2016年春は学生に「ドッカーン」 1GBプランは「まもなく」――2016年春のau新サービス(1/2 ページ)

» 2016年01月12日 21時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 KDDIは1月12日、2016年春商戦向けの新製品・新サービスを発表する「au発表会 2016 Spring」を開催した。端末面では、新たな4機種と「Xperia Z5 SOV32」と「BASIO KYV32」の新色を発表。サービス面では、2016年の「auの学割」と、「データチャージカード」「au WALLET チャージカード」を打ち出した。

発表会後のフォトセッションに臨む田中社長、菜々緒さん、桐谷さん、有村さん 発表会後のフォトセッションに臨むKDDI田中孝司社長、菜々緒さん、桐谷健太さん、有村架純さん

1GBプランは「Coming soon」

KDDIの田中社長 KDDIの田中孝司社長

 「今年(2016年)は、コマーシャルだけでなくいろいろなものを『ドッカーン』とやっていきたい」と冒頭に抱負を述べたKDDIの田中孝司社長は、まずauユーザーのスマートフォン浸透率(普及率)について説明を行った。

 20代・30代のauユーザーは「スマホが当たり前になってきている」が、10代未満や60代以降のユーザーへの浸透率はまだまだ改善の余地がある。そこで、2015年には年齢層に合わせた端末と、年齢層に合った料金プランを開発することでスマホのハードルを下げるように努めてきたという。

20代・30代ではスマホ浸透率が8割超え 20代・30代のauユーザーの8割以上がスマホユーザーである一方……
10代未満・60代以上のための端末・プランを開発 10代未満・60代以上のユーザーでは普及率が低いため、年齢層(セグメント)に合わせた端末と料金プランを開発して改善に努めている

 次に、田中社長は「スマートフォンのデータニーズ」調査の結果を説明した。この調査は13〜69歳の男女1万人を対象にKDDIが独自に行ったもので、毎月のデータ量として必要な容量を8つの選択肢(1GB/2GB/3GB/5GB/8GB/10GB/13GB/15GB以上)から1つ選択するというものだ。10代の約72%、20代の約60%が8GB以上のデータ容量を求めている一方、年代が上がるにつれて1GBで十分という人の割合も高くなってくる結果が得られた。

 このことを踏まえ、 「(報道などで)話題になっている1GBプランを近日中に発表する」(田中社長)ことを明らかにした。

10代・20代では、8GB以上のデータ容量を求めるニーズが高い 10代・20代では、8GB以上のデータ容量を求めるニーズが高い
低容量希望者向けのプランは「Coming soon」 年代が上がるにつれて高まる低容量プランへのニーズにも応えるべく、1GBプランを近日中に発表する予定

まず、「auの学割」でドッカーン

 今回の発表会のメインテーマの1つは、「auの学割」だ。春は、進学・就職に合わせて携帯電話を新規契約・機種変更する人が増える、1年の中でも一番の商戦期。そのため、各キャリアともに、学生とその家族に焦点を絞ったさまざまな割引キャンペーンを実施している。

 もともと、学生向けの割引キャンペーンは、auが2000年に「ガク割」としてやり始めたものだ。その時のキャッチフレーズは「学生さんはお金がない」だったが、先述のデータニーズ調査の結果からも分かる通り、最近は「学生さんはデータ(容量)が欲しい」(田中社長)という状況である。単純に月額料金を割引するだけでは、不十分になってきているのだ。

auが2000年にやり始めた「ガク割」は、「学生さんはお金がない」がキャッチフレーズだった 2000年に「ガク割」を始めた時は「学生さんはお金がない」がキャッチフレーズだったが……
今では「データが欲しい」状況に 今の学生は料金よりも「データが欲しい」状況になっている

 KDDIが学生に行ったヒアリングでは、「通信制限が恐怖」「Wi-Fiスポットを探すのが大変」という声が挙がったという。前者の声だけ見ると、「Wi-Fi(無線LAN)にオフロードすれば済むのではないか?」と思いがちだが、後者の声から察しも付くとおり、学生もWi-Fiへのオフロードは積極的にやっている。auの10代・20代ユーザーの最繁時トラフィックのうち、59.6%はWi-Fiにオフロードされているという。しかし、それでも13〜25歳のauユーザーの37%は契約している通信容量を超過してしまうというのだ(いずれも2015年11月時点のデータ)。

オフロード率約6割なのに、5GB前後もモバイル通信してしまう10代・20代ユーザー 59.6%のトラフィック(通信量)をWi-Fiへオフロードしているにも関わらず、10代・20代の平均通信容量は5GB前後にもなる
13〜25歳の3人に1人以上が容量超過 13〜25歳のauユーザーのうち、37%が契約している通信容量を超過してしまったという

 ビデオリサーチが2015年4〜6月に行った調査によると、中学生・高校生・大学生のいずれも「YouTube」の利用率が一番高く、高校生では「ニコニコ動画」の利用率も高いという。とにかく、若いユーザーはネット動画をよく見るがゆえに通信容量が大きくなり、結果として容量超過で低速な通信を強いられてしまっているのだ。まさに、学生にとって「スマホが不自由」(田中社長)な状態なのだ。

若い人のYouTube利用率の高さ 若い人のYouTube利用率の高さは、動画にトラフィックを費やす傾向を示している

 2016年の学割では、このような現状を踏まえて割引以外の内容を強化している。

 まず、主たる対象者が「auが指定する学校に在籍する学生」から「25歳以下の人」になった。「学割」の名前の意味がない、というツッコミが聞こえてきそうではあるが、20代までのユーザーのデータ通信需要が旺盛であることに応えたものだ。また、本人に関しては機種変更でも学割を適用できるようになった(現在の端末が購入後18カ月以上経過している場合)。これは、既にauを使っている若い人も応援したい、という意図があるようだ。

 また、26歳の誕生月まで「データプレゼント」を毎月5GBもらえる特典が新たに登場した。中学1年生から26歳を迎えるまでauを継続して契約していると、最大で780GBのデータプレゼントをもらえる計算となる。この特典は、カケホとデジラの「データプラン5」以上を契約することが付与条件となる。

 さらに、データ定額料割引特典の対象ユーザーに対しては、「au スマートパス」「ビデオパス」「うたパス」を2016年7月利用分まで月額情報料と同額を割り引くことで無料で使える特典も付与する。2015年と比べると、割引期間と対象サービスが追加されている。

 一方で、データ定額料の割引については期間は一律1年間となり、額も一部を除いて少なくなっている。ただし、先述の5GBのデータギフトを考慮に入れると、割引額はむしろ増えている。現状を踏まえて、より多くの対象者が納得感を得られるように割引の仕組みを改めたと見ればよいだろう。

2016年の学割はデータプレゼント重視 2016年の「auの学割」は、毎月5GBのデータプレゼントを実施する。その代わり、料金の割引は控えめになっている
中学1年生からauの契約を継続すると、最大で780GBのデータプレゼントをもらえる 中学1年生からauの契約を継続すると、最大で780GBのデータプレゼントをもらえる
2016年の学割は機種変更も対象 主たる対象者(25歳以下の人)では、機種変更も割引対象となった。auスマートバリューとの併用は引き続き可能
2016年の学割の割引対象サービス 2016年の学割では、スマートパスに加えて「ビデオパス」と「うたパス」も期間限定割引対象となった
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