iPadの主軸は「Air」に? Appleが切り開く新しいタブレットの世界(1/2 ページ)

» 2014年10月22日 10時01分 公開
[神尾寿,ITmedia]

 周知のとおり、タブレット市場の草分けであり、今もけん引役となっているのが、Appleの「iPadシリーズ」だ。2010年1月に産声を上げたこの“魔法のデバイス”は、PCともスマートフォンとも異なる独自の市場を作り上げ、誰もが使えるコンピューターとして多くの人々に受け入れられた。また医療や教育、流通小売りといった分野を中心に、これまでPCとあまりなじまなかったB to B市場のスマート化を一気に推し進めた。iPadがコンピューティングとインターネットの世界に広がりを作り、より多くの人々にデジタルテクノロジーの恩恵をもたらした貢献はとても大きいものといえるだろう。

 2014年10月、そのiPadが再び進化を遂げた。新たに発表された「iPad Air 2」と「iPad mini 3」である。両機とも先代まででかなり完成度を高めたタブレット端末だが、今回はどのようなアップデートになったのか。筆者は発売前のiPad Air 2とiPad mini 3をいち早く試用する機会を得たので、それをリポートしたい。

photophoto 「iPad Air 2」(ゴールド)と「iPad mini 3」(スペースグレイ)。いずれもWi-Fi+Cellularモデル

iPad Air 2は、一目でわかる進化と洗練。

 百聞は一見にしかず。

 iPadでこの言葉を痛感したのはRetinaディスプレイ搭載時だが、今回のiPad Air 2にもそれに匹敵する感動と驚きがある。

photophoto iPad Air 2

 iPad Air 2のボディサイズは、169.5(幅)×240(高さ)× 6.1(奥行き)で、重量はWi-Fiモデルが約437グラム、Wi-Fi+Cellularモデルが約444グラム。デザインそのものは先代のiPad Airから継承されているが、薄くスリムになり、少し軽くなった。確かに手に取ってみると、世界最軽量ボディというだけあって体感的にも「軽っ」と感じることになる。これなら女性が長時間持っても、“重くて疲れる”ということはないだろう。

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photophoto iPad Air 2の側面。電源キー、イヤフォンジャック、スピーカー、Lightningコネクタ、SIMスロットなどが配置されいる

 しかし、iPad Air 2で感動するのはそこではない。パッと見たときの画面の美しさ、見やすさである。同機のディスプレイは、9.7型で解像度は2048×1536ピクセル(画素密度264ppi)。従来からのRetinaディスプレイであるのは変わらずだが、その中身と品質は先代とまるで違う。

 iPad Air 2では、表面のカバーガラス、タッチセンサー、液晶パネルモジュールの3層に分かれていたディスプレイ部を1つに貼り合わせて統合し、空気層をなくした「フルラミネーションディスプレイ」を新たに採用。これは本体を薄型化することにも貢献する技術だが、ディスプレイ内部での光の反射や拡散が抑えられて、表示がくっきりと鮮明になり、発色もとても美しくなる。さらに視野角が広がるほか、画面をタッチしたときの操作感も向上する。

 実際にiPad Air 2のディスプレイを見て、写真や映像を表示すると、まるでフルカラープリントの印刷物が張り付いているかのような美しさに衝撃を受けることになる。iPhone 6/iPhone 6 PlusのRetinaディスプレイもまた美しいが、iPad Air 2のそれは画面が大きい分、衝撃が大きい。初めて見たときには、見ほれてしまうこと請け合いである。

 さらにiPad Air 2ではディスプレイ表面に「反射防止コーティング」を採用し、従来比で56%反射を抑えている。この効果はかなりはっきりと分かる。今回のテストでもあえてタブレット端末が苦手とする屋外で積極的に使ってみたが、従来よりも外光の反射が少なくなり、見やすくなったことが実感できた。これならばオープンカフェやレストランのテラス席でのんびりしながら、iPadで電子書籍や映画を楽しんだり、撮りためた写真を整理したりといったことが無理なくできる。

 屋外でも見やすいディスプレイは、最近増えてきている「iPadで写真を撮る」際にも有効だ。iPadで写真を撮影するメリットは、なによりも大きな画面をファインダー代わりに使えることだが、それが外光の反射が少なくて見やすいのだ。このようにディスプレイが進化した恩恵は、そこかしこに感じることができる。

photophoto iPad Air 2のディスプレイは、新たに搭載された「フルラミネーションディスプレイ」と「反射防止コーティング」により、屋外での視認性が大幅に向上している。そのため屋外環境下でも電子書籍や電子雑誌も無理なく読める(写真=左)。iPad Air 2をカメラとして使うようなシーンでも、屋外でも見やすいディスプレイは活躍する(写真=右)

一般ユースならば十分なカメラ性能

photo 背面に800万画素カメラを搭載

 カメラ性能の向上も、iPad Air 2の注目ポイントのひとつだ。

 背面のiSightカメラは500万画素から800万画素になり、顔認識など映像処理技術が強化され、バーストモード、120fpsのスローモーション、タイマーモード、自分撮りでの写真/動画HDRといった機能にも対応した。これまでiPadはカメラ性能の点ではiPhoneより見劣りしたが、今回のiPad Air 2ではほぼ最新のiPhoneと同レベルまで基本性能が向上した。iPhone 6 Plusに搭載された光学手ブレ補正機能の搭載は見送られたが、タブレット端末のカメラとしては十分な性能といえる。またカメラまわりのソフトウェアの優秀さはiPhone譲りであり、シャッターボタンを押せば誰でも簡単にきれいな写真が撮れる。

photophoto iPad Air 2の作例。テラス席でブランチを撮影。食べ物のおいしそうな色合いや質感などがよく写っている。タブレット端末としては破格のカメラ性能だ
photophoto iPad Air 2の作例。豊洲の夕暮れ。日の名残りと、陰影、たゆたうさざ波。カメラにとって難易度の高いシチュエーションだが、iPad Air 2ならこのようにしっかりとした風景写真が撮れる(写真=左)。iPad Air 2の作例。夜、そびえ立つ塔。夜景でも、東京スカイツリーの鉄塔やイルミネーションがきちんと写っている(写真=右)
photophoto iPad Air 2(左)とiPad mini 3(右)の比較写真。Air 2は800万、mini 3は500万といった画素数の違いもあり、iPad Air 2の方がディテールまでくっきりと描写できていて、色合いも美しい
photophoto iPad Air 2(左)とiPad mini 3(右)の比較写真
photophoto iPad Air 2(左)とiPad mini 3(右)の比較写真

 また、iPad Air 2のもうひとつのよさは、撮影した写真や映像を大画面ですぐ確認できることだろう。Apple純正はもちろん、サードパーティー製の写真・映像の加工アプリは数多く、それらを使って撮影したデータをすぐに活用できる。しかもiPad Air 2では、第2世代64ビットアーキテクチャの「A8X」プロセッサを搭載。先代のiPad Airと比較して、CPUを40%、GPUを2.5倍高速化したという。その効果は写真や映像の加工・編集アプリではかなり実感することができた。

photo iPadの魅力は、豊富な写真・映像の加工アプリ。例えばAppleの「iMovie」を使えば、撮影した写真・動画を組み合わせて簡単にビデオクリップが作れる。こういった映像系アプリだと、iPad Air 2のA8Xチップにより、サクサクと快適に動作する
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