ソフトバンクは5月8日、2018年度通期決算を発表した。株式上場後初の通期決算は「増収増益」で、上場前に示した予想を上回る好調さを示した。
良好な業績を支えているのが、国内通信事業だ。しかし、通信料金と端末代金を「分離」する動きの中で、足元では競合他社との料金競争が激しくなる兆候が見受けられる。6月にはNTTドコモが新料金プランの提供を開始。au(KDDIと沖縄セルラー電話)もそれに何らかの対応をすると思われる。10月には楽天モバイルのMNO参入が迫っている。
このような状況で、ソフトバンクはどう戦っていくのだろうか。
ソフトバンクの好調な業績を支えているのが「移動通信サービス」事業。自社で運営する「ソフトバンク(SoftBank)」「Y!mobile(ワイモバイル)」両ブランドに加え、2018年度は連結子会社化された「LINEモバイル」もこのセグメントに加わった。
3ブランドを合わせた累計のスマートフォン契約数は194万7000件の純増。ソフトバンクとY!mobileの両ブランドでスマホ契約者が順調に増え、LINEモバイルも好調だという。
また、ソフトバンクとY!mobile間の「番号移行」において、2018年度第4四半期(2019年1〜3月)は個人ユーザーに限ると「Y!mobile→ソフトバンク」が「ソフトバンク→Y!mobile」よりも実数が多かったという。
ソフトバンク社内において、ソフトバンクブランドは「大容量で高価格」、Y!mobileブランドは「小・中容量で低価格」というセグメント分けがなされていることを踏まえると、この減少は競合他社でいう「アップセル」と同義。よりたくさん通信できるソフトバンクブランドの「ウルトラギガモンスター+」に魅力を感じ、Y!mobileから移行するユーザーが増えたことが業績面でプラスに働いた面もあるようだ。
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