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» 2011年02月25日 23時30分 UPDATE

夫婦で始める“エクストリームコミュニケーション”:唐揚げにレモンをかけてキレる人、キレない人――家事・食生活・日常生活

今回はセコくてみみっちい話をします。臓器提供や余命宣告の深刻なテーマとは打って変わり、生活臭ただよう貧乏くさい話で恐縮ですが、これも夫婦関係における重要な要素なのです。

[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

 夫婦間のコミュニケーションは難しいもの。付き合いも長いと、話題もなくなります。年中一緒に暮らしていれば、会話のネタも尽きてきますよね。そこで、ごくごく普通の夫である私が試行錯誤の上に発見した、ちょっと変わった夫婦間の「エクストリームコミュニケーション」をご紹介しています。今回のエクストリームコミュニケーションは「家事・食生活・日常生活」です。

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  1. 金銭感覚
  2. 教育/育児
  3. 住居/財産/資産
  4. 仕事/キャリア
  5. 習慣/くせ/生い立ち
  6. 趣味/嗜好/思考
  7. 健康/病気
  8. 家事/食生活/日常生活←イマココ
  9. 夫婦/人間関係
  10. 社会問題/政治
  11. 親/家族/親戚
  12. 道徳/倫理
  13. 老後/ライフワーク

 あらかじめ断っておきます。今回はセコくてみみっちい話のオンパレード。前回までの臓器提供や余命宣告の深刻なテーマとは打って変わり、生活臭ただよう貧乏くさい話です。ですが、これも夫婦関係における重要な要素であり、ある意味でエクストリームな内容ではあります。ちなみに各テーマの数字は連載記事共通の通し番号。これまでのエクストリームコミュニケーションも参考にしてみてください。

テーマ67:許せない料理、調理法

 物の本によれば、味覚は(ほぼ)幼少期に完成してしまうそうです。確かに、わが身を振り返っても、大人になってからは食の好みはなかなか変わらないです。そんな味覚や好みに関連した話で、「許せる調理法」と「許せない調理法」を議論しました。。

 料理や調理法で「これは許せない」っていうのはあるかしら?

 フルーツを料理に入れるのってあるじゃない? 酢豚にパイナップルとか、カレーにリンゴとか。あれは許せんなー。

 干しぶどうもだめ?

 だめだね。料理にフルーツは入れてほしくない。

 私はぜんぜんOKだけどな。

 トンカツラーメンっていうのも信じられなくない? せっかくサクサクに揚げたカツをなぜスープに浸す? と思うのよ。

 それもそうだね。カツカレーはセーフだけど。それから調理じゃないけどさ、居酒屋とかで唐揚げに断りもなくレモンかける人っているでしょ。私はレモン派ではあるんだけど、気配りできない人だなって思うね。

 ボクはレモンかけない派だから余計にそう思う。ところでひとつ、キミとは味噌汁についてハッキリさせたいんだけど。

 なに?

 味噌汁の具としてOKな食材とNGな食材を、金輪際ハッキリしておきたいんだ。まず、ジャガイモ、サツマイモ、キャベツ、納豆は味噌汁の具として認めない。

 え〜〜、私はそれ全部OKだよ。

 僕が好きなのは、長ネギ、ワカメ、豆腐、油揚げ、大根、白菜なのね。サトイモ、タマネギ、キノコ類、ゴボウは第二候補としてOK。

 私は味噌汁の具としてNGな具はないな。強いて言うなら、ニンジンだけは積極的には入れたくない。

 沖縄人って、何でも味噌汁に入れるもんなの?

 県民性かどうかは分からないよ(笑)。そもそも、沖縄ってもともと味噌汁をあまり食べないね。汁物文化があんまりないっていうか。

 暑い地域ってせいもあるのかな。とにかく、NGの具はできるだけ入れないでね。

 好き嫌い言わず、なんでも食べなさい!

 出身地と育った家庭によって、味噌汁の習慣は相当な違いがあると思います。よく、お雑煮の具は地域色が出るっていいますが、味噌汁だって同じです。味噌汁の具を巡る“攻防”はいまだにわが家では内紛状態にあり、なかなか決着できずにおります。

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 具よりも困るのが味噌の好みです。名古屋人の夫は赤味噌しか認めないのですが、私からすれば「どうでもいいやん」って思います。


テーマ68:調理次第で食べられるモノ、どうしたって食べられないモノ

 生理的にどうしても受け付けない食べ物は別として、調理次第ではおいしく感じたり、まずかったりする食材というものが誰しもあると思うので、共通認識にしておきましょう。でないと「この間は食べたのに、なんで今日は食べないの!?」となってしまいます。

 例えば私はサンドイッチやバーガーにトマトは違和感がないのですが、丸ごとかぶりつくことができません。このへんの本人すらよく分からない好みは他人に理解されにくいので、進んで話しておきましょう。

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 単純な好き嫌いじゃないところが本人以外に伝わりにくくて説明に手間取ります。私はグリーンピース以外は嫌いなモノがないので夫の好き嫌いに手を焼いています。


テーマ69:実践しているマイ節約術

 夫婦で協力して実践しているもの、個々で密かに取り組んでいるもの、いくつかあるでしょう。一度、棚卸ししてみてはどうでしょうか。それぞれが育った家庭環境に大きく影響されていることも分かり、そういったことも併せて確認しあえます。

 恥を忍んでわれわれが実践する一例を挙げてみます。

  • 夏場、エアコンを使わず、枕サイズの大型保冷剤を抱えて過ごしたり、背中において寝る
  • 外食を減らし、弁当にする
  • 図書館をフル活用する
  • 牛乳パックを切って広げ、生モノ用まな板にする
  • 米のとぎ汁を庭の植物にまく

 棚卸しをしてよかったのは、節約術の効果の有無を検証でき、ないものは捨てていけるという点です。一生懸命にがんばっているわりに、「それって1年やったところで、数百円の節約にしかならなくない?」と冷静に分析できるのです。

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 以前は家中のコンセントを抜きまくっていたんですが、冷静に検証すると、労力と節約コストが割に合わないと分かりました。節約に励む自分に酔っていたところがあったのかもしれません。反省。


テーマ70:「おかず」のボーダーライン判定

 「おかずボーダーライン判定」とは、私の造語です。「○○○はおかずとして認められるか、それともオヤツでしかないか」をきちっと線引きする行為を指します。これがあいまいなままでいると「夕飯にお好み焼きだと? 料理の手を抜くんじゃねー!」「何がよ、立派なおかずでしょうが!」というケンカになります。

 この辺りは、出身地や育った家庭事情が大きく左右するでしょう。例えば大阪だと、たこ焼きやお好み焼きは立派なおかず。ですから「たこ焼きと米と味噌汁」は定食として成立します。「炭水化物ばっかだろ」というつっこみは間違いではありませんが、栄養バランスだけでおかず判定は決まりません。

 妻は「ドーナツは朝食として認めるが、ホットケーキはオヤツでしかない。よって、ドーナツの勝ち。ワッフルはホットケーキよりもさらに低いポジションなので、断じて食事にはなりえない」と主張します。私はまったくの逆でドーナツこそがオヤツであるというポリシーなので、外で朝食をとるときは、ミスタードーナツに行く、行かないで押し問答になります。

 このおかず判定、なにげにものすごく盛り上がって楽しいです。いくら口論になったところで、後腐れもないですしね。

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 「粉モンはおかずである」と主張する夫のおかげで、焼きそばやお好み焼きを夕飯に出せるので助かっています。


テーマ71:あいまいな家事の担当分け

 担当分けが明確な家事はいいとして、あいまいなままに「なんとなく妻(夫)がやることになっている家事」を、ハッキリさせておくことで公平感が生まれ、衝突の予防になります。流れ的には、妻側の負担を夫の協力でカバーすることになるので、夫からすれば損した気分になることもあるでしょう。ただ、家事の“ポテンヒット”(思わぬやり残し)がなくなるので、平和な時間が結果的にすごせます。

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 庭の草むしりなど、お互い「気づいた方が率先してやろう」と言い合ってはいても、内心「早く(相手が)気づかないかな……」と期待して自発的行動はしないもの。緩くでもいいのでルールは設けた方がよい結果になると思います。


テーマ72:近所づきあい、どの程度関わる?

 マンションか戸建てか、賃貸か持ち家かでつきあう範囲と深さは決まってくるような気がします。昨今はつかず離れずなつきあいが主流でしょうが、この辺の感覚は個人差が大きいです。あまり言葉にする機会も少ないでしょうし、よい機会なので洗いざらい打ち明けてみましょう。

 賃貸に住んでいたころは「どうせ終(つい)の住処(すみか)じゃないし」と無関心でしたが、自宅購入を機に積極的になりました、そんな打算的な自分がいやになります(笑)。

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 家にいることの多いであろう奥さんとそうでない旦那さんの間には、このへんの温度差がくっきり現れますね。奥さんが情報収集でリードしてあげるのがよいかなと。


テーマ73:許せる or 許せないテーブルマナー

 食事マナーひとつで人格を否定されたり、百年の恋も一瞬で冷めるものです。食事は毎日のことなので、夫婦でマナーを確認しておきます。子供へのしつけのガイドラインとしても役に立ちます。口を開けて食べたり、ムシャムシャと音を立てるのは論外としても、自分では気がつかないところで相手を不快にさせている可能性もあります。

 妻は、つまようじを使った後にそれをどこにどう置くかでその人の気配り加減をチェックするのだそうです。なるほど。

 ほかにも、居酒屋の唐揚げを手でつまむのはギリギリセーフとか、焼き鳥を串から全部はずしてしまうのは、食べ方として間違いではあるが、平等にシェアしようという心配りがよいのでOKとか、細かい話をしました。

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 食事のマナー違反って、絶対に他人が指摘してくれない類のものなんですよね。人にどう思われているかと考えると、ちょっと怖い気もしますね……。


テーマ74:許せる or 許せない衛生観念

 食事マナー以上に生理的な感情が刺激されるデリケートな問題です。だからこそ、今一度しっかり話し合っておくことに意義があります。

 汚い話で恐縮ですが「同じ下着を何日連続で着続けられるか?(夏場と冬場それぞれのケース)」「何日連続で風呂に入らずに過ごせるか」「床に落ちた食べ物を拾って食べるか?(自宅の食卓限定)」といった問いは、男女間でびっくりするほどの意識差があるでしょう。詳しくは書きませんが、妻に何度も「不潔!」「ありえない!」となじられました。

 意外に面白かったのが、床に落としたものを食べる、いわゆる「3秒ルール」でした。検討の結果、クッキーや揚げ物等の表面が乾いたモノは3秒ルールを適用し、フルーツや汁物の具等の水分を含んだモノはホコリやバイ菌が付着したような気がするので適用しない、という合意を得ました。

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 いいトシをした夫婦が「コロッケはセーフ!」とか「たくわんは3秒以内でギリOK!」と話しているサマは、とても人様に見せられません。ここに掲載している時点で、すでに死ぬほど恥ずかしいです……。


テーマ75:風呂とトイレでの時間の使い方

 衛生観念からはちょっと離れて、お風呂とトイレの自分なりの理想の過ごし方というものを分かちあいます。トイレの過ごし方には夫婦で大差はありませんでしたが、入浴時間と湯の中で何をして過ごすかにはけっこうな違いがあるものです。

 そういえば、お互いが風呂で何をしているか、何をして過ごしたいと考えているかは意外にブラックボックスなもの。妻は温泉旅館でも「体を洗ったらさっさと出る。くつろぎは二の次」派。私は1時間以上かけてのんびりする派で、真剣にiPhone用防水カバーの購入を検討するほどなので、お互い「信じられん……」と絶句でした。

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 風呂でiPhoneって、あきれてモノも言えない……。スマートフォンユーザーって、湯船でネットサーフィンとかメールチェックするものなんですか?


テーマ76:紙媒体の情報源にお金を払うか

 出版不況と言われる昨今、書籍や雑誌などの紙媒体にお金をかけない風潮があります。すべてをネットで賄うのか、用途によって使い分けていくのか、話し合っておきましょう。新聞や雑誌の購入は習慣化されやすく、(単価は安いですが)家計の固定費となっていきます。毎週(毎月)繰り返されることになれば、ネット派にはストレスになります。

 ただ、節約志向だけで話すと「とにかく切り詰めよう」という方向に進みかねないです。ネットか紙かにとらわれず、さまざまな情報源を駆使して多面性のある情報を収集できる仕組みをつくる話し合いと捉えてはどうでしょうか(「△△と□□で補えば、○○は解約しても大丈夫っぽい」とか)。

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 情報源に関しては夫に任せています。必要なときに必要な情報をさくっと探してくれますし、その点は助かっています。が、iPhoneを相談もなしに買ってきた日には、さすがに雷を落としました。



No. 今回のテーマ
67 許せない料理、調理法
68 調理次第で食べられるモノ、どうしたって食べられないモノ
69 実践しているマイ節約術
70 「おかず」のボーダーライン判定
71 あいまいな家事の担当分け
72 近所づきあい、どの程度関わる?
73 許せる or 許せないテーブルマナー
74 許せる or 許せない衛生観念
75 風呂とトイレでの時間の使い方
76 紙媒体の情報源にお金を払うか

 以上、家事・食生活・日常生活についてでした。

 今回は、本連載でもっとも低俗かつバカバカしい内容でした。申し訳ない気持ちと恥ずかしさでいっぱいです。ただ、ではこれらが結婚生活において重要ではないかというと、そんなことはないのです。余命宣告や臓器提供よりも日常に密着したテーマであるぶん、むしろ重要度は高いのではないでしょうか。

 「たかが味噌汁の具で」と笑うのは簡単ですが「これはちょっと……」と思う食材が毎日お椀の中に浮かんでいる様子を想像してください。1週間と持ちませんよ。


スキナヒト製作所からのお知らせ

 筆者の中山順司さんが運営している「スキナヒト製作所」。フツーの男女のフツーの出会いをプロデュースすることに特化した、世界一マジメな恋愛インキュベーション・プロジェクトです。ただいまβテスト中につき、利用は完全無料。

このたび、スキナヒト製作所おひとり目となる独身男性をご紹介することになりました(パチパチ)。IT系プログラマ(26歳)の痩身な方です。今風に言うなら、草食系男子でしょうか。

 「この人に興味あるかも」と思った方、ぜひご連絡を! 「知り合いのあの娘に教えてあげよう」などなど、ぜひTwitterでつぶやいてみてください。

著者紹介:中山順司(なかやま・じゅんじ)

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 シックス・アパート株式会社 / スキナヒト製作所 所長。1971年生まれ。Covenant College(米国)卒業後、携帯電話キャリアでマーケティングと営業に携わり、2000年にネット業界に転身。旅行予約サイト(現楽天トラベル)で観光旅行コンテンツビジネスを立ち上げ、その後始めた個人ブログがキッカケで、ブログソフトウェアベンダーのシックス・アパートに(現職)。

 2010年12月、フツーの男女のフツーの出会いをプロデュースすることに特化した、世界一マジメな恋愛インキュベーション・プロジェクト「スキナヒト製作所(β)」を設立。


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