任天堂は12月15日(米国太平洋標準時)、iOS用ゲームアプリ「スーパーマリオ ラン(SUPER MARIO RUN)」をApp Storeを通して配信する。日本では、12月15日17時(日本標準時)以降にダウンロードできる見通しだ。ダウンロードと一部プレイは無料で、全要素をプレイするにはApp Store内決済で1200円(税込)を支払う必要がある。
配信開始に先立ち、同社は報道関係者向けに同アプリの体験会を開催した。筆者もこの会に足を運びプレイしてきたので、その所感を簡単にレビューする。
スーパーマリオ ランは大きく「ワールドツアー」「キノピオラリー」「王国づくり」の3モードが用意されている。
ワールドツアーは、「クッパにさらわれたピーチ姫を助けに行く」という、従来のスーパーマリオシリーズではおなじみのモードだ。ワールドは6つあり、それぞれにコース(ステージ)が4つ用意されている。各ワールドの最終(第4)コースにクッパが待ち受けていて、それを倒したらワールドクリアとなる。
このモードで無料プレイできるのは、WORLD 1の第3コース(1-3)までと、WORLD 1の第4コース(1-4)の冒頭20秒までで、それ以降のコース・ワールドをプレイしたい場合は課金が必要となる。全コースをクリアした後に“何か”があるかは「プレイしてからのお楽しみ」(説明員)とのことだ。
なお、ワールドツアーでは通常のコースとは別に「あそびかた」というチュートリアルステージが用意されている。プレイを開始する前に、一通り確認しておくことをお勧めする。
キノピオラリーは、自動生成されるコースの中で、友達や世界中のプレーヤーとプレイの“技”を競い合うモードだ。
基本的な遊び方はワールドツアーと同じだが、ステージ内のコインをより多く集めつつ、“カッコ良く”プレイすることが求められる。カッコ良くプレイできると、キノピオが応援に駆けつけてくれる。逆に、「パックンフラワーにかまれる」「ステージから落ちてしまう」など、ミスをするとキノピオは逃げて行ってしまい、コインも一部を失ってしまう。
カッコ良くプレイすると、画面内のゲージもたまる。これが一杯になると、「コインラッシュモード」に突入する。ステージ内にコインが大量に出現するので、コインを集めるチャンスだとなる。
最終的なプレイの勝敗は、集めたコインの枚数、倒した敵キャラクターの数と応援に駆けつけてくれたキノピオの人数の合計数で決まる。勝利すると、コインとキノピオは自分のものとなり、後述の王国づくりモードで活用できる。
なお、このモードで競い合うライバルプレーヤーは、ランダムに表示される複数候補の中から選択することになる。ただし、フレンド登録済みのユーザーがいる場合、最下段の候補は常にフレンドの中から1人が表示されるようになっているという。
スーパーマリオ ランは、「ピーチ姫がクッパにさらわれた」「クッパに襲われた王国からキノピオが逃げ出した」というストーリー設定となっている。
王国づくりは、逃げ出してしまったキノピオを連れ戻して、王国を発展(再建)させていくモードだ。「ありし日の王国」のように再建することはもちろん、プレーヤーの思う通りに王国を発展させることも可能だ。
発展に当たっての「資金」は、ワールドツアーやキノピオラリーで集めたコインだ。植物や建物などのアイテムをコインで購入し、王国内に配置していく。「人員」は、キノピオラリーで獲得したキノピオたちだ。キノピオには色が設定されていて、特定の色のピノキオを集めないと購入できないアイテムもある。
このモードでは、イベント告知や任天堂からのお知らせを見ることもできる。
ワールドツアーとキノピオラリーにおいて、マリオは自動的に画面右方向へと移動する。低い段差や、小さな敵キャラクター(クリボーなど)も、自動的に乗り越えるようになっている。何もしないとひたすら右へ右へと進んでいくイメージだ。
高い段差を乗り越える時や、リフトに飛び移る時など、ジャンプが必要な場合は画面をタップする。ジャンプする高さはタップする時間によって変わる。ジャンプ中にもう1度画面をタップすると、マリオはスピンして滞空時間が少しだけ長くなる。小さな敵キャラクターを乗り越えると同時にタップすると、踏みつぶすことができる。
画面内にはおなじみのハテナブロックやレンガブロックもある。これらに向かってジャンプすると、アイテムやコインを入手できる。また、画面内の透明な枠に囲まれた矢印の方向に進行(ジャンプ・降下)すると、コインが出てくるようになっている。
コインは、通常のものの他に「パープルコイン」「ブラックコイン」が用意されている。色の異なるコインは、原則として取りづらい場所に配置されている。パープルコインを全部取ったらブラックコインが出現する仕組みとなっており、パープル・ブラックの全てのコインを集めるのは至難の業だ。ある意味で、このゲームで一番のやりこみ要素ともいえる。
一部のコースでは、天井にぶら下がって移動できる。ぶら下がり移動したい場合は、ジャンプして天井に捕まった後、画面から指を離さないでおこう。画面に指を置いている間、マリオは自動的にぶら下がって移動する。
コース分岐のある場所などには、一時停止ブロックが用意されている。ここを通りかかると、マリオは立ち止まる。移動を再開したい場合は、画面をタップすればいい。
今回、スーパーマリオ ランを体験できた時間はわずかだったが、筆者が思っていた以上に歯ごたえのあるゲームに仕上がっているように感じた。
先述の通り、マリオは自動移動が基本だ。そのため、コインやアイテムを取り逃してもコースを逆戻りできない。これが、予想以上にプレイの緊張感をもたらしている。
また、記事中でも少し触れているが、3つのモードは相互に関係している。あるモードを極めるには、別のモードもやりこむ必要があるのだ。ただ、「やりこむ」とはいえ、1つ1つのプレイは1〜2分以内で完結できるので、「まとまった時間をかけてどっぷりと」ということにはなりにくい。
ハマるけれど、メリハリがある――これが、スーパーマリオ ランだ。iPhone/iPadユーザーは、ひとまずダウンロードしてプレイしてみてほしい。Androidユーザーは……任天堂からのリリース情報を待とう。
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