ソニーの第2世代目となるAndroid搭載タブレットが登場した。ブランド名を従来の「Sony Tablet」から、ソニーモバイルコミュニケーションズのスマートフォンと同じ「Xperia」ブランドへと統合し、「Xperia Tablet」に生まれ変わっている。
従来のSony Tabletでは、スタンダードなくさび形ボディの「S」シリーズと、2画面折りたたみボディの「P」シリーズ、2系統のラインアップが用意されていたが、今回はSシリーズの後継となる「Xperia Tablet S」のみが発表された。Pシリーズの後継に相当するモデルを近々に投入する予定はないという。
Xperia Tablet Sは、従来機より薄型化と軽量化を果たすとともに、防滴機能を追加し、CPUにクアッドコアのNVIDIA Tegra 3を搭載するなど、ボディも基本システムも強化している。また、ソフトウェア面ではXperiaスマートフォンをはじめ、ソニー関連製品との連携を強化してきた。さらに、タブレットの活用の幅を広げるアクセサリ類も意欲的にそろえているのが目を引く。
製品ラインアップは、ストレージ容量の違い(16G/32G/64Gバイト)で3モデルを用意している。今回は2012年9月15日の発売に先駆け、最上位となる64Gバイトモデル(SGPT123JP/S)の試作機を入手したので、性能や使用感などをじっくりチェックしていこう。
まずはボディに注目だ。液晶ディスプレイのサイズは従来と同じ9.4型ワイドだが、より薄く軽く、そしてスタイルもスマートに生まれ変わっている。
本体サイズは239.8(幅)×174.4(幅)×8.8〜11.85(高さ)ミリ、重量は約570グラムだ。本体サイズが241.2(幅)×174.3(奥行き)×10.1〜20.6(高さ)ミリ、重量が約598グラムだったSony Tablet SのWi-Fiモデルと比較して、最厚部で8.75ミリも薄くなり、重量は約28グラム軽くなった。
Xperia Tablet SとSony Tablet Sの基本スペック比較 | ||
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製品名 | Xperia Tablet S | Sony Tablet S(Wi-Fiモデル) |
液晶ディスプレイ | 9.4型IPS | 9.4型IPS |
画面解像度 | 1280×800ドット | 1280×800ドット |
CPU | NVIDIA Tegra 3(1.3GHz) | NVIDIA Tegra 2(1.0GHz) |
メモリ | 1Gバイト | 1Gバイト |
ストレージ | 16Gバイト/32Gバイト/64Gバイト | 16Gバイト/32Gバイト |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0 | IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR |
カメラ | 100万画素(前面)、800万画素(背面) | 30万画素(前面)、511万画素(背面) |
搭載センサー | GPS、デジタルコンパス、照度、3軸加速度、ジャイロ | GPS、デジタルコンパス、照度、3軸加速度、ジャイロ |
カードスロット | SDメモリーカード(SDHC対応) | SDメモリーカード(SDHC対応) |
インタフェース | ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、マルチポート(HDMI出力、USBにオプション対応)×1、ステレオスピーカー、モノラルマイク | ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、USB 2.0(micro-AB)×1、ステレオスピーカー、モノラルマイク |
バッテリー容量 | 6000mAh | 5000mAh |
バッテリー駆動時間 | スタンバイ時:約1050時間、ビデオ再生時:約12時間、Wi-Fi Web閲覧時:約10時間 | スタンバイ時:約430時間、ビデオ再生時:約6時間、Wi-Fi Web閲覧時:約6.2時間 |
バッテリー充電時間 | 約5.5時間 | 約5時間 |
外形寸法(幅×奥行き×高さ) | 239.8×174.4×8.8〜11.85ミリ | 241.2×174.3×10.1〜20.6ミリ |
質量 | 約570グラム | 約598グラム |
Sony Tablet Sの特徴だった雑誌を折り返したような独特のフォルムは健在で、グリップしやすいように立体的なドットパターンが施されている点も同様だ。しかし、新しいXperia Tablet Sのほうが明らかにスリムでスマートに仕上がっている。従来機が雑誌なら、今度は小冊子といったところだ。背面の素材は樹脂からアルミニウムに変わり、高級感も高まった。
実際に持って比べてみると、大きくなだらかなカーブがあって重心が手のひら側にかかる旧モデルのほうが手に持ったときのフィット感がよく、少し軽く感じるが、新モデルもホールドのしやすさという点ではヒケをとらない。従来からのイメージと持ちやすさを引き継ぎつつ、うまく薄型化に成功したという印象だ。この折り返し部分の意匠は、後ほど紹介するアクセサリの接続にも大活躍する。
さらにXperia Tablet Sは、ボディがIPX4相当の防滴仕様となっている(本体カバーをすべて装着し、オプションのスタンドなどに立てかけた状態で防滴性能を発揮)。多量の水をかけたり、水中で使えたりするわけではないが、例えば台所などでレシピを見ながら、ぬれた手で操作するといったことが可能だ。大幅に薄型化しつつ、防滴という付加価値を用意してきた点は見逃せない。
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