今回のイベントでは、組み立てたばかりのLIFEBOOKを使った動画制作体験も行われた。講師を務めたのは、島根県松江市でTV番組の制作を行っているTSKエンタープライズDC(山陰中央テレビの子会社)の皆さんだ。
制作する動画は出雲市の15秒CMだ。初めにLIFEBOOKのカメラとマイクを使って「WE LOVE IZUMO!」という映像を録画した上で、インストールされた素材を使って15秒ちょうどのCMを作る。
意外と苦戦するかと思いきや、子どもたちは思った以上にスムーズに作っていった。むしろ、どの素材を使うのか選ぶのに時間を掛けていた(迷っていた)ようだ。今どきの子どもだからなのだろうか……?
制作した動画は、USBメモリを使って持ち帰ることができた。良い思い出となりそうだ。
動画制作体験の後は、3つのグループに分かれて工場見学が行われた。見学は「ネジ締め競争」「基板生産ラインの見学」「『ふくまろ』との交流」の3パートに分かれており、それぞれのグループが入れ替わる形で行われた。
ネジ締め競争は、その名の通りネジ締め機(電動ドライバー)で10本のネジを締めるスピードを島根富士通の匠と競うというものだ。もちろん、匠にはハンディキャップが設定されているのだが、それでも相当ネジ締めを高速に行うので、勝つのはなかなか大変だ。匠に勝利すると記念品がもらえるとのことで、子どもたちの目はかなり“マジ”だった。
匠は地元のゆるキャラ「湯あがり美人姫やがみちゃん」を含む3人(?)の中からランダムで選ばれる。筆者が見学した回では、3人の中でも一番強いとされる三代さんに挑戦することになってしまった……のだが、三代さんに「ネジが足りなくなる」というトラブルが発生し、この回ではほとんどの子どもが三代さんに勝利していた。
島根富士通では、LIFEBOOK(ノートPC)用の基板(メインボードとサブボード)を自社生産している(参考記事)。
同社の各種生産ラインは、基本的に平日の日中時間帯のみ稼働しているが、基板の製造ラインだけは原則として年中無休/24時間稼働なのだという。夜間も含めて作りだめした基板を、日中の生産ラインに回すというイメージだという。
このラインは自動化がかなり進んでおり、係員は通常、ラインの稼働を監視するだけで済む。しかし「部品の実装不良(疑いを含む)」あるいは「部品切れ」の際は、係員の出番となる。見学中も、アラートを聞いたと思われる係員が作業している様子も見受けられた。
部品実装区画の端部。「ZE」のラベルのある機械はSDカードスロットやUSB端子など大きい部品を実装するもので、ここを過ぎると左側の機械(「OK」と表示しているディスプレイが乗っかっているもの)で実装の漏れや位置ズレがないかどうか自動でチェックされる
完成したメインボード……しかないように見えるが、緩衝材の下にはサブボードも収納されている。FCCLのノートPCの場合、1枚の基板から2台分のメインボードとサブボードを作れるようにしており、基板の切り分け/仕分けまで自動で行っているFCCLでは、独自の音声エージェント「いつもアシスト ふくまろ」の開発を継続している。2023年11月のバージョンアップでは、バックエンドに「ChatGPT」を用いることで応答内容の拡充を図っている。
生成AIに注目が集まる昨今において、FCCLとしてAIに積極的に取り組んでいることを示すべく、ふくまろを体験する時間を設けたそうだ。
筆者にとって約2年ぶりの取材となった富士通FMVパソコン組み立て教室だが、やはりノートPCの組み立ては難しい。デスクトップPCよりも基板は薄いし、コネクターは小さく、ケーブルの長さは多くの場合“ギリギリ”なので、かなりの“精神力”を求められる。日々、たくさんのノートPCを組み立てている匠の皆さんのありがたみを痛感した次第である。
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