PC TV Plusがダメなら、Microsoft Storeを介して配信されている「DiXiM Play U」ならどうだろうか。
Microsoft Storeで配信されているアプリは、Armアーキテクチャにも対応するものが比較的多いという印象がある。DiXiM Play Uのストアページでも「この製品は、お使いのデバイスで動作します」と出ていた。これは“行ける”のでは……?
わらをもつかむ思いでDiXiM Play Uをインストールし、起動する。自宅ネットワーク内にあるSTB/チューナーを見事認識した。STB/チューナーをタップすると、リアルタイム視聴を含む各種コンテンツを確認できた。
リアルタイム視聴の番組を選び、タップする。先ほどのPC TV Plusと同様にバッファリングを行うような挙動を見せた……と思ったら「再生できないコンテンツです」というエラーが出て、やはり表示できなかった。
挙動を見る限り、本アプリもデータ伝送時の著作権保護に関する処理が行えなかったと思われる。
このように、現状のSurface Pro(第11世代)、もっといえばArm版Windows 11搭載PCを使って自宅ネットワーク内にあるSTBやTVチューナーの映像を楽しむことは、現状では事実上不可能だ。DTCP-IP対応DNLAクライアントアプリを作っている開発者がArmアーキテクチャに対応してくれればいいだけの話なのだが、Intelアーキテクチャと比べると普及台数の少ないArmアーキテクチャのWindows PCのためにそこまでやってくれるか、というとなかなか難しい面もある。
一方で、Webブラウザや専用アプリを介したネット動画視聴は非常に快適だ。ネイティブアプリも用意されているAmazon Prime Videoは、非常にサクサクと動くし、視聴体験も申し分ない。Surface Pro(第11世代)は、間違いなく動画や音楽を楽しむ上で、最良のデバイスの1つといえる。
それだけに、STB/チューナーにとりためた録画番組を楽しめないのは非常に残念である。開発者でこの記事をご覧になった方、Armアーキテクチャへの対応も検討してもらえませんか……?
Surface Pro(第11世代)のレビューは、不定期で続けていく。何か話題があり次第掲載するので、楽しみにしていてほしい。
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