auとUQのモバイルルーターが「下り1.2Gbps」対応 無視できない注意点ありふぉーんなハナシ(2/2 ページ)

» 2019年01月30日 12時00分 公開
[井上翔ITmedia]
前のページへ 1|2       

注意点3:下り1237Mbps対応エリアが狭い(現時点において)

 W06とHOME L02の下り1237Mbps対応エリアですが、auとUQの説明ではこうなっています。

 2019年1月25日時点では、東京都、埼玉県の一部エリアで提供します。対象エリアは今後順次拡大予定です。

 「東京都、埼玉県の一部」ということで、具体的にどこで使えるのかが示されていません。au、UQ双方のエリアマップを見ても、どこで高速通信できるのかよく分かりません。

 UQではWiMAX 2+の下り最大440Mbps対応エリアについては、地図ベースで調べられるようになりましたが、auは下り最大75Mbps超の4G LTEエリアを未だに詳しく調べられません

 auの100M〜370Mbps対応エリアについては住所ベースで調べられますが、地図表示は非対応。au 4G LTEとWiMAX 2+を組み合わせた下り最大958Mbps・1237Mbpsエリアは地図で確認できない上、先の引用のような「○○の一部エリア」というような曖昧な書き方になっています

 2社のネットワークを組み合わせているという都合もあるのでしょうが、もう少し詳しく、せめて住所ベースでもエリア情報を出してもらえると、購入時の参考にしやすいと思うのですが……。

エリア 下り1237Mbps対応エリアは「東京都、埼玉県の一部エリア」と、曖昧な書き方。せめて、住所ベースで出してもらえれば……

注意点4:フルスピードを生かせる条件が限られる

 下りだけとはいえ、1Gbps超の通信を実現したW06とHOME L02。ただし、フルスピード対応エリアでも、それを生かせる条件は限られます

 両機種共に、Wi-Fi(無線LAN)の最高通信速度は867Mbps(約108MB/秒:IEEE 802.11ac規格で2×2 MIMOに対応するデバイスとの通信時)。HOME L02が備える有線LANポートの最高通信速度は1Gbps(125MB/秒:1000BASE-T接続時)。いずれもモバイル通信の下り最高速度よりも遅くなっています

 「もっと早い規格使えば良いのに……」と思うかもしれませんが、Wi-Fiや有線LANの通信速度をより高速にすることは現時点においてあまり意味がありません。というのも、867Mbps超のWi-Fiや、1Gbps超の有線LANに対応するデバイスがほとんどないからです。

 唯一、下り1237Mbpsをフルに生かせるのはW06においてPCとUSB 3.0接続でテザリングする方法です。USB 3.0の最高通信速度は5Gbps(625MB/秒)ですから、確かに十分なスピードを得られます。

最高速度は若干低い 今回出た新機種では、Wi-Fiや有線LANの最高通信速度がモバイル通信の最高通信速度を下回る

 「それじゃあ、下り1237Mbps対応はほぼ意味ないのでは?」という声も出てきそうですが、理論最高値が向上すると、実効速度も改善するため、確実に意味はあります。


 下り1237Mbps対応で、4K・8K動画も楽しめるという触れ込みのau・UQの新しいWi-Fiルーターですが、このように注意点も非常に多くなっています。

 特に「注意点2」で挙げた、ハイスピードプラスエリアモードにおける通信速度制限は使い勝手の面で大きな足かせとなってしまっています。せめて、ハイスピードプラスエリアモードでもハイスピードモード並みの制限になれば良いのですが……。

 auとUQにおかれましては、ハイスピードプラスエリアモードにおける制限について、緩和する方向で、真剣に検討してほしいと思います。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月23日 更新
  1. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダーを実際に試してみた 画質やWi-Fiスマホ連携の使い勝手を検証 (2024年05月21日)
  2. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  3. メルカリでiPhoneが高値で取引されているワケ 出品のハードルを下げる取り組み始動 (2023年09月14日)
  4. 日本のApple Watchで「心房細動履歴」を利用可能に 不整脈の改善につながる情報を提供 (2024年05月22日)
  5. ダイソーで買える550円のスマホ向けカメラグリップを試してみた “あのライカ監修スマホ”が気になってしょうがない人に向いてる? (2024年05月20日)
  6. Apple Watchを外出時にほぼ持ち出さなくなった理由 (2024年05月19日)
  7. XREALとRokidの“いいとこ取り” 新スマートグラス「VITURE Pro」は調光や視度調整に対応 GACKTコラボモデルも登場 (2024年05月21日)
  8. 「即決禁止」の独自ルールも あなたの知らない「メルカリの世界」(前編) (2018年05月01日)
  9. 身に着けられる小型ドライブレコーダー&防犯カメラ「ライフレコーダー128」、クラウドファンディング開始 (2024年03月21日)
  10. ミッドレンジ「Xperia 10 VI」の進化ポイントを解説 デザイン刷新でも21:9ディスプレイ続投の理由は? (2024年05月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年