一方、OSDメニューについては、本体側で可能なのは明るさ調整のみだ。それ以外の機能は、PC側にインストールした専用ユーティリティー「Dell Display and Peripheral Manager」を用いて行う。前述の自動回転機能がユーティリティーなしで実現しているだけに、これらOSDメニューの機能が乏しく、ユーティリティーを必要とするのは、少々ちぐはぐな印象を受ける。
このユーティリティーも、可能なのは明るさとコントラスト、そして色の調整と、項目は最小限だ。実際にはそれほど調整の必要はないため大きな支障はないとはいえ、一般的なモバイルディスプレイのOSDメニューに慣れている人は、若干の心細さを感じるかもしれない。
一方でこのユーティリティーは、画面の分割表示などレイアウト回りについてもカスタマイズでき、本製品を複数接続した場合に明るさやコントラストを同期する機能など、プラスαの機能は充実している。時間帯によって明るさが変化するようスケジュール設定を行うことも可能だ。
以上ざっと見てきたが、縦置き対応やパススルー充電など、昨今のモバイルディスプレイで付加価値として提供されている機能を一通り網羅した、高機能な製品だ。品質も高く、またL字のケーブルを採用するなど、使い勝手にも配慮されている。
そんな本製品でネックになるのは音声出力系の機能で、具体的にはスピーカーもイヤフォンジャックも省かれていることだろう。個人的にはモバイルディスプレイでスピーカーは使わないので問題ないと感じるが、どうせならスピーカーを内蔵している他社の製品を選ぼうとする人がいても不思議ではない。
実売価格は4万800円と、14型のモバイルディスプレイとしてはやや高価だ。実機を見る限り品質は高く、この価格も納得は行くのだが、こうした音声出力系の機能が省かれていることで、ユーザーの好みは分かれるだろうというのが、一通り使った上での感想だ。
※VESAマウントに関する追記を行いました(2025年7月4日午後10時30分)。
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