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» 2015年04月22日 16時50分 UPDATE

悪天候を吹き飛ばすほど白熱!――17社のSIMを試せる「格安SIMタッチ&トライイベント」開催

ITmedia Mobile編集部が「格安SIMタッチ&トライイベント」を開催。当日はあいにくの天候だったが、熱心な方々が多く集まった。参加者の熱気が伝わるリポートをお届けしよう。

[井上翔,ITmedia]

 ITmedia Mobile編集部は4月13日、「格安SIMタッチ&トライイベント」を開催した。イベントでは、ITmedia Mobileの連載「石野純也のMobile Eye」でもおなじみ、ジャーナリストの石野純也氏をゲストスピーカーに迎え、格安SIMの基本やトレンドについて語ってもらったほか、石野氏とITmedia Mobile編集長 田中とのトークセッションも実施。当日は強い風と雨というあいにくの天候だったが、22人の来場者を迎え、17社の格安SIMを体験してもらった。ここではイベント当日の模様をお伝えしよう。

photophoto ジャーナリストの石野氏(写真=左)と、弊誌田中(写真=右)
photo 会の様子

 より多くの通信サービスを体感してもらうべく、今回は17社のSIMカードを設定した端末を展示。速度をあえて制限したもの、高速に通信できるものなど、さまざまな格安SIMを用意し、参加者に自由に触ってもらった。今回用意したSIMは、以下の17サービス(五十音順)。

  • IIJmio
  • OCN モバイル ONE
  • SkyLink Mobile
  • DMM mobile
  • NifMo
  • BIGLOBE LTE・3G
  • b-mobile SIM
  • ぷららモバイルLTE
  • freetel mobile
  • freebit mobile
  • PLAY SIM
  • mineo
  • UQ mobile
  • U-mobile
  • 楽天モバイル
  • ワイヤレスゲート
  • WonderLink

 スマートフォンは、複数のMVNOに提供している「ARROWS M01」「Ascend Mate7」「ZenFone 5」のほか、日本通信の「VAIO Phone」、ソネットの「Xperia J1 Compact」、freebit mobileの「PandA」、freetel mobileの「priori2」、mineoの「LUCE」「AQUOS SERIE」、UQ mobileの「KC-01」「LG G3 Beat」といった独自端末も用意した。

photo 17社の格安SIMを挿入したスマホをずらっと展示

そもそもMVNOとは何? どうして安いの?

 イベントではまず、石野氏が「なるほど!格安SIMの基本を徹底解説」と題して、格安SIMの仕組みや各社の料金などを分かりやすく説明した。

 「格安SIM」と呼ばれるSIMカードは、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供している。石野氏はMVNOについて、「無線の設備を持っていない携帯電話事業者」と説明する。データ通信に必要な設備は自前で用意するが、携帯電話機と無線通信する設備はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルといった既存のMNO(移動体通信事業者)から借りているので“仮想”というわけだ。

photo 自分で無線設備を持っていないから“仮想”の通信事業者

 MVNOはなぜ、格安料金を実現できているのだろうか。石野氏は無線設備を借りる際にかかる「接続料」に秘密があるとする。「MVNOは帯域(1秒間あたりの通信速度)単位で設備を借り、接続料を払っている。その接続料が毎年のように値下げしている」(石野氏)うえ、「接続料には(MNOの)店舗や端末開発などの費用が転嫁されず、純粋に設備の利用にかかる費用だけを負担する」(同氏)ようになっている。そのため、MNOと比較して安価な通信料金を実現できるのだ。

photo 接続料の値下げと、余計なコスト負担がないことが「格安」の秘密

なぜMVNOが増えているの?

 格安SIMを提供するMVNOは、従来から通信に携わっている固定通信事業者やインターネットプロバイダーだけでなく、「DMM mobile」のように通信とは全く無関係だった企業も参入している。まさしく群雄割拠といわんばかりの状況だ。石野氏はその理由は大きく3つあると説明する。

 1つ目の理由が、(MNOは)MVNOからの接続(要求に応じること)が義務化されていることだ。「個人が会社を作って『MVNOやるから接続させてよ』と要求しても原則として断れない」(石野氏)ほどで、規模がかなり小さい企業でも、格安SIM事業に参入する余地がある。

 とはいえ、MVNOはデータ通信に必要な設備、通信帯域(速度や量)の制御など、ある程度ノウハウを要求される。そこで、MVNOとMNOの橋渡しをする「MVNE(仮想移動体通信イネーブラー)」の存在が2つめの理由に挙げられる。MVNEは、MNOとの各種交渉、ネットワーク構築や課金システムなど、ノウハウが必要な業務をMVNOに代わって提供する事業者だ。日本通信やインターネットイニシアティブなど、古くからのMVNOがMVNE事業を手がけたり、KDDIバリューイネイブラーのようにMNOが子会社を通してMVNE事業に参入したりしていることも、参入のハードルをかなり低くしている。

 そして、3つめの理由として、多額の初期投資を必要とせず、すぐに利益を出しやすいことが挙げられる。これは先述の通り、接続料が低廉になったことと、MVNEの存在も大きく影響している。

photo 格安SIMが急速に増えているのは、MVNO参入のハードルが低くなったことが大きい

格安SIMの“違い”は料金だけ?

 「格安SIM」では、月々の料金の“安さ”ばかりに注目が集まっているが、石野氏は「だからこそ、(料金面以外の)差別化要素に注目するべきだ」と言う。

 その1つが通信の速度や品質だ。通信速度を大きく制限する代わりに、通信量制限を撤廃した格安SIMもあれば、(格安SIMの中では)若干割高な料金を取る代わりに、高速に通信できる容量を大きめに取った格安SIMもある。速度を抑える際に、最初の数秒間だけ速度を上げる技術を採用して体感速度を向上させるなど、技術面で工夫を凝らす格安SIMもある。速度の速い・遅いを取っても、立派な差別化となるのだ。

 石野氏は、イベント当日の4月13日に、アイティメディアの会議室で9時台と12時台に速度テストを行った結果を交えて解説した。昨今の競争激化の影響もあり、各社とも全般的な品質の改善が進んだ一方、多くのサービスでは昼に通信速度が遅くなる傾向にあり、時間帯で通信速度の差が大きくなることが分かった。

photophoto 朝と昼は石野氏が実際に測定(写真=左)し、夜のイベント時は来場者の皆さんに測定していただいた(写真=右)

 ほかにも、ショップを展開してサポートを手厚くしたり、既存のネットサービスと連携したり、独自端末を開発したりして、個性を出そうとする企業もある。従来のMNOにはない個性も、格安SIMの魅力といえる。

大きな盛り上がりを見せたトークセッションと質疑応答

 続いて、「石野×田中トークセッション」と題し、石野氏と弊誌田中が、格安SIMにまつわるトークを繰り広げた。お題は「実際のところ、どこのSIMがいいの?」「本当に通信速度は出るの?」「おすすめの端末は?」「SIMロック解除で何が変わるの?」「通話をお得に使う方法はないの?」の5つで、白熱したトークを繰り広げた。

 さらに盛り上がったのは、トークセッション後の質疑応答だ。来場者からは、キャリア端末を使った際のテザリングの制約に関することや、(楽天でんわなど)プレフィックス通話時の音質や電話番号通知に関することなど、実際に格安SIMカードを使うことを想定した質問が多く寄せられた。

photophoto イベントで、ある意味一番盛り上がった質疑応答。実に多くの質問が寄せられた

 イベントの最後には、じゃんけん大会が行われ、MVNOから提供いただいだSIMカード(IIJmio、OCN モバイル ONE、PLAY SIM、mineo、U-mobileのプリペイドSIMとNifMoのSIMパッケージ)が参加者にプレゼントされた。

 SIMカードや端末の貸し出し、プレゼントの提供にご協力いただいたMVNOと端末メーカーの皆さま、ありがとうございました!


 今回のイベントの狙いは、なかなか試す機会の少ない格安SIMを幅広く体験してもらうことと、格安SIMの基本を理解してもらうこと。イベントが終わった後もタッチ&トライコーナーから離れない人が多く、熱心な人たちが集まった印象だ。当日は激しい雨に見舞われたが、そんな悪天候を吹き飛ばすほど濃いイベントとなった。

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