動画の撮影と再生、バッテリーを多く消費するのはどっち?――開発者用測定ツール「TRYGLE POWER BENCH」で分かること(2/2 ページ)

» 2014年03月18日 17時00分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
前のページへ 1|2       

機内モードと動画撮影 ハードのオン/オフでどこまで違う?

 ではディスプレイを使わない場合、つまり待受状態ではどうだろうか。次のグラフは、LTE圏内の待受状態(赤い線)と機内モード(青い線)の違いを計測したものだ。待受状態では4mAから11mAの小刻みな山が続き、数回おきにその山が20mAと倍程度に高くなる。これは「いつでも通信ができるよう、端末が常にウォーミングアップをしているため」と冨森氏は説明する。

photo LTE圏内の待受状態と機内モード時の比較

 そして、最大400mAと中央のひときわ大きな山が、LTEの通信が発生した際の消費電流。先に触れた通り、携帯電話やスマートフォンは待受状態であっても定期的に実際の通信が行われる。注目したいのは、その直後に3分の1くらいの山が発生している点。3Gスマートフォンの待受状態ではこうした通信が見られないそうで、LTE特有のグラフだという。また待受状態の通信は移動中や圏外で多くなり、その分消費電流も増える。これは端末が移動していることで基地局のハンドオーバーが起こったり、遠方の基地局を探すためだ。

 携帯電話としての通信をすべてオフにする機内モードだが、通信に関連しないデバイスはオンの状態なため、操作していなくてもベース電流は流れている。また定期的に、プロセッサーが短時間だけなにかの処理をしているのが分かる。

 次に、カメラで動画撮影をしている状態の測定を行ってもらった。カメラアプリを起動すると撮像素子などの専用ハードがオンになり、ディスプレイがファインダーになるため画面の描画処理が連続で発生する。その際の消費電流は600mAだが、録画が始まればメモリーへの書き込みなどで、700mAから800mAとさらに多くの電流が流れる。動画撮影は電力を消費する要素がいくつかも重なる、バッテリーには厳しい操作なことが裏打ちされた。

photo カメラを起動して動画撮影した際の電流値を測定

 グラフでは録画中に2段階の山が発生しているが、冨森氏は「はっきりとした原因は詳しく調べないと分かりませんが、動画の手ブレ補正処理が影響しているかもしれません」と分析している。

 撮った後の動画再生はどうだろうか。グラフを見ると、350mA程度と撮影時よりも半分程度の電流で済んでいるのが分かる。動画再生時はディスプレイが点灯状態になるが、撮像素子がオフになることや、カメラのファインダー画面を描画する処理もなくなること、メモリーの書き込みよりも読み込みのほうが電力が少なくて済むなど、録画時よりもバッテリーの消費が少ないようだ。

photophoto スマートフォンは、動画を撮る方が見るときよりバッテリー消費が大きい

 スマートフォンで動画を見る場合、端末に保存された動画ファイルだけでなく、Web上のストリーミングサービスを利用することも多いだろう。そこで、YouTubeを視聴している場合の電流も計測してみた。

photo YouTubeを視聴した際の電流値

 グラフを見ると、動画(広告)の再生開始とともに動画をダウンロードするためのLTE通信が始まり、最大900mAの電流が流れ、その後500mA台で推移しているのが分かる。ただし、動画再生中でも所々に、電流値が下がる“谷”のような場所がみえる。これは動画ダウンロードのため通信のオン/オフが影響しているという。広告動画が終わって動画の本編が始まると、新たな通信が始まりまた500mAから900mAの電流が流れ始める。

 「YouTubeはストリーミング形式で動画を配信していますが、途切れずスムーズに再生するようデータを先読みしてキャッシュしています。動画の再生中でもダウンロードが終わることがあり、通信が終われば消費電流はその分少なくなります」(冨森氏)


 TRYGLE POWER BENCHで計測するスマートフォンの消費電流。今回はスマートフォンの基本的な操作でどのように電力が使われているのかを調べてみた。こうして見ると、端末のハードウェアはもちろんだが、アプリがどんなことをしているかで電力消費が大きく異なることが分かる。次回は代表的なアプリを使うことで、バッテリーがどのように減っていくのかをチェックする。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月13日 更新
  1. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  2. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  3. どこでもウユニ塩湖? 3COINSで550円の「スマホ用反射ミラークリップ」を試す (2026年03月12日)
  4. 「Galaxy S26」シリーズはどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年03月11日)
  5. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  6. 100W出力で急速充電対応「UGREEN USB Type-Cケーブル」が43%オフの743円に (2026年03月12日)
  7. Xiaomiからも“デカバ”モデルが登場! 1万mAhバッテリー時代が到来 (2026年03月12日)
  8. ドコモ「ガラケー取扱説明書の掲載を終了します」 3G終了に伴い、事前保存を呼びかけ (2026年03月11日)
  9. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  10. サムスンに聞く「Galaxy S26」シリーズ開発秘話 AI機能はさらに賢く、商用化まで5年を要した「プライバシーディスプレイ」 (2026年03月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年