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» 2015年01月19日 22時17分 UPDATE

狙うはシニア、ジュニア、2台持ちユーザー――ターゲットを明確化したauの戦略

auの2015年春モデルはターゲットを明確に打ち出した端末がラインアップされた。春商戦を勝ち抜くために、残代金を割り引いて機種変更を促す独自キャンペーンも実施する。

[村上万純,ITmedia]
photo KDDI田中孝司社長

 シニア/ジュニア向けスマホに、タブレット連携を求めるケータイユーザー向けのAndroid搭載フィーチャーフォン――。auの2015年春モデルはターゲットを明確化したラインアップが特徴的だ。さらに、冬のAndroidスマートフォンやiPhone 6/6 Plusが大きなディスプレイを備えている一方で、春モデルではコンパクトなモデルで勝負をかける。


photo 左からMCの平井理央さん、テレビCMに出演中の桐谷健太さん、松田翔太さん、濱田岳さん、田中社長

VoLTE対応スマホは5機種に

 今回、VoLTE対応スマホは「INFOBAR A03」「AQUOS SERIE mini SHV31」「BASIO KYV32」の3機種をラインアップし、2014年冬モデルの「isai VL LGV31」「URBANO V01」と合わせて全5機種となった。ジュニア向けの「miraie KYL23」のみ下り最大100MbpsのLTEと3G通信をサポートする。auのVoLTEスマホは国内での3G通信ができないため、「always 4G LTE」を掲げるauとしては、LTEのネットワーク強化により注力していく構えなのだろう。Android搭載フィーチャーフォン「AQUOS K SHF31」にVoLTEが搭載されなかった理由について、KDDIプロダクト企画本部 小林昌宏本部長は「ネットワークと端末を一緒に開発してきたので、開発期間の長いものはどうしてもVoLTEをあきらめざるをえない」と説明。技術的な問題ではなく、試験をするタイミングが問題だったということだ。

 2月以降はau VoLTEの「シンク機能」4種である「画面シンク」「カメラシンク」「位置シンク」「手書きシンク」が提供される。これにより、待ち合わせをしながら位置情報を共有したり、同じ画面を見ながら会話をしたりといった使い方が可能となる。

photophoto 位置情報を共有できる「位置シンク」(写真=左)。「画面シンク」と「手書きシンク」を併用した様子(写真=右)

なぜ今、シニア/ジュニア向けスマホなのか

 これまでauは子供向けケータイ「mamorino」「K001」や、シニア向けの「かんたんケータイ」シリーズなどを発売してきたが、スマートフォンは他社に出遅れた形で投入することとなった。その分、他社製品よりプロセッサやバッテリー容量、ディスプレイサイズや解像度などのスペック面に優位性があり、シニア向けモデルはGoogle Playを利用できるという自由度の高さも特徴だ。

 この時期にシニア向けの「BASIO」と、ジュニア向けの「miraie」をラインアップした理由について、田中社長は「さまざまな調査をし、企画に時間をかけてきたのでこのタイミングになった」と話す。さらに「スマホシフトのスピードが鈍化する中、非スマホユーザーとしてシニアとジュニアが残っていた。料金が高いと障壁があるので、価格も安く設定した」ということだ。

 シニア向けのBASIOは「ベーシックオペレーション」の略で、URBANO V01がベースとなっている。シニアの声を徹底的に聞き、決済機能に不安を持つ人のためにおサイフケータイ機能を省いたり、利用機会の多い通話機能を充実させたりした。55歳以上のユーザーなら、0.7Gバイトのデータ通信込みで月額4280円(税別、以下同)で利用できる。

photo 使いやすさと上質さを両立させた「BASIO」

 ジュニア向けのmiraieは「未来を目指して」(田中社長)という意味が込められた「究極のジュニアスマホ」だと田中社長は胸を張る。防犯ブザー機能や、ふさわしくない言葉を入力すると警告が表示され、親が履歴をチェックできる「あんしん文字入力」といった機能を搭載する一方で、ジュニア向けの専用auスマートパスで豊富なコンテンツをラインアップするなど、親の安心感と子供の自由度を両立させた。一部制限付きだがLINEも利用可能。小学生以下のユーザーは0.5Gバイト分のデータ通信込みの「ジュニアスマートフォンプラン」を月3920円で利用できる。

photo ジュニア向けスマホ「miraie」。説明員によると、実際のターゲットは小学校高学年以上がメインになるという

Android搭載の「ガラホ」を投入した理由

 今回他社に先駆けて投入されたのが、Android OSを搭載した4G LTE対応のフィーチャーフォン「AQUOS K」だ。田中社長が「ガラホ」と説明する本モデルは、Wi-Fiテザリングでタブレットと連携する2台持ち利用を想定しているという。料金はスマホと同じ価格設定だが、「LTEフラット」または「データ定額」(2Gバイト〜13Gバイト)に加入すると月1000円を4年間割り引く。また、55歳以上のユーザーは0.7Gバイトのデータ通信を月4280円で利用できるため、シニアユーザーを優遇している形だ。

photo タブレット連携が可能な「Wi-Fiテザリングが可能なフィーチャーフォン」という位置づけ

 フィーチャーフォンはAQUOS K以外にも、オーソドックスな3Gケータイ「GRATINA2」も引き続き発売される。今後はフィーチャーフォンもLTEケータイに一本化していくのかと尋ねられると、田中社長は「今後どうするかは、はっきりと決めていない。ユーザーが求めれば、今後はガラホに大きくシフトすることもある」と説明。「チャレンジすることが一番重要なので、今後違うOSでという声があれば、そっちにかじを切ることもある」と続けた。

photo 料金プランはスマホベース

分割支払金を無料にする機種変促進プログラムを提供

 2月6日から提供される「アップグレードプログラム」は、月300円を払うことで対象機種の分割支払金残額(最大7カ月分)を無料にするというもの。機種代金を割賦契約(24カ月)で支払うなどの制約はあるが、最新機種への買い替えをサポートするプログラムとして、田中社長は同プログラムを「au大好きプログラム」と命名。auをずっと使い続ければその後の機種変更時も無料になることがその由来だという。田中社長は「特に子供はすぐにスマホを買い替えたいと思うので、ジュニアスマホにはアップグレードプログラムをあらかじめ料金に組み込んだ」と話す。使用中の端末の下取りとアップグレードプログラムは選択制で、併用はできないという。

photo アップグレードプログラム
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 春商戦向けに、恒例の学割も実施。新旧両方の料金プランで割り引きを実施。カケホとデジラでは、1月21日〜5月31日まで5Gバイト以上を利用するユーザーの料金を月1500円割引、LTEプランでは、同期間内に基本使用料を無料にする。そのほか、電子マネーサービス「au WALLET」のポイントアップキャンペーンや、クレジットカード入会キャンペーンもそれぞれ実施する。決済サービスはLINEの「LINE Pay」など、キャリア以外の参入も増えてきたが、田中社長は「他社は意識しない」と公言。「決済の時代が来ると分かり、あえて始めたのがau WALLET。まだ序章に過ぎない」と話した。

photophoto 春商戦に向け学割を開始する(写真=左)。au WALLETのキャンペーンも実施(写真=右)

 春商戦に向けて他社も学割や各種キャンペーンを実施し、価格競争が激化していくことは間違いない。今回KDDIが発表した独自のアップグレードプログラムが消費者にどう映るのかも注目すべき点の1つといえる。他社も類似のサービスを発表するのか、下取りやキャッシュバックを強化するのか。今後の動向に注目が集まる。

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