未来を創る「子どもとプログラミング教育」

世界最軽量のPCをみんなで作る! 島根富士通の「富士通FMVパソコン組み立て教室」を体験してきた(5/5 ページ)

» 2024年08月26日 16時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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自分で組み立てたLIFEBOOKで動画を制作

 今回のイベントでは、組み立てたばかりのLIFEBOOKを使った動画制作体験も行われた。講師を務めたのは、島根県松江市でTV番組の制作を行っているTSKエンタープライズDC(山陰中央テレビの子会社)の皆さんだ。

講師の皆さん 動画制作体験の講師を務めた、TSKエンタープライズDCの皆さん

 制作する動画は出雲市の15秒CMだ。初めにLIFEBOOKのカメラとマイクを使って「WE LOVE IZUMO!」という映像を録画した上で、インストールされた素材を使って15秒ちょうどのCMを作る。

 意外と苦戦するかと思いきや、子どもたちは思った以上にスムーズに作っていった。むしろ、どの素材を使うのか選ぶのに時間を掛けていた(迷っていた)ようだ。今どきの子どもだからなのだろうか……?

 制作した動画は、USBメモリを使って持ち帰ることができた。良い思い出となりそうだ。

素材 インストール済みの素材を組み合わせて15秒のCMを作っていく
順調 講師の皆さんは、基本的に制作のアドバイスを担当していた
思ったよりスムーズ どのグループも思った以上にスムーズに作っていて、筆者としては驚くばかりだった

工場見学では「ネジ締め競争」も実施

 動画制作体験の後は、3つのグループに分かれて工場見学が行われた。見学は「ネジ締め競争」「基板生産ラインの見学」「『ふくまろ』との交流」の3パートに分かれており、それぞれのグループが入れ替わる形で行われた。

ネジ締め競争

 ネジ締め競争は、その名の通りネジ締め機(電動ドライバー)で10本のネジを締めるスピードを島根富士通の匠と競うというものだ。もちろん、匠にはハンディキャップが設定されているのだが、それでも相当ネジ締めを高速に行うので、勝つのはなかなか大変だ。匠に勝利すると記念品がもらえるとのことで、子どもたちの目はかなり“マジ”だった。

 匠は地元のゆるキャラ「湯あがり美人姫やがみちゃん」を含む3人(?)の中からランダムで選ばれる。筆者が見学した回では、3人の中でも一番強いとされる三代さんに挑戦することになってしまった……のだが、三代さんに「ネジが足りなくなる」というトラブルが発生し、この回ではほとんどの子どもが三代さんに勝利していた。

組み立て ネジ締め競争の説明を受ける参加者
デモンストレーション 筆者が参加したグループにおいて、ネジ締めの実演をした三代さん。彼女と戦うことになるとは、当時の子どもたちはまだ知らない
ネジ ネジ供給機からネジを取り出して、ネジ穴に持っていってネジ締め機で締めていく。挑戦者(子ども)は10カ所を締めるのに対して、匠は倍以上の箇所を締めなければならない
練習 説明が終わると、ネジ締めの練習だ。練習には匠がマンツーマンで付き添ってくれる
大隈社長 大隈社長も競争にチャレンジすることに(写真は練習中の様子)
本戦中 本戦中の様子

基板生産ラインの見学

 島根富士通では、LIFEBOOK(ノートPC)用の基板(メインボードとサブボード)を自社生産している(参考記事)。

 同社の各種生産ラインは、基本的に平日の日中時間帯のみ稼働しているが、基板の製造ラインだけは原則として年中無休/24時間稼働なのだという。夜間も含めて作りだめした基板を、日中の生産ラインに回すというイメージだという。

 このラインは自動化がかなり進んでおり、係員は通常、ラインの稼働を監視するだけで済む。しかし「部品の実装不良(疑いを含む)」あるいは「部品切れ」の際は、係員の出番となる。見学中も、アラートを聞いたと思われる係員が作業している様子も見受けられた。

説明 基板生産ラインの説明を受ける参加者
アラート検知 見学中、アラートを聞いて駆けつけた係員が確認作業を実施する場面に出くわした。見学中であっても“普通に”ラインを稼働させていることの証左だ
実装機 基板に部品を実装するための機械が並ぶ区画。奥(左側)に進むほど、実装される部品は大きくなっていく(実際は、この手前に基板へとハンダを印刷する区画がある)
端 部品実装区画の端部。「ZE」のラベルのある機械はSDカードスロットやUSB端子など大きい部品を実装するもので、ここを過ぎると左側の機械(「OK」と表示しているディスプレイが乗っかっているもの)で実装の漏れや位置ズレがないかどうか自動でチェックされる
リフロー 実装チェックが行われた基板は「リフロー炉」に送られ、高温でハンダ付けされる
ハンダ付け ハンダ付けが終わると、正しくハンダ付けされているかどうか外観チェックが行われる。先ほどの部品実装チェックと同様に、このプロセスも自動化されている
搬送 ハンダ付けまで完了した基板は、ラックで貯蔵される。貯蔵数がある程度まとまると、背後にあるAGTを使って組み立て/試験設備に運ばれる
組み立て/検査 島根富士通では、基板の組み立てや試験、次工程に向けた梱包(こんぽう)も自動化を進めている。ロボットアームが自動であれこれ作業をする様子は圧巻だ
完成 完成したメインボード……しかないように見えるが、緩衝材の下にはサブボードも収納されている。FCCLのノートPCの場合、1枚の基板から2台分のメインボードとサブボードを作れるようにしており、基板の切り分け/仕分けまで自動で行っている

ふくまろ体験

 FCCLでは、独自の音声エージェント「いつもアシスト ふくまろ」の開発を継続している。2023年11月のバージョンアップでは、バックエンドに「ChatGPT」を用いることで応答内容の拡充を図っている。

 生成AIに注目が集まる昨今において、FCCLとしてAIに積極的に取り組んでいることを示すべく、ふくまろを体験する時間を設けたそうだ。

ふくまろ ふくまろの体験コーナー
応答 リリース当初と比べると、ふくまろの応答レパートリーは非常に広がっている。個人的には「ここまできたか……」と感慨深いものがあるのだが、生成AIが広がっている世界では「当たり前」と見られるのかもしれない

 筆者にとって約2年ぶりの取材となった富士通FMVパソコン組み立て教室だが、やはりノートPCの組み立ては難しい。デスクトップPCよりも基板は薄いし、コネクターは小さく、ケーブルの長さは多くの場合“ギリギリ”なので、かなりの“精神力”を求められる。日々、たくさんのノートPCを組み立てている匠の皆さんのありがたみを痛感した次第である。

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