ここまでのテストは、あくまでもベンチマークアプリを用いたテストであり、実際のゲームプレイと違い「決まった順にテストを実行するもの」だ。
そこで実際のゲームをいつも通りにプレイして、その平均フレームレートを比較してみようと思う。今回は「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマードコア6)」「Cyberpunk 2077」「Microsoft Flight Simulator」の3タイトルを遊び比べた。
アーマードコア6は発売から1年が経過しているが、パッと見のグラフィックスの細かさの割には意外と負荷は軽い。それでも、CPU内蔵GPUでは「最高画質」あるいは「高フレームレート」で遊ぶのは難しい。超重量級のゲームタイトルを遊ぶ予定はないにしても、「アーマードコア6が快適に遊べるくらいの性能」が、自作PCの予算/構成を考える際の1つのベンチマークにもなっている。
そんな本タイトルの平均フレームレートは以下の通りだ。
Ryzen 7 9800X3Dは全解像度で“ベスト”を記録した。フルHD/WQHD解像度では、上限の120fpsに張り付いている。他のCPUにおける結果を見れば分かる通り、GPU“だけ”では上限張り付きは難しい。フレームレートに上限設定がなかった場合は、どうなっていたのだろうか……?
Cyberpunk 2077は、現行のPCゲームの中でも上位を争う高負荷タイトルだ。今回は、ゲーム内に設けられたベンチマーク機能を使って平均フレームレートのチェックを行った。
ゲーム設定はプリセットの「レイトレーシング:ウルトラ」を選択し、フルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でテストした。DLSS(超解像技術)も有効にし「クオリティ・フレーム生成あり」をオンにしている。結果は以下の通りだ。
「さすがにヘビーなのでRyzen 7 9800X3Dには荷が重いのでは……?」と思っていたのだが、全ての解像度でRyzen 7 9800X3Dがトップに立った。これにはびっくりした。
GPU側でDLSSを使ったりフレーム生成を有効化したりしている効果もあるが、最上位CPUをも超えるフレームレートをたたき出せるとなると、ゲームにおける3D V-Cacheの効果はとても大きいことは間違いない。
Microsoft Flight Simulatorも、重量級タイトルとして定番だ。精細に描かれる風景は、さながら実写を見ているかのような再現度だ。一方で、その分読み込まれるデータ量が多いことから、GPUだけでなくCPUにもかなりの負荷がかかる。
今回はDLSSをオンにしてフレーム生成も有効とし、フルHD/WQHD/4Kの3つの解像度においてディスカバリーフライトの「モナコ」をAI操縦し、CapFrameXで2分間の平均フレームレートを計測した。結果は以下の通りだ。
これまた、Ryzen 7 9800X3Dが全解像度で快勝した。
ゲームの快適さに占める割合として、もちろんGPUは非常に大きなウエイトを占める。しかし、例えば高解像度なゲームともなれば、精細に作られたオブジェクトの描画に際し、データをストレージから読み出したり、データを処理したりする命令をためておく際に必要なCPUのキャッシュメモリも、性能を大きく左右する。
その点でいえばやはり3D V-Cacheの「大容量のL3キャッシュメモリ」の効果は絶大だ。Ryzen 7000シリーズと比べてCPUコア自身のパフォーマンスも向上したこともあり、Ryzen 7 9800X3Dはまさにゲームシーンではチート級の速さを実現してしまうというわけだ。
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