AMDの最新CPU「Ryzen 9 9900X3D」「Ryzen 9 9950X3D」が、3月14日午前11時に発売される。ボックス版(単体リテールパッケージ)の想定販売価格は、9900X3Dがは11万2800円、19950X3Dが13万2800円となる。
両製品共に、先行発売された「Ryzen 7 9800X3D」と同様に、第2世代「3D V-Cacheテクノロジー」を適用している。L3キャッシュを増やしただけではなく、ベースとなったCPU並みの高い動作クロックを維持できていることが特徴だという。
Ryzen 7 9800X3Dは、特にゲーミングシーンにおいて“チート級”のパフォーマンスを発揮していた。果たして、今回登場したハイエンドモデルも同様なのだろうか。発売に先駆けて、AMDから最上位のRyzen 9 9950X3Dを借りて試してみた。
Ryzen 9 9900X3D/9950X3Dは、第2世代3D V-Cacheテクノロジーを適用することでL3キャッシュを通常のRyzen 9 9900X/9500Xから大きく増やしたモデルだ。
第2世代3D V-Cacheテクノロジーは、追加分のL3キャッシュを「CCD(Core Complex Die)」の“下部”に積層実装することで、CCDをより効率的に冷やせるようになったのが特徴だ。言い換えると、CCDにあるCPUコアの動作クロックを高めやすくなった。
初代の3D V-Cacheテクノロジーでは追加分のL3キャッシュをCCDの上部に実装していたが、第2世代ではCCDの下部に移設された。これにより、CCDの冷却効率が高まり、結果としてCPUコアのクロックを引き上げやすくなった(画像はRyzen 7 9800X3Dの説明資料)両CPUの主な仕様は以下の通りだ。
参考に「3D」の付かないベースモデルのスペックも見てみよう。
ご覧の通り、Ryzen 9 9900X3D/9950X3DのL3キャッシュが2倍になっていること以外のスペックは、ベースモデルと同様だ。L3キャッシュが増えた分がどれだけパフォーマンスに影響するのか、純粋に比べやすい。
なお、増量分のL3キャッシュは2基あるCCDのうち片方にのみ実装されている。これはRyzen 7000シリーズにおける初代3D V-Cache適用モデルと同様だ。その理由は過去の記事にもある通り、性能とコストのバランスを取った結果でもある。
「CPU-Z」でチェックしたRyzen 9 9950X3Dの情報。L3キャッシュが「96MB+32MB」となっていることからも分かる通り、L3キャッシュの増量分は片側のCCDに“偏って”実装されている
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