スプラッシュは、iPadの内蔵カメラを生かした業務システムの開発を手がけている。同社はiPadで撮影した画像の上に、手書きの文字や矢印などを書き込めるツール「FMキャンバス」をFileMakerで開発。このツールを組み込んだシステムを開発している。
その1つが、同社の金型メンテナンスシステムだ。金型はすり減った状態で部品をつくるとバリ(出っ張り)が出てしまうため、細やかなチェックと素早い対応が重要だという。FMキャンバスを使えば、現場で金型をチェックする際にiPadで問題がある金型を撮影し、その場で問題がある部分に書き込みを入れて指示を出せる。修理を担当する部署は、画像と指示をみながら修理の優先順位を決められるわけだ。
FMキャンバスはペンの色にタグ付けできるので、例えば「赤は至急」「緑は余裕あり」のようなルール付けをしておけば、より直感的な確認が可能になる。さらに、修理履歴に画像が残るので、以前の修理時の状況などを確認しながら修理にあたれるところも好評だという。
画像を使った業務システムはニーズが高く、ほかにも靴やバッグなどの修理請負システムや医療用カルテなどでも引き合いがあるという。
手間がかかるセミナーや展示会の来場者管理をiPadで行うシステムを開発したのがパットシステムソリューションズ。iPadのカメラ機能をバーコードリーダーとして利用することで、素早く来場者登録を行えるのが特徴だ。
事前の準備はPC側のシステムで、現場の登録はiPadで行う仕組み。セミナーの前に、イベント情報や来場者情報の取り込み、PDF形式の受講券の発行と配信をPC側のシステムで済ませておく。
受講券には受講者ごとに異なるバーコードが振られており、セミナー会場ではiPadの内蔵カメラを利用してバーコードを読み取って来場者を登録。受講票を忘れた場合は、受講番号の手入力や電話番号からの検索で登録することも可能だ。
iPadで登録した来場者情報はPC側のシステムに反映され、セミナーの修了後には参加者にお礼のメールや案内状を一斉送信できる。
iPadをPOSレジとして活用するためのシステム「miXRas」(ミクラス)の開発を手がけているのがネビュラだ。iPad上で動くシステムは、キャッシュドロワーやレシート用プリンタと連携する本格派。高価なPOS端末やレジ機器を購入することなく、POSシステムを導入できる。
利用する店舗や店員を登録し、商品ジャンルや商品名、価格などを登録することで利用でき、商品写真はiPadで撮影したものを取り込んで使うことも可能。iPadは持ち運びができるため、レジ端末として使うだけでなく、オーダー用端末としても利用できるという。「既に導入している基幹システムとの連携にも対応するので、既存のシステムにiPadを使ったオーダーやレジシステムを組み込むこともできる」(説明員)
iPadを活用したPOSレジシステムはさまざまな製品が登場し、競争が激化しているが、ネビュラは今後、会員管理システムや従業員のタイムカード、シフト表などを組み込んだ店舗業務のトータルなサービスを提供することで差別化を図る考えだ。
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