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» 2016年10月27日 17時50分 UPDATE

「ハイスペック」ではないが使い心地良好――1年ぶりのフラグシップ「arrows NX F-01J」 (1/2)

ドコモ向けarrowsのフラグシップモデル「arrows NX」に約1年ぶりの新モデルが出る。従来とは異なり「ハイスペック」ではなくなったarrows NXは、どのようなコンセプトで開発され、どのような使い勝手を実現しているのだろうか。

[井上翔,ITmedia]

 富士通コネクテッドテクノロジーズ(旧:富士通)のNTTドコモ向けフラグシップスマートフォン「arrows NX」に、約1年ぶりの新作「arrows NX F-01J」が登場する。合わせて、シニア向けの「らくらくホン」「らくらくスマートフォン」にも久しぶりの新モデルが登場する。

 arrows(ARROWS) NXと聞くと、「ハイスペックなフラグシップモデル」というイメージが強い。しかし、F-01Jの仕様をよくよく見てみると「フラグシップモデル」であることは変わりないが、「ハイスペック」という看板を降ろしたようにも見える。事実、プロセッサはミドルレンジ機種向けの「Snapdragon 625」となり、ディスプレイの解像度もWQHD(1440×2560ピクセル)からフルHD(1080×1920ピクセル)に“スペックダウン”している。

 フラグシップだがハイスペックではない――新しいarrows NXは、どのような特徴を持ち合わせ、どのような使い勝手を実現しているのだろうか。

arrows NX F-01J(正面) 「arrows NX F-01J」(正面:NTTドコモの発表会で撮影)
arrows NX F-01J(背面) 「arrows NX F-01J」(背面:NTTドコモの発表会で撮影)

テーマは「堅牢(けんろう)・耐久」

富士通コネクテッドテクノロジーズの林田氏

 10月25日、富士通コネクテッドテクノロジーズがF-01Jを含む16年冬春モデルの新製品説明会を開催した。説明会で同社執行役員の林田健氏は、コンシューマー向け製品において「ARROWS」を「arrows」と改めた際のブランドコンセプトを改めて説明した。

 「人を想えば、進化はとまらない」と表現されるそのコンセプトは、「絆」「効率」「安心」「ワクワク」の4つの価値軸を通して「心地よく使える」スマホ・タブレットを提供するというものだ。

 F-01Jは価値軸の中でも特に「安心」に焦点を当て、「どこでも、いつでも安心して使える」(林田氏)スマホを目指して、「堅牢(けんろう)・耐久」に注力したという。日常・非日常問わず、気兼ねなく使えることを第一優先としたのだ。

「安心」に注力 新しい「arrows」の価値軸の中で、F-01Jは「安心」にフォーカスし……
「堅牢・耐久」にこだわった 「堅牢・耐久」にこだわった

 arrowsは、2015年冬モデルの「arrows Fit F-01H」「arrows NX F-02H」で米軍の物資調達基準「MIL規格(MIL-STD-810G)」が定める14項目を満たした。防水・防塵(じん)だけではなく、耐衝撃、耐振動、塩水耐久、低温・高温動作など、あらゆるシーンでの利用に耐えうる頑丈さを手に入れている。

 F-01Jではその取り組みをより強化している。まず、本体内部の左右側面にステンレスフレームを配し、内部を支えるステンレスホルダーの厚みを1.5倍に増やすことで曲げ・ねじれ耐性を高めた。

 さらに、本体外側の上面、左右側面には7000番台のアルミニウム合金製のパーツを配することで、曲げ・ねじれ耐性をさらに高めると同時に、画面ガラスに伝わる衝撃を軽減している。このパーツには耐傷性を高めるためにハードアルマイト加工も施している。

 画面ガラスは従来と同じCorning製の「Golilla Glass 3」だが、厚みを0.7mmにすることで耐傷性だけではなく耐久性も向上している。従来機種と同じように、画面側のフレームを0.3mm出っ張らせることで画面割れリスクを軽減する設計も継承している。

 富士通コネクテッドテクノロジーズが「SOLID SHIELD(ソリッドシールド)」と呼ぶこれらの新ボディー構造を採用した結果、MIL規格より厳しい「1.5mの高さからコンクリート床に落とす」という独自試験にも耐えるタフネスさを手に入れた。

本体内部の設計変更 本体内部の左右にステンレスフレームを新設。さらに、ステンレスホルダーの厚みを従来比で1.5倍に
7000番台アルミニウムと厚くなったGorilla Glass 3 本体の3面に7000番台アルミニウム合金を配し、Gorilla Glass 3は厚みを増した

デザインは「50/50」

富士通デザインの岡本氏 富士通デザインの岡本氏

 アウトドア愛好者にとって、頑丈な携帯電話は非常にありがたい存在だ。そのような人たちを意識してか、頑丈な携帯電話は、その強さを強調するようなデザインになっていることが多い。

 しかし、富士通コネクテッドテクノロジーズがアウトドア愛好者に独自調査を実施したところ、回答者の80%が強さを直接意識しないプレーン(飾り気のない)デザインをスマホに望んでいることが分かったという。そこで、F-01Jは頑丈さを高めつつも、スリムかつプレーンなデザインにチャレンジしたのだという。

デザインに関するアンケート結果 アウトドアを愛好する人は、意外と「それらしさ」を感じないデザインをスマホに求めているという

 F-01Jのチーフデザイナーである富士通デザインの岡本浩平氏は、この機種のデザインコンセプトを「50/50(Fifty-fifty)」と説明する。精密な動きや安定を求められる部位には堅く緻密な造形・素材を、人が触れる感覚に繊細さを求められる部位には優しく柔らかい造形・素材を「適材適所」で用いる、ということだ。

 画面割れに対する「強さ」が求められる表面は、先述の通り7000番台アルミニウム合金パーツやGorilla Glass 3などの強固な素材を配している。ベゼルのデザインを工夫することで、視覚面からも破損に対する不安感を和らげているという。

 一方で、手のひらが触れることから「優しさ」を求められる背面は、冷たさを感じない樹脂素材を採用し、ラウンドフォルムとすることで持ちやすさを高めている。表面と裏面の境界を側面から見ると、ちょうど「五分五分」に分かれているように見える。見た目でも、素材でも「五分五分」なスマホとなっているのだ。

デザインコンセプトは「50/50」 デザインコンセプトは「50/50」
表面は「強さ」を演出 表面は「強さ」を演出
背面は「優しさ」を演出 背面は「優しさ」を演出
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