製品説明会では、2013年夏モデルとしてドコモ、KDDI、ソフトバンクで登場した7モデルを紹介したのに続いて、開発思想として掲げる「FEEL Logic」を説明した。これは、「無機質なスマートフォンを人の感性に近づけるための心遣い」を追求することを目指したもので、その具現化のために、シャープのスマートフォンでは「FEEL artist」「FEEL photographer」「FEEL musician」「FEEL UX」のそれぞれに専用のエンジンを実装している。
FEEL artistは、色制御を色相(H)と彩度(S)、明度(H)で行うHSV色空間に対応した画像エンジンで、人間が色を把握する方法に近い色空間の座標軸を用意することで、人の肌や空の青、山の緑などで記憶している色に近い描画を可能にする。FEEL photographerエンジンでは、カメラで撮影した画像を保存するときに、輝度調整や色ノイズの低減に加えて、写真家が監修したチューニングに基づく画質補正を行う。カメラ関連機能では、F1.9レンズの採用も重要で、シャープでは、暗いシーンでもフォトライトなしで撮影できる場面が増えたことに加えて、明るいレンズの採用でシャッタースピードが速くなったことにより、動きのある被写体がきれいに撮影できることも訴求する。
サウンド関連機能では、省電力と音質補正を両立した「FEEL musician」を実装する。音質補正では、wolfsonやDolby Mobile v3といった外部メーカーの音質補正エンジンも採用しているが、それに加えて、これまでのシャープ製携帯電話で培ってきたノウハウと音響専門家の監修を受けたチューニングを施したほか、プロセッサーで補正処理したサウンドデータをブロックごとにまとめて転送することで、プロセッサーの転送処理と音質補正処理を断続的に休止し、その結果、消費電力の抑制を実現したという。
ユーザーインタフェースのFEEL UXでは、五感に訴える機能やアニメーションを追加した。画面をタップしたときのバイブレーションや、スクロールして画面の下端、または、上端に到達したときの“バウンド”するアニメーションは、物理的に存在するものが自然に動くように感じる挙動を新たにチューニングして用意している。また、着信音や通知音、アラーム音は、サウンドクリエータの井出裕昭氏が監修した。
画面機能ではYouTubeや動画プレイヤーをミニ画面でフレームインすることで、2画面的な利用が可能になる「アナザービュー」や、周囲の照度や照明の種類、利用している時刻によって、ユーザーが心地よく感じる色調やコントラスト、輝度を自動で設定する「ユースフィットモード」を導入した。
説明会会場では、ユースフィットモードで利用条件を変えた場合の画面設定の比較、FEEL UXで導入した新しいアニメーションやバイブレーション、サウンド効果の体験、そして、IGZOディスプレイの消費電力や、apx-Xへの対応、再生時の消費電力モードの設定などに対応したほか、再生時の曲名表示やグラフィックス表示など画面デザインも重視してシャープが独自に開発したミュージックプレイヤーアプリを実際に試すことができた。
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