第46回 iPhoneで桜の花びらをピシッと撮る方法荻窪圭のiPhoneカメラ講座(2/3 ページ)

» 2014年03月25日 23時06分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 今回はもう1つ。2014年3月、iOS7.1(iOS 7.1の変更点をクイズで確かめよう!!)がでた。単にOSがアップデートしただけなら他の記事におまかせすればいいんだけど、カメラ機能も強化されたのだ。といっても、2箇所だけなのでねっちりと。

iOS7.1でHDR機能がより使いやすくなった!

 まずはHDR機能をおさらい。

 iPhone(に限らず、デジカメはみなそうなんだが)で写真を撮ってると、背景は青空だったのに真っ白になっちゃったとか、日陰が真っ黒に写っちゃったという経験があるはずで、それは「カメラが一度にとらえることのできる明暗差」を越えちゃったからだ。

 この状態になると白い部分が真っ白にトんじゃったり、影の部分が真っ黒にツブれちゃったりする。これはもうしょうがない。広い明暗差に耐えられるカメラを搭載しようと思ったら、何倍にもでかく高価になっちゃう。

 それを解消する機能として考え出されたのが「HDR」(ハイダイナミックレンジ)機能。これをオンにしておくと「明るい/普通/暗い」と3枚を連写して、それぞれのおいしいとこを合成して白飛びと黒つぶれをなくした写真を作ってくれる。

 わかりやすい例をひとつ。

 軒下の日陰になってるとこと、空に枝が溶け込んでいるところ、それに屋根の雪あたりに注目。

photo HDRオフ
photo HDRオン

 HDRをオンにすると暗すぎるところがすこし持ち上がり、明るすぎるところが少し抑えられて、両方とも救われたのである。

 これはありがたい機能なのだが、ふたつ欠点があった。

 ひとつめは合成失敗の可能性があること。3枚連写してる最中に被写体が動いちゃったら……例えば桜の花びらを撮る瞬間、風がふいちゃったらどうなるか。

 こうなっちゃうのだ。

photo 該当箇所を拡大表示してみた。こんなズレがでちゃう

 分かりやすいように合成が上手にいかなかった部分を等倍表示してみた。ちょっとした風で、合成がうまくいかなくて2重になっちゃったのである。風が吹いちゃったものはしょうがない。

photo 写真とカメラの設定でグリッド表示とHDRの設定ができる。

 ではどうするか。ありがたいことに「HDRしてない写真」も残っているのだ。HDRで撮影したときは、HDRせずに普通に撮った写真と、HDRした写真の2枚を記録してくれるのである。あとから好きな方を使えばいい。

 「設定」の「写真とカメラ」の中で「通常の写真を残す」をオンにすればよし。なってない人は確認のこと。

 ふたつめの欠点は「自分でHDRをオンにしないと」ダメなこと。自分でオンにすべきか判断するのはめんどくさいし(そういうのはiPhoneっぽくない)、毎回オンにしてると2枚ずつ撮ることになってそれはそれでどうかという感じだ。

 で、ここからが本題なんだけど、iOS7.1ではそれを解消すべく、「HDR自動」モードがついたのである。HDRにするかしないかをiPhoneが判断してくれるのだ。

 やり方は簡単。カメラ画面の中央上部にある「HDR」のとこをタップして「HDR自動」にしてやるのである。

photo HDR自動、HDRオン、HDRオフの3つから選べるようになった

 HDR自動にしておくと明暗差が極端な構図になったときだけ、自動的にHDRがオンになり、画面下に「HDR」と表示される。

photo 自動的にHDRがオンになる

 これは素晴らしい。

 自動的にHDRオンとオフの2枚が記録されるのは変わらないので、好きな方を使えばよし。好きじゃない方はほっとくなり手作業で消すなりしてください。

photophoto 左が通常撮影、右がHDR撮影

 よって、iOS7.1にしたら、まっさきに「HDR自動」にするべし。

 ついでにもう1枚。横位置編を。

photo 横位置だとこう表示される
photo HDRオフ
photo HDRオン

 背景が復活してとてもよいのであるが、これらを見ると分かるように、iOSのHDRは暗いところを持ち上げるよりは、明るすぎるところの白飛びを抑える方に重点を置いているので、もうちょっと明るめにしてほしいかなということはある。特に顔。

 デジカメやスマホ界では「顔を検出したら、顔が明るく写るよう自動的に調整する」のがトレンドなので、次のバージョンではそうなるかもしれません。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年