クアッドシステムが提供する「SkyPhone」は、ユーザー登録が不要なiOS/Android向け無料通話アプリ。SkyPhone同士でしか通話できないが、「VoLTEをしのぐ高音質」をうたっている。それほどの高音質で快適に通話できるのなら、ぜひ使ってみたい。そこで、SkyPhoneの使い勝手と通話品質をチェックしてみた。なお、今回はiPhone用アプリで紹介しているが、Android版も使い勝手はほぼ同じだ。
SkyPhoneを使うには当然、アプリのダウンロードが必要だが、一般的な無料通話アプリで行われるユーザー登録は必要なく、利用するまでのステップはあっけないほど少ない。アプリをダウンロードして起動したら、「SkyPhone番号を取得」をタップ。すると、次の画面でSkyPhone番号がすぐに確認できる。これだけでSkyPhoneが利用可能になる。
SkyPhoneは6月1日にバージョンアップされており、従来は12桁だったSkyPhone番号が8桁に短縮。また、設定の「プロフィール」からSkyPhone番号をメール送信する機能も搭載されている。
なお、SkyPhoneで通話できるのは、SkyPhoneアプリをインストールしたスマートフォン同士のみで、SkyPhoneから固定電話や携帯電話(090や080)、ほかのIP電話の番号に発信することはできない。
SkyPhone番号を知らせる機能が搭載されているが、プロフィールを入力していると、相手が連絡先に自分を登録していなくても名前と番号が相手側に通知されるので、ぜひ入力しておきたい。
設定では、着信音の選択、バイブレーション、おやすみモード、キータッチ音のオン/オフ、通話音質の設定、SkyPhone連絡先のインポート/エクスポートなどのメニューが用意されている。通話中にはミュート(マイクのオン/オフ)、スピーカーフォン、ノイズキャンセルのオン/オフができる。
SkyPhoneからの着信があると、スマホがスリープ中でも画面が点灯して通知される。アプリをバックグラウンド起動しておく必要はない。不在着信はアプリアイコンに付くバッジや通知画面、アプリ内の履歴画面で確認できる。ただ、留守番電話機能は用意されていない。
注意したい点もある。SkyPhoneは、データのリセットや機種変更、アプリのアンインストールなどの際にSkyPhone番号を引き継げない。普通の携帯電話番号のように、自分の番号として長期間保持することが難しいのだ。一方で、SkyPhone番号は非常に簡単に取得できる。この手軽さが魅力であり、面倒なことが起こった場合はすぐに番号を変更できるというメリットもある――とも考えられる。
VoLTEを超えるとアピールする通話品質もチェックしてみた。今回はVoLTE対応のau端末で、通常の通話とSkyPhone同士の通話を比較した。東京・青山のITmedia Mobileの編集部からの音声を、東京・板橋区で6月15日の平日、19時過ぎに録音した。なお、音声の録音は、VoLTEの通話、SkyPhoneの通話ともに、iPhoneのイヤフォンジャックに差して使えるボイスレコーダーで行った。
検証時のデータ通信回線が安定していたためか、SkyPhoneの通話も確かにVoLTEの通話に引けをとらないくらい高音質だ。録音時以外ももちろん会話をしたが、遅延はほとんど感じられず、さすがにVoLTEをしのぐとアピールするだけのことはあると感心した。ただ、SkyPhoneの方が、周囲の雑音がやや大きく感じた。
また、VoLTEは発信ボタンをタップすると、すぐに呼び出し音が鳴るが、SkyPhoneは従来の携帯電話の発信時のように「プ、プ、プ、プ……」という音がしばらくしてから呼び出し音が鳴る。また、回線速度に左右されるので、常に高品質かは今回の検証だけでは不明だ。SkyPhone推奨回線速度は64kbps以上となっている。
留守番電話機能がない、機種変更やデータリセットで番号が変わるといった注意すべき点はあるが、通話品質はVoLTE並み。データ通信専用端末に手軽に導入できる無料通話アプリとしては、いい選択肢といえそうだ。
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