日立製作所 研究開発グループ未来社会プロジェクトサブリーダーの沖田英樹氏は、「Mirai Theaterは、小学校高学年から高校生の子供たちにも、楽しんでもらえることを考えて作り上げた。参加者が選んだ結果は、毎回のように変化する。未来は誰かに与えられるものではなく、自分たちで変えられるということを体験してもらえる」という。
Mirai Theaterを出ると、目の前に現れるのがMirai Arcadeだ。
最大3人の来場者が、協力しながらゲーム感覚で社会課題の解決を体験できる「協力型シューティングゲーム」である。
65型の大型タッチパネル3枚を用いたゲームコーナー仕立てとなっており、それぞれのパネルの前に座って、3人が同時にプレイする。画面に表示される気候変動や都市過密化などの現代の社会課題に対して、再生可能エネルギーや自動運転などのソリューションが示された「ミライボール」を、その課題に当てることで解決できるというものだ。
操作は簡単で、社会課題として示されたターゲットに同じ色のミライボールをぶつければいい。画面が横にスクロールしていくため、自分がミライボールをぶつけられなくても、隣の人がぶつけて課題を解決できる。
ゲームでは「みんなが活躍する未来をつくろう」「便利で安全な未来をつくろう」「地球にやさしい未来をつくろう」の3つのミッションが用意されている。
日立製作所の沖田氏は、「Mirai Arcadeは、小学生や親子などに、直感的に未来を体感してもらい、未来を変えたという気持ちを持ってもらえるようにしている」と狙いを語った。
Mirai Meetingについて日立製作所の沖田氏は、「参加者からは、未来をイメージできたという声や、未来を考えるきっかけになったり、未来を変えることに関心を持つことにつながったりといった体験ができたことを評価してもらっている。また、海外からの参加者の中には、技術的な訴求ではなく未来の姿を描くところから訴求している点に共感したという声をもらった」という。
また、日立製作所とKDDIは、いずれもSociety 5.0を支えることができる企業であり、CPS(サイバーフィジカルシステム)の実現や、デジタルおよびAI、通信の活用においても先進的だ。両社が持つ社会インフラや、プラットフォームの提供企業として培ってきたノウハウ/テクノロジーを生かした展示にするだけでなく、『未来の都市』パビリオンに出展する12の企業や団体が連携して、未来の世界を体験できるようにしている点も特徴だろう。
10年後に、デジタルやAIを最前線で活用することになる、「今の子供たちに多く来場してもらい、未来は自分たちで作るんだという気持ちになってもらえるとうれしい」と沖田氏は語った。
なお、フューチャーライフ万博・未来の都市は、KDDIのメタバース・Web3サービスプラットフォーム「αU(アルファユー)」上に、同パビリオンと連動した「バーチャル未来の都市」を開設しており、その中にMirai Theaterをバーチャル空間上で体験できる「バーチャル未来シアター」を用意している。
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