ソフトバンクの携帯は「速度40Mbps」から始まる?

» 2005年06月02日 15時09分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 ソフトバンクの携帯は、サービススタート時から通信速度40Mbpsを実現するかもしれない。本誌取材に対し、ソフトバンクのある幹部が構想を明かした。

 同氏によると、ソフトバンクがモバイルブロードバンドサービスを開始する場合、「3Gではなくその次の世代から始めるかもしれない」。具体的にはHSDPAや、HSOPA(High-Speed OFDM Packet Access)でのサービスを検討しているという。

 HSOPAということになると、通信速度は下り最大40Mbpsになる。ソフトバンク側は開始当初から、高速をウリにするモバイルサービスを提供することになる。

2007年にずれこんだ代わりに……

 構想の背景には、ソフトバンクの携帯参入時期に“見込み違い”が起きたことがある。

 ソフトバンクとしては当然、参入の好機と見られるMNP(番号ポータビリティ)開始のタイミングで携帯事業を開始したかった。MNPのスケジュールは完全に固まっていないが、「早ければ2006年夏頃」といわれている。(2004年3月30日の記事参照)

 しかし800MHz帯をめぐる騒動の結果、同社は800MHz帯の割り当てを得られず(5月10日の記事参照)、すぐには市場に参入できないこととなった。今後1.7GHz帯を割り当てられたとしても、インフラ敷設の予定変更などもあって、当初見込みよりサービス開始時期はずれ込んでくる。ソフトバンク関係者の言葉を総合すると、開始は2007年以降になる可能性が高い。

 2007年となると、下り最大14.4Mbpsを実現するとされるHSDPAや上りを高速化するHSUPA(5月11日の記事参照)といった技術も商用化の計算がたつ。早ければ下り最大40MbpsのHSOPAも、提供できる可能性がある。

 「どうせ遅れるなら、その時点で最速のサービスを」。そうソフトバンクが考えるのも、自然な流れだ。実際、HSDPAからHSOPAへは基地局に収容するシャーシを交換する程度で、容易にアップグレードできる見込み。HSDPAとHSOPAのデュアルでネットワークを構築できればという。

 同社は今後、無線通信部だけでなく、有線のバックボーンもさらに増強する構え。「40Mbpsで終わりではない。さらに無線100Mbpsまで視野に入れる。そうすると今のインフラでは足りない」(前出の幹部)とした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  3. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  4. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  5. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  9. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー