富士通コネクテッドテクノロジーズの「arrows M03」は、機能を充実させつつも3万円弱〜4万円弱(税別)と比較的手頃な値段を実現した、国産SIMロックフリースマートフォンだ。
M03はスペック的にはミドルレンジ(中位)だが、一般的なミドルレンジモデルでは省かれがちな便利なネットワーク機能を備えている。この記事では、それを見ていこう。
一般的なのAndroidスマートフォンでは、モバイル通信(LTE/3G)とWi-Fi(無線LAN)の両方につながっている場合、Wi-Fiでのみデータ通信を行う。この場合、Wi-Fiの電波が弱まったり切れたりするとモバイルデータ通信に切り変わる……のだが、この時にデータが「瞬断」する。
アプリによっては、この瞬断でエラーが生じることがある。1回や2回程度であれば「まあ、もう一度……」ともなるが、何度も瞬断によるエラーが生じると、普段は温厚でも堪忍袋の緒が切れてしまう人もいるだろう。何より、何回もリトライすることによってモバイル通信のデータ量を「ムダ使い」してしまうことにもなる。
このような「データ瞬断問題」への対策として、M03では「マルチコネクション」という技術を搭載している。この技術は、Wi-Fi接続中もモバイルデータ通信を待機させておき、Wi-Fi通信に問題が発生した際にシームレスに引き継げるというもので、データのダウンロードが長引いている時や動画の視聴時に威力を発揮する。
このマルチコネクション機能はarrows(ARROWS)のハイエンドモデルを中心に搭載されてきたが、ミドルレンジモデルであるM03にも搭載されており、標準で「オン」となっている。富士通コネクテッドテクノロジーズとしてはイチオシの機能ということなのだろう。
実際、地下鉄のように公衆Wi-Fiスポットが「圏内」「圏外」を繰り返すような場所や、無線LANルーターが無数にある場所では、マルチコネクションによる接続安定化効果はてきめんだ。よほどの事情(後述)がない限り、マルチコネクションはオンのままにすることをオススメしたい。
マルチコネクションは、通信を高速化する「高速ストリーミング&ダウンロード」機能も備えている。
高速化の手法としては、モバイルデータ通信とWi-Fiデータ通信の「同時通信」と、データダウンロード時に使うセッション(通信数)を増やす「マルチセッション」の2つを併用している。高速ストリーミングは「YouTube」で、高速ダウンロードは原則として全てのアプリで利用可能だ。
高速ストリーミング&ダウンロード機能を使いたい場合は、マルチコネクションの設定を「安定通信」から「ハイスピード」に切り替える必要がある。端末設定から「Wi-Fi・Bluetooth」→「マルチコネクション」と進み、「モード選択」画面で「フルスピード」を選択すればOKだ。ただし、ハイスピードモードにすると、Wi-Fi接続中でも積極的にモバイル通信を利用するため、バッテリー消費と、データ通信量の消費も若干増えることに注意が必要だ。
なお、マルチコネクション機能のオン/オフは、通知パネルスイッチまたは端末設定のマルチコネクションから行える。一部アプリでは、マルチコネクションがオンだとうまく通信できないこともあるため、端末設定ではアプリ単位でのマルチコネクションの有効/無効も切り替えられるようにもなっている。
マルチコネクション(特に安定通信面)において、一番恩恵にあずかれるサービスは、音楽や動画のストリーミングサービスだ。
SIMロックフリースマホであるarrows M03に、ストリーミングサービスのパケット通信料を「カウントフリー(無料)」とするMVNOサービスのSIMカードを組み合わせると、より快適な音楽・動画ライフを楽しめる。
3月27日現在、ストリーミングサービスのカウントフリーサービスを提供しているMVNOサービスは以下の通り。
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