iPadや海外メーカーの液タブ/板タブが台頭してきたのも、この時期の特徴です。
従来はデジタルイラスト制作といえば、ワコムしか選択肢がありませんでした。今でもワコムがデファクトスタンダードの地位を守っているとはいえ、選択肢はずっと広がっています。
昔は性能や品質に問題があったり、弱点が多かったりした海外メーカー勢ですが、ここ数年は急激に弱点を減らして、最新の世代ではワコムに慣れすぎた自分の感覚でも「これ仕事に使えって言われても嫌じゃないな」になってきています。
iPadシリーズも、初代Apple Pencilでそれまで何用にも使いづらかったモバイル端末の筆圧ペンの常識を破壊して10年、PCより圧倒的に煩雑じゃない上にガッツリ制作にも使える機材として、確かな地位を築きました。
業務上、ワコムの上位機の感触は手に吸わせておきたいので、メイン機材を海外メーカー機やiPadにするという選択肢は当面ないです。ですが、どの条件でもワコムが無難というわけでもなくなっているのも確かです。
だからこそ、それに対応しうる新「Cintiq 16」のような競争力の強いモデルや、「MovinkPad 11」のようなギラッと輝く訴求点を持ったモデルが現れたときにはワクワクします。
Intelしかり、ワコムしかり、やはりライバルは不在じゃないのが良いと、しみじみ感じてしまいますね。
といったところで。
まとめてみると、日々の糧の要とかドヤ顔で言いながら結構安定感のないモデル選定をしているな……みたいな気がしてきました。パソコン老人会みたいな話もいくつか出てきたので、妙齢のPCおじさまに「あったな〜」と思っていただけることが数点でもあればうれしいです。
それでは、PC触って30年おじさんの次の30年に幸あらんことを!
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