プロナビ

バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】(3/3 ページ)

» 2024年04月22日 17時30分 公開
[井上晃,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Wi-Fi 7をフラグシップモデルから投入した理由は?

 過去の製品展開を振り返ると、バッファローがWi-Fi 6E対応ルーターの“初号機”として出したのは、「Wi-Fi Easy Mesh」対応のミドルレンジモデルだった。

 今回、Wi-Fi 7対応ルーターの第1弾として、フラグシップモデルを投入したのはなぜなのか。下村氏に尋ねるとこう答えた。

 Wi-Fi 6Eの際に、あえてメッシュ対応Wi-Fiルーターと、そのセット品を先にリリースしたのは、6GHz帯の無線LANに端末するクライアント機器(端末)がすぐには出てこないだろうという状況を踏まえた判断でした(参考記事)。Wi-Fiルーター間のバックホール通信で6GHz帯を生かしてもらおうと思ったわけです。

 一方、今回のWi-Fi 7ではやはり「最大通信速度46Gbps」というポテンシャルに期待してフラグシップモデルを求めるお客さまが最も多いだろうと考え、その期待に応えられる製品から投入いたしました。

 なお、同氏は「Wi-Fi 6E対応モデルには、6GHz帯が使えるメリットがある」ともし、今後もメインストリームモデルを中心にWi-Fi 6E対応モデルを継続展開する可能性を示唆した。

Wi-Fi 7 Wi-Fi 7に対応する端末も、2024年内には順次リリースされると予測しているという

Wi-Fi 7のメリットを生かすための仕様変更も

 バッファローは、Wi-Fi 7対応端末は比較的早期にリリースされると予想しているという。そのメリットを生かすべく、WXR18000BE10Pは従来の同社製ルーターから変更された仕様がある。

 従来の同社製ルーターでは、初期状態でアクセスポイント(SSID)を「2.4GHz帯用」「5GHz帯用」「6GHz帯用(Wi-Fi6E対応モデルのみ)」と、周波数帯別に用意していた。それに対して、WXR18000BE10Pでは初期設定で6GHz帯用SSIDを2.4GHz/5GHz/6GHzのいずれの帯域からもアクセスできるようにしたした(※2)。これは、Wi-Fi 7で新たに搭載される「MLO」を生かしやすくするための工夫だ。

(※2)設定を変更することで、従来通りの6GHz用SSIDも用意できます

セットアップカード WXR18000BE10Pでは、初期状態で「6GHz帯用SSID」の1つ(SSID 2)がMLO対応(全周波数帯共通SSID)として設定されている

 このようにした狙いを、永谷卓也氏(コンシューマーマーケティング部 BBSマーケティング課)は以下のように語る。

 当社がWi-Fi 7においてユーザーメリットが一番大きいと考えている機能がMLOです。これまでのWi-Fiでは1つの周波数帯でしか通信ができませんでしたが、MLO対応のWi-Fi 7機器では複数の周波数帯を同時に使って通信できるようになります。

 MLO対応のアクセスポイントと端末を組み合わせると、5GHz帯と6GHz帯の通信を自動的に切り替える「切替モード」を利用できます。これは従来製品における「バンドステアリング」よりも周波数帯切り替え時の遅延を低減できます。

 また、MLOには複数のチャンネルを束ねて1つのSSIDとして通信できる「同時モード」もあります。こちらはMLO対応端末で使えばスループット(実効通信速度)を向上できますし、このモードでメッシュネットワークを構築すれば、MLO非対応端末でも親子間通信のスループット向上による通信品質改善効果を得られます。

MLO IEEE 802.11beに新搭載されるMLOには、「同時モード」と「切替モード」の2種類の動作モードがある
MLOはオプション IEEE 802.11beにおいて対応必須なのは「4K-QAM対応」のみで、「320MHz通信対応」と「MLO対応」はオプション扱いとなる。バッファローが今回発売したWXR18000BE10Pはオプション機能にも対応しているため「“完全版”のWi-Fi 7ルーター」となる

 国内メーカー初のコンシューマー向けWi-Fi 7ルーターとなったWXR18000BE10Pの実売価格は、税込みで6万円台半ば程度だ。Wi-Fiルーターとしては若干高価ではあるが、機能面をよく考えるとメリットの多い製品なっている。

 本製品の“深掘り”は、別の記事に譲りたい。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月25日 更新
  1. 定格1650Wの7.5万円電源&Noctuaファン採用の異常検知アダプターが登場! (2026年10月24日)
  2. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  3. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  4. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  5. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  6. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  7. エイサー、Ryzen 3/5を搭載したコンパクトデスクトップPC Amazon専売モデルも用意 (2026年10月23日)
  8. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  9. Anthropicが常時稼働するエージェント「Claude Duet」を発表/AMDとIntelが協業 PyTorchのx86 CPU最適化を「oneDNN」に一本化 (2026年10月25日)
  10. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー