楽天モバイルのMNOサービスは、10月1日から全国で利用できるが、自社ネットワークは東京23区、名古屋市、大阪市と兵庫県の一部に限られる。それ以外の地域はKDDIのローミングを活用する。ネットワーク対象地域の詳細は9月24日以降、Webサイトで案内する。なお、ローミングエリアで追加の利用料金が発生することはない。
楽天に割り当てられたのは、1.7GHz帯の20MHz(×2※下りと上りで20MHzずつ)。20MHz幅をフルに使い、変調方式を256QAMにし、4×4 MIMOを導入することで、理論上は下り最大400Mbpsの速度が出る。帯域幅が狭いため、1Gbpsクラスの速度を(理論値で)出せる他キャリアと比べると、どうしても見劣りしてしまう。
楽天モバイルは、低コストで構築できる完全仮想化ネットワークをアピールしているが、ネットワークの能力を発揮するには、十分な数の基地局を設置しなければならない。同社は2019年度末には3432局の基地局を開設する計画だが、遅れが見られていることから、総務省から指導を受けており、基地局設置の遅れを懸念する声が挙がっている。
楽天の武田和徳副社長は基地局設置について「ほぼ目標と同様の形で進行している。現在はアンテナと集約局をつなぐ段階に来ており、NTTの協力を得ながら、猛ダッシュでやっている」と話すが、具体的に今、どれだけの基地局が建っているかについては名言を避けた。「今までのスピードと3月までの拡大スピードを考えると、目標に向けて十分間に合うと考えている」とも話すが、裏を返せば、10月の本サービスまでには(目標の数の)基地局設置は間に合わない……とも受け取れる。ちなみに三木谷氏は「半年遅れるわけではない」と否定していた。
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