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» 2015年01月07日 18時15分 UPDATE

ほぼ全域でLTEが利用可能:海外プリペイドSIM導入マニュアル――空港で2社が簡単に購入できる「カタール・ドーハ2014年」編 (1/2)

ヨーロッパへの乗り継ぎなどで日本からの訪問者数が増えているというカタールの首都ドーハ。歴史的な建造物と高層ビルが共存し、サハラ砂漠にも近い市街地では、4Gサービスが利用できる。

[山根康宏,ITmedia]

 “ドーハの悲劇”でも知られるカタールの首都ドーハ。サウジアラビアから突き出たカタール半島のほぼ全域を占める同国は、他の中東諸国同様、石油と天然ガスの輸出で国の経済が動いている。

 国民には税金がかからず、医療や電気代も無料。その一方で他国から多数の外国人労働者を受け入れており、工事現場や商店の店員、タクシー運転手にインド人や東南アジア人もよく見かける。そのためカタールの公用語はアラビア語だが、英語も通じやすい。

 カタールは国の規模としても近隣のアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアよりも小さく、首都ドーハもこじんまりとした都市である。主だった街も市街地と新都心の2カ所で、市街地は何もないところに街が発展していったかのごとく空地も多い。一方新都心地域は建設ラッシュで高層ビルが立ち並んでいる。交通の足はバスも走っているが1時間に1本から数本という有様で、タクシーでの移動のほうが楽だろう。またスマートフォンからタクシーを配車できる「Uber」もサービスを提供しているので、スマートフォンを持っていれば手軽に車を呼び出してキャッシュレスで利用することもできる。

photo いかにもアラビア風の建物を多く見かけるドーハ市街
photo 砂漠の中に街が発展。バス停には案内板の電力供給のための太陽電池パネルを設置。4Gも始まっている
photo 新都心へはバスで15分程度だがバスの本数は少ない
photo まだまだ新しい建物の建築ラッシュが続く新都心エリア

 ドーハでの観光といえば、街中の古い遺跡や整備された市場のスーク・ワーキフの見物、そして新都心のショッピングモールでの買い物など。また街を出て郊外に向かえばサハラ砂漠にも近く、空港でのトランジットツアーで訪れることもできる。日本からはカタール航空などの直行便を利用するほか、ドバイなどからLCCのフライ・ドバイなどを使ってドーハ入りすることができる。カタールの通貨はカタール・リヤル(QAR)、2015年1月時点の為替レートは1リヤル=約33円。リヤルの下の補助通貨はディルハムで、1リヤル=100ディルハムとなる。

 さてカタールには2つの通信事業者がある。地元のOoredooと海外資本のVodafoneで、それぞれ赤い色を企業カラーにしているため街中は赤い看板ばかりが目立つ状態になっている。どちらもLTE方式による4Gサービスも展開中で、旅行者でもプリペイドSIMを購入し高速通信を利用することができる。なおカタールではプリペイドSIMの購入にパスポートを提示してのユーザー登録が必要だ。購入は次で説明するが空港が手軽で良いだろう。

photo 市内で手軽に観光を楽しめるスーク・ワーキフ。残念ながら内部にプリペイドSIM販売店はなかった
photo 看板にOoredooの看板を融合した店も多い。Vodafoneのロゴは海外でもおなじみのもの
カタールの通信方式
通信事業者 4G LTE 3G(W-CDMA) 2G(GSM)
Ooredoo 800MHz(B20) 2600MHz(B7) 900MHz 2100MHz 900MHz 1800MHz
Vodafone 800MHz(B20) 2600MHz(B7) - 2100MHz 900MHz 1800MHz

ドーハ空港でのプリペイドSIM購入が簡単

 ドーハでのプリペイドSIMの購入は空港が一番簡単だ。ドーハの空の玄関であるハマド国際空港は2014年5月27日に開港したばかりの新しい空港。旧空港よりも面積は広くなったが、出口が1カ所のためツアーの待ち合わせなどで迷うこともないだろう。そのハマド国際空港の到着ロビーではOoredoo、Vodafone両社のプリペイドSIMを買うことができる。

 到着ロビーに出たら、すぐ左手に向かうと売店(VHSmith)の入り口にVodafoneの看板が掲げられており、ここで同社のSIMが販売されている。Vodafoneのロゴは日本人でもおなじみだろうから分かりやすい。ということでここでプリペイドSIMを買おうと思い店に向かおうとしたところ、ロビーを歩いているOoredooのシャツを着た呼び込みのスタッフに声をかけられた。OoredooのプリペイドSIMはこのVHSmithのさらに左側にある売店で販売されているとのこと。彼曰くOoredooのほうがカバレッジも速度も上であるという。

 実は空港にはOoredooの店があるものの、ロビーの右手奥に位置しており、タクシー乗り場と逆方向のため店舗を訪れる客は少ないようだ。そのためOoredooの客引きのスタッフが旅行者を見つけると声をかけているようだ。

photo ドーハ・ハマド国際空港の到着ロビー
photo 左手のVHSmithではVodafoneを扱う
photo そのさらに左の売店でOoredooのSIMを販売
photo Ooredooの単独店舗は反対の右側奥にある

 売店は24時間オープンしているが、プリペイドSIMの販売・受け付けはOoredooのスタッフが行う。パスポートを提示すれば慣れた手つきでスタッフが登録を行ってくれる。プリペイドSIMの価格は25リヤル(約830円)。データ通信は1Mバイト/0.55リヤル(約18円)でも利用できるが、音声通話+データのスマートフォン向けパッケージや、データ通信専用のモバイルインターネットパッケージも用意されている。スマートフォン利用ならデータ通信だけを付けても良いだろう。旅行など短期滞在で便利な1週間パッケージの料金は以下の通り。

  • 250Mバイト/7日:15リヤル(約500円)
  • 750Mバイト/7日:20リヤル(約660円)
  • 1.5Gバイト/7日:25リヤル(約830円)
  • 3.75Gバイト/7日:50リヤル(約1650円)
  • 7日間定額:100リヤル(約3310円)

 申請はSMSで電話番号121にそれぞれの料金をMIPの文字に続けて書いて発信。例えば1.5Gバイト/7日を申請するなら、MIP25と書いたSMSを121に発信すればよい。なおこのあたりもスタッフに伝えれば登録と同時に行ってくれる。

 さらにはこれ以外にも4G申請が必要だ。SMSで121に4Gと書いて送信、こちらもスタッフが行ってくれたが、「4Gを使いたい」と念のため伝えておこう。最後にデータ通信設定は以下の通り。

  • APN data
  • ユーザー名 なし
  • パスワード なし
photo 売店のレジ横で登録作業などを行ってくれる
photo OoredooのプリペイドSIM

続けてVodafoneも購入してみた

 OoredooのプリペイドSIMは開通まで時間がかかることもなく、すぐに使い始めることができた。市内でのカバレッジも広いとのことだが、今回は展示会取材のため郊外に行かねばならない。その郊外での電波の入りに不安があったため、念のため空港でVodafoneのプリペイドSIMのほうも購入しておくことにした。

 VodafoneのSIMはVHSmithの店内に小さいVodafoneのブースがあり、そこでVodafoneのスタッフが販売を行っている。すぐ目立つことからかブースは数名の客が待っている状況だった。とはいえ数分待ちですぐに自分の番となり、データ通信のできるプリペイドSIMを購入したいと伝え、すぐに購入できた。

 VodafoneのプリペイドSIMも価格は25リヤル(約830円)。データ通信料金は1Mバイト/0.55リヤル(約18円)とOoredooと同額。Vodafoneも各種パッケージを提供しており、データ通信を多用するならそちらに加入するのが良い。なお訪問した2014年12月は「データ通信10倍キャンペーン」で指定のプランの無料利用データ分が10倍となっていた。筆者は15リヤル/7日(約500円)の「Internet Plus 15」に加入したが、250Mバイトの無料データ利用分が2.5Gバイトまで利用できた。

 この手のキャンペーンは都度行われているようなので、購入時にスタッフに聞いてみるといいだろう。Ooredooに対抗するためか、Vodafoneは頻繁にキャンペーンを行っているようだ。そしてデータ通信に必要な設定は以下となる。

  • APN web.vodafone.com.qa
  • ユーザー名 なし
  • パスワード  なし
photo VHSmith店内はジュースの販売コーナーにもVodafoneのロゴが
photo 店内左のレジ横にVodafoneの専用ブースがある
photo Vodafoneの各種パッケージ
photo 購入したVodafoneのSIM
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