iPhone 7を充電しながら音楽を聴けるLightningイヤフォン「RAYZ Plus」――NC機能にアプリ連携も

» 2017年02月15日 14時57分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズは2月15日、パイオニアブランドのiOS端末専用イヤフォン「RAYZ」(レイズ)および「RAYZ Plus」(レイズプラス)を発表した。このうちRAYZ Plusは、ケーブルの途中に充電用Lightningポートを備えており、iPhone 7で音楽や通話を楽しみながら充電も行える唯一のLightning接続イヤフォンとなる(2017年2月現在)。

「RAYZ Plus」(レイズプラス)の「ブロンズ」。ほかにグレー系の「グラファイト」がある
手持ちのモバイルバッテリーとケーブルでiPhoneを充電しながら音楽を再生しているところ
iPhoneに充電されていることを確認

 発表会であいさつに立った宮城社長はまず、2016年9月のiPhone 7発表を振り返り、その時の衝撃について語った。「3.5mmミニジャックがなくなるという噂は聞いていたが、なくなるところを目の当たりにすると考えさせられた」。海外では日本ほどiPhoneのシェアが高いわけではなく、また急速にBluetoothのワイヤレスヘッドフォンが普及しているため問題視する人は少ないが、音質重視の日本市場では状況が少し異なる。

宮城社長

 アップルはLightning接続のイヤフォン「EarPods」や3.5mmミニジャックを持つLightningアダプターを用意したが、今度はイヤフォンを使用している間は充電できないという問題が生じた。またLightning接続の場合、イヤフォン側にD/A変換機能やアンプの機能を持たせなければならず、iPhoneのバッテリーを消費するといった課題もある。

 「Bluetoothは快適だが、われわれのアプローチは(音質重視で)Lightningから音楽を取り出すこと。キモとなるLightningオーディオモジュールには、アップルとアブネラが開発した新型チップを採用し、省エネも実現した」(宮城氏)。オンキヨーはアブネラに出資しており、またモジュールを開発したのが同社との合弁企業だったこともあり、いち早く新チップを採用することができたという。

 RAYZシリーズのマーケティングを担当する甲斐拓氏によると、「フルボリュームで5時間再生したとき、アナログ接続のイヤフォンではiPhoneのバッテリーが9%減った。EarPodsは12%、Rayzは6%しか消費しない」という。さらにイヤフォンの出力を必要最小限に絞る「エコモード」を使えば、「ほかのどのイヤフォンよりも低消費電力で使用できる」という。

スマートなイヤフォン

 RAYZ/RAYZ Plusの外観はいたって普通だ。ハウジングには9.2mm径のダイナミック型ドライバーを収め、Lightning経由で最大48kHz/24bitの音源再生が可能だ。再生周波数帯域は10〜2万2000Hz。しかし、実はノイズキャンセリング機能やアプリ連携など多くの機能が詰め込まれている。

「RAYZ」の「アイス」。ほかにブラック系の「オニキス」がある

 例えば、各所に合わせて6つものマイクを搭載し、通話はもちろん、スマートなアクティブ型ノイズキャンセリング機能を実現した。周囲の騒がしさに合わせてあらかじめ用意した設定を切り替え、環境音に応じてNCの効き方に強弱をつける。また、音楽を聴いている時に外部の音を確認したくなったとき、イヤフォンを外さずマイクから外部の音を取り込める「HearThru」(ヒアスルー)モードも備えた。

周囲の状況に合わせてNCを調整する

 6つのマイクはほかの場面でも役立っている。例えばSiri使用時の認識率が向上。さらにイヤフォンを耳から外すと聴いていた音楽や動画が自動的にストップする「オートポーズ」にもマイクを活用した。「マイクが狭い空間(耳穴)に入っていることを検知して再生、広い場所になると止まる仕組みだ。NC用のマイクを再利用する形で実現した」。理由は「他社製品のように専用のセンサーを使うと消費電力のアップにつながる」ためだ。

 リモコン部には通話や音楽再生に使う3つのボタンに加えて「第4のボタン」こと「スマートボタン」を備えた。ここにはアプリの起動やマナーモードの切替など、任意の機能を割り当てることができる。設定を行う専用アプリでは、5バンドのイコライザー機能や「オートポーズ」のオン/オフといった操作も可能だ。

 さらに今後のバージョンアップにより、通話時に話すのをやめると自動的にマイクがミュートになる「スマートミュート」機能などの追加も予定している(2017年中を予定)。「機能の追加により進化していくスマートなイヤフォンだ」(同社)

発表会にはiPhone好き芸人として知られるサバンナ高橋さんが駆けつけた

 RAYZ/RAYZ Plusは3月下旬に発売予定で、価格はオープンプライス。海外ではRAYZが99米ドル、RAYZ Plusが149米ドルに設定されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  6. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
  10. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年