ネジ回しの練習が終わったら、いよいよ組み立て作業に入る。先述の通り、今回は43点の部品を、休憩を挟みつつ90分で行う。
作業は匠が普段しているものよりもデフォルメされている……のだが、幾つか実際の工程よりも難しい部分が組み込まれている。その典型例が、1つ目の工程「キーボードのネジ締め」だ。
今回組み立てる2モデルでは、74本のネジでキーボードをCカバー(キーボードベゼル)に固定している。キーボードのサイズを想像すれば分かる通り、固定用のネジは非常に小さい。ゆえに通常、この工程は専用のネジ締めマシンによる自動化が行われている
だが、今回の教室では74本のうち5本のネジをあえて“手締め”で締めるように仕向けけられている。
繰り返しだが、ネジは非常に小さい。2モデルで使われているネジの中でも“最小”だという。ゆえに、大人(≒保護者や筆者)の指で締めようとすると“悪戦苦闘”待ったなしだ。
しかし、さすがに落としたネジを拾うのは大変そうなものの、子どもは余裕でこの作業をこなしてしまう。手や指が小さいからだ。ノートPCの組み立てでは、子どもの方が有利に立てる部分も多そうだ。
キーボードのネジ止めが終わると、メインボード(マザーボード)の取り付け、USB Type-C端子を保護する金具の取り付け、各種フレキシブルケーブルの接続、スピーカーケーブルと進んでいく。
メインボードは、デスクトップPCのそれよりも薄くてしなりやすい。取り扱いは注意を要する。とはいえ、Cカバーの指定された箇所にはめ込むだけだから、作業は簡単……と思いきや、ケース側の端子類に合わせてはめ込まないといけないので、意外と大変だ。
一応、作業をしやすくするための「位置決めピン」は用意されているのだが、それでもビシッと一発で決まることは少なかった。
デスクトップPCと比べると、ケーブル類も小さめだ。ネジ回しと同様に子どもの方が作業的に有利……と思いきや、先ほどのネジ回しと比べると苦戦傾向が見られた。恐らく、小さなコネクターを“真っすぐ”に差し込むのが大変だったのだと思われる。
ここまでの作業が終わると、島根県の観光キャラクター「しまねっこ」が参加者を激励に訪れた。このようなイベントでは、しまねっこが参加者と一緒に「しまねっこのBI・HA・DANCE」を踊るのが恒例らしいのだが、目の前に組み立て途中のPCがあることもあり、しまねっこ(とお姉さん)が踊るのに手拍子を送る形となった。
「ボクが言うのもアレだけど、難しいよね」 島根富士通でFCCLの齋藤会長が20組の親子とPC組み立て教室に参加して漏らしたつぶやき
予想外のポイントで“悪戦苦闘” 「縁結びのまち」で小中学生と共に富士通LIFEBOOKを組み立てる(後編)
千葉県からの参加者も 「縁結びのまち」で小中学生と共に富士通LIFEBOOKを組み立てる(前編)
約250台のカメラでデジタルツイン構築 人とロボットが協調――累計4000万台超のPCを作り続けてきた「島根富士通」の生産ラインが進化中
開発者だからこその世界最軽量へのこだわり――退任した富士通クライアントコンピューティング 齋藤邦彰会長の歩みを振り返る
2024年のテーマは「みがき上げる」――FMVのふるさと「島根富士通」は何を目指すのか?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.