USTでARを使った「未来広告実験」――AR三兄弟が披露:AR Commonsイベントリポート

» 2010年04月09日 10時28分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 視聴中のUstreamに対してつぶやくと、「うっかりプレゼントが当選する」――AR(拡張現実)の普及に取り組むAR Commonsが開催した討論会「つるつるの未来とでこぼこの現実」で、動画配信サービスのUstreamとARを組み合わせた“未来広告実験”が行われた。ARのクリエイティブ集団、AR三兄弟が開発した「AR未来広告システム」を使い、視聴者へのプレゼント抽選をARで斬新に演出する方法が披露された。

photo AR三兄弟の“長男”こと川田十夢氏(左)と、“次男”こと高木伸二氏(右)。イベント会場には内田洋行のユビキタス協創広場CANVASが利用された

 テレビでは、広告主の商品を視聴者に抽選でプレゼントする企画がよく見られる。通常はハガキやメールなどで視聴者に応募を呼びかけ、その後抽選結果を発表する。ARで物事を“省略”することがモットーのAR三兄弟は、このプレゼント発表までのフローを、Ustream、Twitter、ARの3要素を連携させて短縮してみせた。

photophoto 深夜アニメ枠「ノイタミナ」とのコラボをはじめ、幅広いジャンルにARを携えて進出し、活躍の場を広げているAR三兄弟。長男・川田氏のTwitterでのつぶやきはcmrr_xxxで、AR三兄弟のつぶやきはar3brosで見ることができる

 このシステムでは、Twitterで番組のハッシュタグ付きコメントをつぶやいた視聴者の中から当選者がランダムに選ばれる。そして、Ustreamの生放送中に出演者がARマーカーをWebカメラに向けると、当選者のTwitterアイコンとユーザー名がARマーカー上に表示される。要するに、番組を見ながらつぶやいていると、“うっかりプレゼントがもらえてしまう”というARシステムなのだ。「未来のテレビ番組やメディアを想像して作ってみた」と、AR三兄弟の長男、川田十夢氏は話す。討論会で実施したUstreamの生中継では、AR三兄弟お手製の“ARくじ引きボックス”の中からARマーカーを取り出すという粋な演出とともに、いくつかのプレゼントが視聴者に贈られた。

photophoto 川田氏がかざしたARマーカーの場所には、AR未来広告システムを介して当選者のTwitterアイコンとアカウント名が表示される

 もちろん、UstreamそのものはARマーカーを認識する機能は持っていない。Webカメラの映像はまずARの認識システムに通され、ARを画面に付与した映像がUstreamにアップロードされる。ちなみにAR三兄弟は生放送中にARを利用するためのシステムとして、カヤックのプロジェクト集団「BM11」とコラボして開発した生中継支援システム「面白いカヤックに乗る三兄弟」(http://bscast.kayac.com/ar/)なども手掛けている。

Ustreamで広がるARの世界

 実験の生中継では、AR三兄弟が過去に手掛けたARシステムの実演も行われた。最初に披露されたのは、先述した「面白いカヤックに乗る三兄弟」だ。音のARをテーマにした同システムでは、“拍手のマーカー”をかざせば拍手が、“ブーイングのマーカー”をかざせばブーイングが起きるといった具合に、生放送中の効果音をARマーカーでコントロールできる。

photo 会場で話がウケなかった時に便利な“拍手のAR”

 さらにAR三兄弟が内田洋行と共催したイベント「AR忘年会」で披露したARマジックもUstreamで実演された。鳩の形をしたARマーカーをカメラにかざすと、マーカーから鳩が飛び出し、画面の外へ飛び去っていく。

photophoto マーカーのはずの鳩が動き出した

 そして、オモシロ系(?)ARシステムの極めつけとして、ARマーカーで任意の場所にモザイク処理を施せてしまうシステム「モザイク処理機 AR-9900」も紹介された。マーカーをかざした場所がモザイクで処理され、マーカーの前に指を重ねるなどしてシステムがマーカーを認識できないようにすると、その場所にモザイクが残る仕組みになっている。「モザイクを付けたり、あるいは好きな場所にずらして“見たいもの”を見ることができる、夢のような機能」と川田氏。

photophoto まさかのARモザイク

 これら3つのシステムはそれぞれ別のもので、AR三兄弟は生放送中にシステムを切り替えながら映像を配信していたが、こうした各種機能が“Ustream支援システム”としてまとめて使えるようになると面白そうだ。


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