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» 2004年07月13日 20時19分 UPDATE

無線LAN内蔵FOMA「N900iL」でできること

ドコモが、携帯電話としては初めて無線LANを内蔵したFOMA「N900iL」を開発した。N900iをベースとし、無線LAN機能を内蔵したにもかかわらず、ほぼ同等のボディサイズだ。

[後藤祥子,ITmedia]

 日本の携帯電話としては初となる、FOMA/無線LANのデュアル端末をドコモが開発した。2003年12月に開発表明した端末が(2003年12月の記事参照)、今秋にも法人向け端末として登場する。価格は4万円から5万円程度になる見込み。

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 N900iのデザインをベースにしたN900iL。撮影補助用ライトがなくなり、スピーカー部のレイアウトも若干変更された

 無線LAN内蔵端末といっても現在のところ、公衆無線LANのサービススポットで、Webやメールを閲覧できるものではない。ドコモの事業者コードレスシステム「PASSAGE DUPLE」での利用が主な用途となり、内線電話の代わりにIP電話として使ったり、イントラネットの情報にアクセスしたりといった使い方になる。内蔵されるWebブラウザも、フルブラウザではなくcHTMLベースのものだ。

無線LAN搭載でも、サイズはほぼN900iと同等

 N900iLのボディデザインは、同じNEC製端末「N900i」(2003年12月の記事参照)をベースにしたもの。N900iの撮影補助用ライトが付いているあたりに無線LANモジュールが内蔵された。

 N900iから省かれたのは、キャラ電やiアプリDX、赤外線リモコン、USBハンズフリー、PCと接続して端末を外部ストレージとして利用する「USB」メモリの5つの機能だ。

 ボディカラーはシルバー1色。「N900iやN900iSのシルバーとは異なる、少し青みがかったブルー」(説明員)。

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 ダイヤルキー回りのレイアウトは、N900iとほぼ同じ

 昨年公開された試作機は厚みが目立っていたが(2003年12月の記事参照)、N900iLの大きさは、N900iとほぼ同等。「無線LAN内蔵で厚くなったのはわずか1ミリ。重さも5グラム増えただけ」(説明員)。チップやアンテナなど無線LAN部分をモジュール化したことと、実装面の工夫により、端末の小型化が図られた。

 無線LAN利用時の課題となっていたバッテリーの持ち時間は、間欠受信を行うパワーセーブモードの採用で、単独待ち受け時で連続280時間を確保した。「ビーコンの起きたり寝たりする時間を、最適なものにコントロールする」(説明員)。また端末側でも、無線LANの省電力制御を行っているという。

N900iLならではの機能は

 待ち受け時の設定は、FOMA優先、無線LAN優先のデュアルモードと、FOMAシングルモード、無線LANシングルモードの4つから選べる。無線LAN利用時には、VoIP機能を使った内線電話として機能する。無線LAN優先モード時には、内線番号+通話キーで内線、電話番号+決定キーでFOMAでの通話を行う仕組みだ。

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 デュアルモード待ち受け時には、無線LANとFOMAの両方の電波状態が表示される


4種の待ち受けモードが用意される


内線電話の着信画面

 VoIPのプロトコルにはSIPを採用。「N900iLにはSIPのクライアント機能が内蔵され、VoIP電話を使える」(説明員)。音声コーデックはG.711、G.729、G.723.1の3種がSIPの中で自動的に選択されるという。

 VoIPの通話を試してみると、若干のタイムラグが気になるものの、音声は比較的クリアだ。「内線電話と同等の音質。タイムラグは離れている人同士が通話を行う分には、さほど気にならないレベル」(説明員)

 端末にはN900iL固有の機能として、相手の状態を見ながらリアルタイムなテキスト情報のやりとりを行える「メッセンジャー」と、相手の状態を確認する「プレゼンス」、グループウェアや受発注システムなどのイントラネットにアクセスするための「WLANブラウザ」が用意される。

メニューの一番上に、N900iLならではの3つの機能が並ぶ


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 IM機能の「メッセンジャー」は、メッセージが届くとメール着信時と同様、画面上に着信したことが分かるようアイコン表示される


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 ブラウザ(左)とメッセンジャー(中)のメニュー画面。右はプレゼンスの表示画面

 N900iLを持っている人が、無線LANエリア内にいるのかどうか分からないときには、相手の状態をプレゼンスで確認して、FOMAか内線かを選んで電話をかけることになる。「自動転送の機能を備えていない」(説明員)からだ。ただしイントラネット内で表示される社員名簿をプレゼンスに連動させることは可能だという。「社員が外にいるときは、名簿にFOMAの番号のみ出るようにすることはできる」(説明員)。

イントラネット上の社内名簿に、SipToやImToのタグを入れることも可能。端末側からイントラネットサイトにアクセスし、VoIP電話をかけたりIMでメッセージを送ったりできる

 商用化に当たってセキュリティは、WEPと802.1x規格に対応。WPAは非サポートとなる。

端末名 N900iL
サイズ 102×48×27ミリ
重さ 約120グラム
連続待ち受け時間 FOMA静止時:約280時間、無線LAN:約230時間、デュアル:約150時間
連続通話時間 FOMA:約140分、VoIP:約160分
メインディスプレイ 約2.2インチQVGAのTFT液晶、6万5536色
サブディスプレイ 0.96インチ半透過STN液晶(30×120ピクセル、4096色)
外部メモリ miniSDカード
アウトカメラ 有効画素数100万(記録画素数200万画素)
インカメラ 約11万画素CCD

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