「901iSシリーズ」は主力FOMAとなり得るか

» 2005年05月18日 02時26分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 ドコモが発表した「901iS」シリーズ(5月17日の記事参照)。「われわれとしてはマイナーモデルチェンジとなる」(第一商品企画担当部長の森健一氏)とドコモが話す通り、基本的には昨年末に発表した「901iシリーズ」を引き継いだモデルだ。

 しかし、ある意味ではフルモデルチェンジに近いともいえるだろう。901iシリーズでやり残した、いくつかの基本機能が変更になっているからだ。

全機種「おサイフケータイ」〜2006年3月1000万台超え

 1つ目は全機種がiモードFeliCaに対応しており、「シリーズ初の全機種おサイフケータイ」(森氏)をうたっていることだ。

 これまでおサイフケータイは端末名末尾に“iC”が付いており、ある種、標準機能には至っていなかった。506iC、900iC、901iCなど7機種が投入されてきたが、4月末時点での稼動台数は334万(うちムーバは80万〜90万台程度)。まだサービスプラットフォームとしては台数が少ない。

 約1年後の2006年3月までに、1000万台の大台に乗せることをドコモは目標としている(2004年12月15日の記事参照)。901iSで、やっとシリーズ標準機能となったことで1000万台突破も見えてきた。

モバイルSuicaレディ〜2006年以降も安心して利用可能

 もう1つ、901iSではJR東日本の「Suica」への対応がうたわれた。JR東らは2006年1月に、Suica機能を携帯で利用できる「モバイルSuica」を開始する(2月22日の記事参照)。

 モバイルSuicaは、おサイフケータイの“キラーアプリ”として期待される一方で、端末への条件の厳しさも指摘されてきた。JR東は「両面で利用できること」「衝撃に耐えること」などいくつか条件を出しており、初期のおサイフケータイがモバイルSuicaに対応できるかどうかには疑問の声もあった(2004年8月18日の記事参照)。

 ドコモの森氏は「FOMAもムーバもすべて(モバイルSuicaに)対応していく予定」と、従来のおサイフケータイがアプリのダウンロードだけでモバイルSuicaに対応していけるという見通しを話した(2月22日の記事参照)。

おサイフケータイ対応機種は、5機種追加で一挙12機種に

800MHz対応でエリア拡大「FOMAプラスエリア」

 2つ目が800MHzをやっとFOMAで利用できるようになったことだ。国際的に3Gに割り当てられている2GHz帯は、電波の特性として建物内へ浸透しにくいといった課題がある(2004年11月4日の記事参照)。より“携帯向き”といわれる800MHz帯をFOMAでも利用できるよう、ドコモは動いてきたが(2003年11月25日の記事参照)901iSで初めて実現した。

 実際のところ、今後も都市部は2GHz帯でまかなっていく計画だ。トラフィックが集中する都市部では、1つの基地局がカバーするエリアを狭くすることで、多くのユーザーを収容できると共に、電波の穴もなくすことができる。

 800MHz帯が生きるのは、ユーザー数がさほど多くない山間部だ。2GHz帯を使うのに比べ、基地局数を減らせることから効率的なエリアカバーが可能になる。

 このため、人口カバー率という意味では800MHz帯を使うFOMAプラスエリアの貢献は少ない。人口カバー率の算出方法は、各市町村の役所・役場がエリアになればその人口分はカバーしたと見なすものだからだ(2003年9月19日の記事参照)。ドコモがFOMAプラスエリアの例として挙げた奥多摩や中禅寺湖など人口が希薄な場所では、人口カバー率への影響はほとんどない(5月17日の記事参照)。

 それでもムーバをFOMAで置き換えようとするならば、山間部のエリア化は必須。日本の国土のほとんどは山なのだ。

PDF対応やテレビ電話切り替え機能など

 そのほか、発表済みのPDF対応ビューア搭載や(3月9日の記事参照)、テレビ電話と音声通話を接続を切ることなく切り替えられる機能(5月17日の記事参照)など、基本機能の充実も図った。

 また「P901iS」「F901iS」「D901iS」では時刻の自動補正機能を(5月17日の記事参照)、「N901iS」「P901iS」「SH901iS」ではiアプリからメニューアイコンを設定することで複数のアイコンを一括設定することが可能になった。「N901iS」が搭載したフルブラウザも(5月17日の記事参照)、先行して搭載した機能と見ることができる。

 901iSシリーズを、901iのマイナーバージョンアップと見ることもできる。しかし、“3D×3D”をキャッチフレーズに、主にゲームなどエンターテインメント系機能を充実させた901iシリーズに比べると(2004年11月17日の記事参照)、901iSシリーズはFOMAとして“本質的な進化”を遂げた。2006年に向けても、FOMAの“主戦力”として十分なパフォーマンスを持つといえる。

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