移動体通信とIT専門の調査会社MCAが、モバイルルータ市場の展望に関する調査リポートの発売に伴い、内容の一部を公開した。
モバイルルータは、WANのインターネット接続に3GやPHSなどを利用するルータで、有線環境がない場所でも手軽にネットワークへの接続手段を提供できることから注目を集めている。2008年後半以降、コンシューマー向けのWi-Fi対応製品が相次いで登場し、利用者のすそ野が広がっている。
日本市場では、この2月にUQコミュニケーションズがモバイルWiMAXの試験サービスを開始し、他キャリアも次世代PHSやHSPA+、LTEの導入に向けた動きを加速させるなど、次世代インフラへの移行が進みつつある。MCAでは、こうした動きがモバイルルータ市場を急拡大させる可能性があるとしている。
MCAによれば、2008年のモバイルルータの市場規模は11万1000台と推定されるといい、2009年には23万台、2010年には36万台、2011年には53万台規模に拡大すると予測。また、FTTHやADSLなど固定ブロードバンドサービス利用者の一部が、最大20〜40Mbpsの高速データ通信サービスを月額5000円前後で利用できるモバイルWiMAXや次世代PHSに移行する可能性があるとし、こうした流れもモバイルルータ市場の拡大につながると見ている。
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