903iシリーズ最薄ボディはこうして生まれた──開発陣に聞く「D903i」「D903i」開発者インタビュー(後編)(2/2 ページ)

» 2006年11月15日 16時11分 公開
[房野麻子(聞き手:後藤祥子),ITmedia]
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今後も、さらなるスリム化を目指す

 D903iで完成型に達したようにも見えるスライドスタイルだが、まだ進化の余地は残されているのだろうか。

Photo 三菱電機の歴代スライドFOMAと今後発売予定のワンセグモデル。左から「D901i」「D901iS」「D902i」「MUSIC PORTER X」「D902iS」「D903i」「D903iTV」

 「コンセプト次第だと思っています。D903iでは、D902iで評価していただいた薄さを裏切らないようにという思いが強かった。違うコンセプトを立てていけば、例えばワンセグ対応の「D903iTV」のように違った見せ方もできるでしょう」(井上氏)

 「D901iSからD902iに代替わりしたとき、同じスライドボディながら新鮮さを与えることができました。それは液晶サイズが格段に大きくなったことが理由かもしれませんが、実際、変化を印象づけることには成功したと思います。ボディ形状の大きな変化は、またどこかのタイミングで必要になると考えていますが、それは今ではない。このラインでも、まだ2段階か3段階くらいは変身の余地があります」(増田氏)

 「スライドのDシリーズが評価を受けたのは、大画面に加えて、スリムというポイントが大きかったと思っています。薄さがDの強みですし、新機種を出すごとにスリムにしようと努力しています。まだかさばる部分はあるし、もっと薄くしてほしいという声もあります。使いやすさを保ちながら、さらなる薄型化にチャレンジしたいですね」(井上氏)

 2006年の秋冬モデルでは、ソフトバンクモバイルが折りたたみ型で最薄の「706SC」や最薄スライド携帯の「705SC」を投入し、薄型端末のラインアップを大々的にアピールしている。KDDIも厚さ15.3ミリ(最厚部は17.6ミリ)のWIN端末「W44K」を発表し、ドコモも70xi系の新モデルのいくつかはスリム携帯だと明かしている(10月12日の記事参照)。薄型モデルで評価された三菱電機の開発陣は、こうした端末の薄型化の流れをどう見ているのだろう。

 「携帯の薄型化は、Dシリーズでは常に追求してきたこと。デザインとの兼ね合いもありますが、スリム化は今後も最優先で追求する分野です。他社の端末にも非常に薄いスライドモデルがありますが、それが使いにくいかというと、そんなことはありません。“薄さ12ミリのケータイはありか?”と聞かれたら、もちろん“あり”だと答えます」(井上氏)

スライドを開けたときの感触がよくなっています

 D903iではスライドオープン機構の調整を行い、オープン時の感触が多少変わったという。「バネの構造と、他の部品との接触部分、つまり開け切って最後にぶつかるところを少し調整しました」(井上氏)。これにより、スライドが開くときの勢いづきすぎる感じが改善された。


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