2018年の新iPhoneである「iPhone XS」と「iPhone XS Max」が発売された。個人的には、XSよりXS Maxの方に魅力を感じている。理由はシンプルで、「画面が大きいから」。
筆者は現在「iPhone X」を使っていて、それ以前は「iPhone 7 Plus」を使っていた。7 Plusも最初は「でかいな〜」と思いながら使っていたが、1年もすれば慣れてきて、もうこれより小さい画面には戻りたくないと思えたほど。
そんな中で乗り換えたiPhone X。画面サイズは7 Plusの5.5型からXで5.8型に“数字上は”大きくなったが、インチ(型)は対角線の長さを示すもの。Xは縦長になったので、上下のスクロールだけで閲覧できるスマートフォン用サイトやSNSなどの情報量は増したが、横幅が狭くなった分、写真、動画、電子書籍などは7 Plusの方が大きく表示できるという逆転現象が起きた。
一方、iPhone XS MaxはiPhone 7 Plusとほぼ同じ幅を実現しながら、画面サイズは6.5型にまで大きくなった。幅は7 Plusが77.9mm、XS Maxが77.4mmで、むしろXS Maxの方が0.5mm細い。ちなみにiPhone 8 Plusは幅78.1mmなので、XS Maxの方が0.7mm細い。かつて7 Plusを使っていた身としては、XS Maxを手にしても「でか!」と感じることはなかった。側面のラウンド形状と相まって、むしろ持ちやすいと感じたのが正直なところだ。
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 重量 | |
---|---|---|
iPhone XS Max | 77.4×157.5×7.7mm | 208g |
iPhone XS | 70.9×143.6×7.7mm | 177g |
iPhone X | 70.9×143.6×7.7mm | 174g |
iPhone 8 Plus | 78.1×158.4×7.5mm | 202g |
iPhone 7 Plus | 77.9×158.2×7.3mm | 188g |
ではiPhone XS Maxの操作感は実際のところどうか。参考までに、筆者の手のサイズは、幅(人さし指と小指の付け根)が約80mm、長さ(中指の先端から手首)は約180mm。
まずはロック解除。iPhone XS Maxでは顔認証の「Face ID」でロックを解除する。本体を握って持ち上げると自動で画面が点灯し、顔を認証するとロックが解除される。その後、画面下部を上方向にスワイプすればホーム画面に切り替わる。このスワイプ操作は片手だと指の移動が難しく、親指が下まで届くよう持ち替えるか、もう一方の手を使う必要がある。
iPhone 7 PlusのTouch IDも、親指をホームボタンまで移動させる必要があるが、iPhone XS Maxは指を(ホームボタンのあった場所よりも下の)端まで移動させるので、指の移動量はXS Maxの方が多い。本体の下半分を握れば片手でも親指が下まで届きやすい。ロックの解除、そしてホーム画面に戻る操作は下半分を持ち続けるか、諦めて両手前提と考えた方がいいだろう。
片手だと画面の端には指が届かないので、左手で端末を握り、ホーム画面で右端のアプリを選びたいときは、右手を使うようにしている。ちなみにiPhone XやXSでは、頑張れば端まで指が届いたので、これはXS Maxならではのデメリットだ。
左右のフリックによるホーム画面のページ移動、電子書籍のページめくり、写真の切り替え、上下のフリックによるブラウザやSNSのスクロール、上スワイプによる起動中のアプリ呼び出しや終了などは、片手でも問題なく行える。画面上部から通知を呼び出す、画面右上からコントロールセンターを呼び出す操作はさすがに片手では厳しいが、これはiPhone Xでも同様だ。
「Pokemon GO」の片手操作も、iPhone Xと同じような感覚でこなせる。モンスターボールは必ずしも画面下部からフリックして投げる必要がなく、画面のどこに触れれば投げられるので、画面の中央付近から投げ始めれば問題ない。ただ、距離が遠いポケモンだと片手で当てるのは難しい(これはiPhone Xも同様だが)。
文字入力はデフォルトだと片手操作は厳しいが、iOSの日本語キーボードは、左右のどちらかに寄せることができるので、これを活用すれば片手でもある程度は入力しやすい。サードパーティーが提供しているキーボード「ATOK」や「Simeji」も、片手操作用にキーボードを左右に寄せることができるので、必要に応じて活用したい。ただ、片手で文字を打つときは本体下部を持つため重量バランスが悪く、結局両手で打つ方が安定する。これはiPhone Xでも同様なので、慣れればそれほど苦ではない。
画面の視認性はどうか。写真、動画、電子書籍はiPhone X/XSよりもiPhone XS Maxの方が大きく表示できるのはもちろん、デフォルトの文字サイズだと、ブラウザやSNSなどを1画面の表示できる情報量はiPhone XS Maxの方が多いケースも確認できた(アプリや表示方法によって異なるが)。マップやゲームなど、Xに最適化されたアプリも、当然XS Maxの方が大きく表示できる。
iPhone 7 PlusからiPhone Xに変更して、Xの狭額縁デザインは画面への没入感が増したのは良かったが、コンテンツの表示サイズが小さくなってしまったのは不満だった。しかし、iPhone XS Maxでは7 Plusと同等サイズでコンテンツが表示可能になった。しかもXのデザインを踏襲しており、縦方向の表示領域は広がっている。画面の視認性に関しては、PlusとXのいいとこ取りをしたといえる。
ただ、iPhoneのカメラで撮影した静止画は4:3、動画は16:9、また配信されている動画コンテンツも16:9のアスペクト比が多いので、画面のアスペクト比が19.5:9のiPhone XS Maxで再生すると上下(または左右)に余白ができ、“全画面”で見ている感覚は乏しい。
新iPhoneはぜひiPhone XS Maxを選びたいところ……だが、12万4800円(税別)〜16万4800円というお値段が悩ましい。しかしもiPhone Xを発売当初から使っているとはいえ、Xの発売時期は2017年11月なので、まだ1年もたっていない。「価格」と「タイミング」を考えて、まだ乗り換えるべきか迷っている。ともあれ、これまでiPhoneの「Plus」を違和感なく使っている人なら、XS Maxのサイズは「ちょうどいい」と感じるはずだ。
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