参加者は集合したら、組み立て教室の会場に移動する。
会場には机が並べられている。机の上にはエプロン、各種工具、ねじキット、ドライバー、ネジ締め練習キット、小物部品と作業確認用のタブレットPCなど、組み立てに必要なパーツ類があらかじめ用意されていた。ネジ締めに使われるドライバーは「大」「小」2種類が用意されており、大きなドライバーについては握り手のサイズが異なる「子ども用」「大人用」が用意されている。この辺は、2022年のイベントと変わりない。
変わったポイントとしては、それぞれの机に島根富士通の「匠(たくみ)」が1人ずつ付いて、作業のチェックや手伝いをしてくれることが挙げられる(2022年は「呼び出し」式だった)。困ったことがあったら、すぐに聞けばいい。タブレットPCは、純粋に作業手順を確認するためのツールとなる。
今回組み立てる2モデルには、258点の部品が使われている。島根富士通の匠(工員)は、これを1台当たり約13分で組み立てるのだという。教室では工程をデフォルメ(簡素化)して休憩を挟みつつ、43点の部品を約90分で組み立てることになる。
デフォルメなしで13分で組み立てる匠に対し、組み立てに参加する親子はデフォルメして90分――それだけでも匠がいかにスゴいのかが分かる。
ちなみに今回は、PC USER(筆者)を含む在京メディア3社も一緒に組み立て体験を行う。組み立てつつ取材ということになる。結構大変かもしれない……。
教室の開始に当たり、FCCLの大隈健史社長があいさつに立った。
大隈社長は「島根富士通は、日本にあるPCを作っている工場の中では一番大きくて、一番進んでいる工場だと自負しています。そこに皆さんをお迎えして、一緒にPCを作る体験をしていただいて『PCがどのように作られているのか?』ということを知っていただくことは、非常にうれしいことです。県外からいらっしゃった方も多いと思いますが、(イベントを通して)島根や島根富士通を感じていただいて、ひと夏の思い出にしていただければと思います」と語った。
なお今回、大隈社長はFCCLの浜辺舞鈴さんと一緒に組み立て体験に参加した。浜辺さんは4月に入社したばかりの新入社員で、もの作りのDNAをあらゆる従業員に知ってもらう一環として、このような形になったようだ。
机上にある部品は、作業工程で使う“小物”だ。主要な大型部品は箱に入れられた、「AGV(無人搬送車)」によって会場に運び入れられた。
このAGVは島根富士通の工場内で実際に使われているもので、パッケージ(箱)や部材などの運搬に使われている。例年通り、イベントのために「石見神楽」にちなんだ装飾も施されている。
部品を受け取ったら、エプロンと手袋を着用してネジ回しの練習に入る。3種類のネジを3本ずつ、島根富士通純正の「ネジ締め練習キット」に締めていく……だけなのだが、ネジは意外と小さいこともありなかなか難しい。
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