新料金プラン「docomo with」に質問集中――ドコモ吉澤和弘社長と一問一答(1/2 ページ)

» 2017年05月25日 11時20分 公開
[房野麻子ITmedia]

 既報の通り、NTTドコモは5月24日、「2017 夏 新サービス・新商品発表会」を開催した。夏商戦向けの新端末に加え、新しい料金割引「docomo with」、スグ電の機能拡充、Amazon.co.jpにおけるキャリア決済対応など、多くの発表がなされた。

 同社の吉澤和弘社長は、発表会中の質疑応答と発表会終了後の囲み取材で記者からの質問と応じた。この記事では、その時の模様をお伝えする。

質疑応答

発表会での質疑応答 発表会で質疑に応じる吉澤和弘社長

―― 毎月1500円を割り引く「docomo with」の狙いは何か。

吉澤社長 1つの端末を長く使うユーザーがお得に使えることを狙っている。今までの端末購入補助、例えば「月々サポート」は端末をお手頃価格で手に入れるために提供していたが、docomo withには端末購入補助が基本的にない。端末を定価で買っていただくことで、料金を1500円ずっと引き続ける。2年契約が切れ、3年目、4年目もずっと1500円引かせていただく。

 端末をずっと使っていただく方には、そういう(値引きの)メリットを享受してもらう。2年ごとに端末を買い換えるユーザーだけにメリットがあり、ずっと使う人にはメリットがないとか、長く使っているユーザーが端末補償を負担しているといわれてきたが、今回はそうではなくて、端末を長く使ってもらうユーザーにメリットを提供する狙いだ。

docomo withを説明する吉澤和弘社長 発表会場ツアーでもdocomo withをアピールする吉澤社長

―― 吉澤社長はかねがね「プライスリーダーではなくマーケットリーダーに(なる)」といっていたが、今回は料金の値下げを行った。戦略に変更はないのか。

吉澤社長 先日発表した中期戦略(beyond宣言)の中でも、「マーケットリーダー宣言」をしている。今回の料金もそのマーケットリーダーの一端として捉えてもらえればと思う。単に料金のプライスだけでなく、ユーザーに対するアフターフォロー、ドコモが提供するサービスは全部享受していただける。新しくドコモが提供するサービスも享受できるわけなので、そういったものも含めて今回の料金を設定させていただいた。プライスリーダーということではなくて、マーケットのリーダーとして進むことについては変わりはない。

マーケットリーダー宣言 新中期計画「beyond宣言」の1つである「マーケットリーダー宣言」(写真は報道関係者向け2016年度通期決算説明会より)

―― docomo withの端末として「arrows Be」と「Galaxy Feel」の2機種が選ばれているが、なぜこれら機種なのか。昨年の「MONO」の流れに位置付けられているのか。

吉澤社長 今回は新プランの第1弾ということで、新たに提供する端末2機種を対象とさせてもらっている。次の端末についても、当然検討していきたいと思っている。「MONO」は端末購入サポートがあるので、これには該当しないが、次の機種を対象にするかどうかはぜひ検討していきたい。今後、どの端末を対象とするのかは、状況やユーザーの声を聞きながら考えていきたい。

―― docomo withは、例えばSIMフリーのスマホや中古スマホを代わりに使っても1500円割り引くのか。また、対象2機種以外のユーザー、現在のユーザーから見ると「なぜその2機種のユーザーだけ1500円安いのか」「普通に使っている我々よりもなぜ安くなるのか」という声が出ると思われるが、どう考えているのか。

吉澤社長 まず対象の端末を買ってdocomo withの料金プランに一度入ってもらえれば、例えば2年後にもう1台、SIMフリー端末や中古端末を持っていて、その端末を対象端末と取り替えていただければ、1500円引きはそのまま継続する設計にしている(参考リンク)。

 今の端末のユーザーは、(基本的に)月々サポートという端末購入補助を受けている。そういう契約形態のプランなので、まずは対象端末でdocomo withに入ってもらうことをスタートにしたいと思っている。今後、いろいろな意見が出ると思うので、状況をしっかり踏まえた上で、どう対応するかだが、基本的には対象端末でdocomo withを選んでもらうことが第一だと考えていただきたい。

docomo withの条件 docomo withは、対象外端末を補助なしで購入した場合や手持ちの端末(SIMロックフリースマホなど)にSIMカードを入れ替えた場合も継続適用されることが明記されている

―― 総務省の検討会の議論の中で、スマホの料金が複雑で分かりにくいという話があり、各社がいろんな新プランを考えてきたという経緯がある。さまざまなユーザーに応えていきたいという気持ちは理解できるが、昔のようにいろいろなプランが乱立して、また分かりにくくなってしまうのではないか。

吉澤社長 料金が複雑という声を聞いて、「カケホーダイ&パケあえる」という新しいプランを2年半前に出した。いわゆる通話定額で、パケットは従量的にするということでシンプル化を図った。そういった中でも、パケットパックのプランも増えてきて、また複雑になったといわれているのは確かだ。

 そうはいいながらも、いろいろな立場のユーザーからの声がある。端末購入の恩恵を受けない、長期に同じ端末を使っているユーザーのニーズに応えるという話がもともとあったので、それにある程度応えなくてはいけないということで(導入した)。

 そうはいいながら、ユーザーがあまり選んでいないプランはだんだん集約するとか、なくすとか、新しいプランに移行していくためのアクションを起こして、カケホーダイ&パケあえるの方にユーザーをシフトしていくようにしたい。全体的にはシンプル化を図りたいが、ユーザーのいろんな要望に対応せざるを得ないということを理解していただければと思う。

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