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» 2008年03月31日 14時36分 UPDATE

3月22日〜3月28日:5分で分かる先週のモバイル事情

開業1周年を間近に控えたイー・モバイルが音声サービスを開始。千本会長は「3大キャリアの古い慣習を打ち破る」と気勢を上げた。ドコモは4月1日から下り7.2MbpsのFOMAハイスピードを開始。KDDIと京セラは「W42K」のバッテリーの不具合で事故が起こったことを明らかにし、謝罪した。

[後藤祥子,ITmedia]

「3大キャリアの古い慣習を打ち破る」――イー・モバイルが音声サービスを開始

 2007年3月末に13年ぶりの新規携帯キャリアとして開業したイー・モバイルが、音声サービスを開始した。記念イベントで同社会長の千本倖生会長は「我々が先頭を切って、日本の携帯電話市場を世界ナンバーワンレベルに引き上げて行きたい」と意気込んだ。

 音声サービスは自社のドコモとのローミングを組み合わせて全国47都道府県で展開。3月28日時点のイー・モバイルの人口カバー率は70%で「地方のエリアでドコモ網を使っている状態」と説明する。音声端末はHTC製の「EMONSTER」と東芝製の「H11T」を用意。予約状況については「予想をやや上回る実績」(千本氏)としている。

 同社がエリア拡大の課題として挙げるのは地下鉄や地下街。大阪や東京など大都市の地下空間に基地局を設置するには、社団法人移動通信基盤整備協会(トンネル協会)との交渉が必要で、千本氏によると、トンネル協会はドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3大キャリアで牛耳られており「新規参入者が話を持って行くと、いろいろと対応を遅らせてくる」という。同氏は「こういった古い慣習を打ち破らないと、日本の携帯電話サービスはますます世界に通用しなくなる」と懸念を示した。

「W42K」のバッテリー損傷で13件の事故、KDDIと京セラが謝罪

 KDDIと京セラが、京セラ製のau携帯「W42K」のバッテリーパックの一部において、バッテリーパック内部にキズ・へこみが付く力が加わった場合、発熱・膨張し、発煙や破損に至る可能性があると発表した。

 これにより、W42Kの充電中や使用中にバッテリーパック(京セラ製造、NECトーキンから部材仕入れ)が発熱・膨張し、発煙・破裂する事故が13件(2008年3月現在)、うち3件に左肩や右ふとももをやけどするなどのけが人も発生した。

 KDDIは対象機種約21万4000台のバッテリーを緊急回収すると発表。3月29日からW42K全ユーザーに対し、書面にて通知のうえ順次交換用バッテリーパックを送付する(使用していた旧バッテリーパックは返信用封筒にて返送)。

 KDDIの井上正廣常務によれば、2007年10月〜12月で各1件ずつの事故報告があり、バッテリーの損傷具合などからユーザーの不注意が原因だと判断していた。だが、今年1月に3件の事故が発生し、事態を重くみたKDDIでは京セラに本格的な原因究明を依頼した。

 京セラとNECトーキンが再調査をした結果、バッテリーの過熱を防ぐ「防爆弁」と呼ばれる部分が十分に機能しないことが判明した。対象バッテリーでは充電時に内部が摂氏500度にもなるが、この防爆弁が正しく働かないことで破損が起きるという。

 この原因は3月14日に判明したが、3月17日には充電中の電話が破裂する事故が発生し、18日には宮城県の男性が負傷する事故が起きた。京セラの山本康行執行役員によれば、対象バッテリーの稼働状況の把握やKDDIとのユーザー対応などの準備に時間がかかり、「迅速な対応がとれなかった」として謝罪した。

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ドコモのFOMAハイスピード、下り7.2Mbpsに――4月1日から

 NTTドコモは4月1日10時から、同社の高速データ通信サービス「FOMAハイスピード」(HSDPA)の下りの通信速度を従来の最大3.6Mbpsから7.2Mbpsに高速化すると発表した。下り最大7.2MbpsのHSDPAサービスはイー・モバイルが2007年12月にサービスを開始しており、2社目の対応となる。

 全国のFOMAハイスピードエリアが対象となり、4月1日時点の対応モデルは「A2502 HIGH-SPEED(USB接続型)」「N2502 HIGH-SPEED(CFカード型)」「L705iX(音声端末)」の3モデル。利用料金に変更はなく、新たな契約や付加利用料なしに利用できる。なお同サービスは、ベストエフォート方式で提供することから、通信環境や混雑状況によっては通信速度が変化する可能性もある。

 なおドコモは、2009年にもサービスを提供する予定のスーパー3Gについて、屋外の実証実験で下り最大250Mbpsのパケット通信に成功したと発表している。

ウィルコム、W-SIMを海外展開──中国で4月発売

 ウィルコムが、中国網絡通信集団公司の研究組織 中国網通集団ブロードバンド応用国家工程実験室(以下、中国網通)と共同で「W-SIM」の海外インタフェースを開発したと発表した。中国網通は2008年4月以降から順次、同インタフェースに対応した中国版W-SIMを中国で販売する予定としている。

 W-SIMはアンテナを含めてパッケージ化した切手サイズのPHS通信モジュール。今回の中国版W-SIMの開発は、2007年11月に締結したPHS事業に関する包括的提携の成果の一環として展開する。中国網通はPHSパケット通信の利用促進やPHS事業拡大のための戦略的なツールとして、ウィルコムはW-SIMの海外への市場拡大を図るとともに、将来的に、日本国内向けの端末ラインアップの強化やW-SIM対応ジャケットのコスト低廉化も目指す。

 PHSはタイ、中国、台湾などのアジア地域や南米地域にも普及しており、加入者数は2006年11月時点で1億人を突破。ウィルコムは台湾とのローミングを実現しており、タイとは次世代PHSの導入に向けた共同検討を進めている。この1月には、中国で現地契約した「PIMカード」(PHS用のSIMカード)を差して利用できる「X PLATE」を発表した。

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