「Radeon RX 9060 XT(16GB)」は性能と価格のバランスが絶妙な高コスパGPU フルHD/WQHDでゲームをするならお勧めできる理由先行レビュー(3/4 ページ)

» 2025年06月04日 22時00分 公開
[迎悟ITmedia]

重量級のゲームタイトルの動作をチェック!

 続けて、重量級のゲームタイトルでも動作を検証していく。

 最近はPCでゲームを楽しもうとする人が増えているが、その多くが据え置きゲーム機の代わりに、新作かつ大作のゲームを楽しみたいというニーズを持っている。求める解像度やリフレッシュレートによって、選ぶべきCPUやGPUも変わってくる。

 新世代のミドルレンジモデルのRadeon RX 9060 XTは、AAAタイトルを相手にどこまでの結果を出せるのだろうか。

Cyberpunk 2077

 「Cyberpunk 2077」は、最近の重量級PCゲームタイトルの代名詞にもなっている。まず、このタイトルにおける平均フレームレートを測ることにしよう。

 今回は、ゲームのグラフィックスオプション内にあるベンチマークテスト機能を使って4K解像度における平均フレームレートを計測する。とはいえ、GPUのスペックを考えるとネイティブで4K解像度の描画をするのは厳しいため、超解像技術(RadeonシリーズはFSR、GeForce RTX 5060 TiはDLSS)とフレーム生成機能をオンにした上で、一番負荷の重いプリセット「レイトレーシング:オーバードライブ」としている。なお、GeForce RTX 5060 Tiはマルチフレーム生成も可能だが、今回はRadeonと条件をそろえるために「2x(1フレームに対して1フレームを生成)」設定としている。

 結果は以下の通りだ。

  • フルHD
    • Radeon RX 9060 XT:84.3fps
    • Radeon RX 9070 XT:277.55fps
    • Radeon RX 9070:294.1fps
    • GeForce RTX 5060 Ti:95.57fps
  • WQHD
    • Radeon RX 9060 XT:62.3fps
    • Radeon RX 9070 XT:114.1fps
    • Radeon RX 9070:98.44fps
    • GeForce RTX 5060 Ti:73.94fps
  • 4K
    • Radeon RX 9060 XT:38.89fps
    • Radeon RX 9070 XT:74.74fps
    • Radeon RX 9070:63.72fps
    • GeForce RTX 5060 Ti:48.49fps

 流石に重量級タイトル、しかもモブキャラクターがたくさん動いて、レイトレーシングも有効ともなると、ミドルレンジGPUでは高い平均フレームレートを実現するのは難しい。

 とはいえ、全く遊べないかといえばそんなことはない。WQHD解像度までであればスムーズなプレイを期待できる。4K解像度でも、一部のシーンを除けばまあまあ遊べる。「据え置きゲーム機(PlayStation 5)+液晶TV」で遊ぶのと同じか、少し高いフレームレートを記録できている点は見逃せない。

 先に「据え置きゲーム機の代わりにPCを」という話をしたが、この場合予算の都合でグラフィックスカードのランクを下げるというケースも多い。しかし、このランクダウンでゲーム機と比べてグラフィックスが劣るとなれば本末転倒だ。

 その点、フルHD/WQHD解像度を前提とする場合は、Radeon RX 9060 XTであれば移行を後悔しない性能を確保できるだろう。その意味では優秀なGPUといえる。

Cyberpunk 2077 Cyberpunk 2077の平均フレームレート(超解像/フレーム生成オン)

Microsoft Flight Simulator(旧バージョン)

 続いて、やはり高負荷ゲームタイトルとして知られる「Microsoft Flight Simulator」の平均フレームレートを見てみよう。本タイトルは最新版として「Microsoft Flight Simulator 2024」も出ているが、今回は1つ前のバージョンをテストする。「1つ前のバージョン」ではあるものの、高いシステム要件が必要なのは変わりない。

 今回は超解像をオンにした上で、フレーム生成も有効としてフルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でディスカバリーフライト「モナコ」をAI操縦した際の平均フレームレートを「CapFrameX」で計測した。

 結果は以下の通りとなる。

  • フルHD
    • Radeon RX 9060 XT:86.3fps
    • Radeon RX 9070 XT:87.7fps
    • Radeon RX 9070:87.7fps
    • GeForce RTX 5060 Ti:156.2fps
  • WQHD
    • Radeon RX 9060 XT:85.8fps
    • Radeon RX 9070 XT:86.4fps
    • Radeon RX 9070:86.2fps
    • GeForce RTX 5060 Ti:140.3fps
  • 4K
    • Radeon RX 9060 XT:68.9fps
    • Radeon RX 9070 XT:85.4fps
    • Radeon RX 9070:85.6fps
    • GeForce RTX 5060 Ti:78.7fps

 今までのテストとは異なり、4K解像度を除くとGeForce RTX 5060 Tiが“圧勝”している。ただ、この結果にはからくりがある。

 今回テストに使ったMicrosoft Flight Simulatorの旧バージョンはDLSSとFSRの両方に対応している……のだが、FSRは古い「FSR 2.0」への対応にとどまっているのだ。見方を変えると、Radeon RX 9000シリーズでAAAタイトルをプレイする場合は、FSR 3/4に対応しているか否かでゲームの快適さに大きな差が出る可能性がある

 少し古い重量級ゲームを遊ぶ場合は、FSR 3/4に対応しているかどうかをチェックすることをお勧めしたい。対応していれば、ミドルレンジのRadeon RX 9060 XTでも満足いくフレームレート、ゲーム体験を得られるはずだ。

Microsoft Flight Simulator(旧バージョン) Microsoft Flight Simulator(旧バージョン)の平均フレームレート

モンスターハンターワイルズ

 今、重量級のゲームタイトルのテストとして外せないのは「モンスターハンターワイルズ」だろう。

 モンスターハンターワイルズの発売に向けゲーミングPCを用意した人もいれば、元々持っているゲーミングPCでプレイした結果、グラフィックスカードの買い替えを検討している人も多いだろう。何なら「高難度のクエストが追加されるまでに、PCを新調したい」なんていう人がいるかもしれない。

 今回は、同タイトルのベンチマークテストを使って、グラフィックス設定をプリセットの「ウルトラ」に設定してフルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でスコアと平均フレームレートをチェックする。超解像とフレーム生成(FSR/DLSS)は有効としている。結果は以下の通りだ。

  • フルHD
    • Radeon RX 9060 XT:2万4147ポイント(141.56fps)
    • Radeon RX 9070 XT:3万5836ポイント(210.66fps)
    • Radeon RX 9070:3万4795ポイント(204.48fps)
    • GeForce RTX 5060 Ti:1万7665ポイント(103.46fps)
  • WQHD
    • Radeon RX 9060 XT:2万23ポイント(116.83fps)
    • Radeon RX 9070 XT:3万2726ポイント(192.46fps)
    • Radeon RX 9070:3万851ポイント(180.48fps)
    • GeForce RTX 5060 Ti:1万5195ポイント(88.26fps)
  • 4K
    • Radeon RX 9060 XT:1万3207ポイント(77.29fps)
    • Radeon RX 9070 XT:2万3609ポイント(138.4fps)
    • Radeon RX 9070:2万1475ポイント(125.88fps)
    • GeForce RTX 5060 Ti:1万752ポイント(62.93fps)

 「一狩り行く」という観点では、Radeon RX 9060 XTは性能と価格のバランスが絶妙だ。フルHD/WQHD解像度であれば、スコアはもちろんフレームレートは十分に高い。

 やりこんでいるハンターによると「実際のゲームはベンチマークよりも重たいシーンがある」らしいのだが、それを加味してもゲームコンソールと同等かそれ以上のフレームレートは出るだろう。

モンスターハンターワイルズ モンスターハンターワイルズベンチマークのスコア
モンスターハンターワイルズ モンスターハンターワイルズベンチマークの平均フレームレート

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