsoft Teams」を使っている際のパフォーマンス低下が著しく、画面共有しながらのリモート会議では、かな漢字変換も怪しい状況が少なくない。

 複数の事業やプロジェクトに関わっていることもあり、会議を終えてすぐ作業を再開できるように開きっぱなしのファイルやメールが多いのも良くないかもしれないが、もっとも性能低下に影響を与えている原因は、2台接続している4K(3840×2160ピクセル)ディスプレイのようだ。

高解像度の外付けディスプレイはパフォーマンスを“喰う”

 ビジネスPCのような、一般的な用途を想定したノートPCは専用のGPUを搭載しておらず、CPU内蔵のグラフィックス機能を利用することがほとんどだ。

 そのグラフィックス性能自体は年々向上しており、通常業務において直接ボトルネックになることは少ない。問題はグラフィックス用メモリだ。グラフィックスボードが専用のVRAMを搭載しているのに対し、CPU内蔵のグラフィックス機能ではメインメモリをグラフィックス用メモリとして共有する。

 高解像度ディスプレイを複数つなげば、その分のメインメモリを圧迫することになる。この状況は、ノートPC本体に搭載されているHDMIやDisplayPort、DisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-Cなど、接続方法によって変わることはない。表示解像度をフルHD(1920×1080ピクセル)に落とせばパフォーマンスは改善するが、作業領域が狭くなるのでなるべく4Kのままで使いたい。

photo タスクマネージャーのパフォーマンスタブからGPUを見ると、CPU内蔵グラフィックス機能を使用しているPCではGPUメモリの全てがシステムと共有する「共有GPUメモリ」であることが分かる

 結局のところ、本体のリソースを追加できない限りはパフォーマンスの向上は難しい。本体側の処理を肩代わりするような拡張はできないものか――そこで気づいたのが外付けGPU(eGPU)ユニットの存在だ。

 ノートPCでも外付けグラフィックスを接続できるようになるeGPUは「ゲーム向けにグラフィックス性能を強化できる」という文脈で語られることが多い。しかし、高いグラフィックス機能を必要としないビジネス用途であっても、メインメモリの空きを増やせたり、GPUの高負荷発熱によるCPUクロック低下を回避できたりすれば、かなりのメリットがあるのではないだろうか。

 今回はOne-Netbook Technologyの国内正規代理店であるテックワンより、販売間近のeGPU「ONEXGPU」をお借りして試した。

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