修理作業はノートPCとデスクトップPCで分けて対応するが、いずれも診断/修理/品質管理の順に行われる。
まず、ユーザーから伝えられた症状を再現し、故障カ所を特定する。続いて、問題のある部品を交換するなどの修理を行う。
修理用の部品は、種類ごとに専用の棚に保管しているが、一部の部品についてユニークな収納方法を採用している。これは、エアキャップを使った袋にフックを取り付け、棚のポールに引っかけ吊り下げて保管するというもので、スタッフが編み出したものだという。
部品によっては、箱に入れて保管している場合、取り出す際に部品同士がぶつかったり自重などで破損、故障したりすることがあったが、吊り下げ方式に変更して以降は、部品の故障率が大幅に減少しているという。
不具合のあった部品については、効率面の観点から全て埼玉SCの品質管理本部に送り、そちらで部品メーカーに修理や交換を依頼することになるという。
修理後の品質管理では、あらかじめ定められたチェック項目に従って正常動作をチェックする。チェック項目はノートPCが35項目、デスクトップPCが30項目で、必要があればファームウェアのアップデートなども行うそうだ。
品質管理で症状の改善が確認されれば修理は完了となり、ユーザーの元へ配送される。
なお、診断の段階で症状が再現できなかった場合にはユーザーに確認の連絡をする必要があるため、「あらかじめオペレーターに連絡の付きやすい時間や連絡先を伝えていただければ修理時間の短縮につなげられるので、その点はご協力いただけると大変助かる」(亀井氏)とのことだ。
また、この修理部門は製品開発の一部としても機能しているという。偶発的な不良については通常通り修理を行うが、傾向性のある不具合については製品開発の品質管理部門と連携して各製品に対策を施したり、部品の検証も行っていたりするそうだ。修理部門と製品開発の品質管理部門とが連携することで素早く不具合に対処でき、同社の製品品質を高める要因となっている。
そして、天井高が約6mあるという施設の構造を活用した倉庫機能も確保している。部屋内にネステナー(パレット用の保管棚)を設置し、最大84パレットの保管スペースがある。こちらには、主に長期保管が必要な部材を保管する予定で、今後は埼玉SCと分散して部材を保管し、社外で使っている倉庫を圧縮したいという。
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