Mobile World Congress 2010の京セラブースでは、LTE向け基地局のデモンストレーションを実施。冷蔵庫ほどの小さなシールドボックスに4本のアンテナを設置し、動画のストリーミングを行っていた。同社がLTEのデモを行うのは今回のイベントが初。通信速度は「2×2 MIMOを用いて下り50Mbps程度を安定して出せた」(説明員)という。なお、当初はテレビ電話のデモも行う予定だったが、「アプリケーションが原因と思われる問題が発生した」(説明員)ため中止したとのこと。
基地局へ電力を供給する装置として、京セラ製のソーラーパネルも展示していた。「ソーラーパネルのみだと電力が弱いので、あくまで補助かバックアップ用となる。マクロ基地局4〜5機につき1パネルを使う。基地局にソーラーパネルを採用しているメーカーはほかにもあるが、自社製のパネルを使っているメーカーは少ない」(説明員)
このほか、同社は透明なディスプレイや折りたためるディスプレイを採用したコンセプトモデルのモックアップも展示。これらはすべて京セラ社内のデザイナーが考案したもので、具体的な商品化は未定。「Mobile World Congressへ出展するにあたり、こういう取り組みをしていることを見てもらいたかった」(説明員)
「Organic transparent」は透明ディスプレイを経由して、その場所にあるさまざまな情報を映し出し、カメラを使わずにAR(拡張現実)サービスが利用可能になるという。「colored layer」は、横長のワイドなディスプレイの上に、2枚のディスプレイが重なるという独特の形状を採用。これら2枚のディスプレイ上にソフトウェアキーボードを表示することもでき、用途に応じて表示内容が変わる。表裏どちらの透明ディスプレイも利用できる「DOUBLE CLEAR」は、ディスプレイ全体を時計として使うといった用途が想定されているという。
有機ELを採用した「NXT」と「Eos」は、ディスプレイ自体が折れ曲がるという、今までにないギミックを目指したモデル。NXTはディスプレイを本体から取り出して広げることで、大画面化が可能になる。「ディスプレイと本体はBluetoothなどで通信することを想定している」(説明員)という。Eosは筐体ごと折りたためるのが特徴で、3つ折りの状態から広げてワイドな画面が利用可能になる。
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