トリプルカメラで次の一歩を踏み出した「iPhone 11 Pro」 XSと画質を比較してみた荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(5/5 ページ)

» 2019年09月26日 06時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

他にも要注目ポイントがてんこもりなのだった

 要点は以上。その他は、ちょっと気が付いた点をまとめておくことにする。

 まずは「写真のフレームの外側を含めて撮影」機能の話。これ、めちゃ斬新な超絶技巧なわけだが、被写体の距離が近いと使えない。たぶん、2つのカメラが収めた被写体のズレを補正できなくなるからだろう。

iPhone 11 Pro この距離ならOK
iPhone 11 Pro この距離だとアウト(両側が真っ黒)

 続いてカメラアプリのインタフェースがちょっと変わった話。ここの画面上部の山形をタップすると、サブメニューが現れる。画像の縦横比はここで変更するようになった。フィルターやセルフタイマーもここだ。

iPhone 11 Pro 分かりづらいけど、この赤く囲ってあるところをタップする
iPhone 11 Pro するとサブメニューが現れる。ここの「4:3」をタップすると縦横比の変更が可能だ

 連写の操作方法も変わった。つい長押ししてしまって、けたたましいシャッター音がしてびっくりする人が続出していたわけだが(大げさ?)、それもなくなるかも。

 なんと、長押しすると「押している間だけ動画撮影」という短いクリップをさっと撮りたいとき超便利に。「あっ、ここは動画で」と思ったら長押しすればいいのだ。

iPhone 11 Pro 長押しすると、このように動画撮影が始まる

 で、指を離すと撮影終了だが、長く回したいときはボタンを「ロック」の方へスライドさせればOK。

 ただし、縦横比は静止画と同じになる。

長押しで撮影した動画。このように4:3のまま動画が撮れる(静止画を16:9にすれば16:9で撮れます)

 連写は反対方向にスライド。指を離すと連写終了となる。これはよい。

iPhone 11 Pro 連写するときは反対側にスライドさせればOK。指を離すまで連写してくれる

 4番目はAFの話。人物以外でも認識することがあるようだ。なんと猫も検出した。他のどんな被写体に反応するかはまだ調べ切れていない。

iPhone 11 Pro 猫にカメラを向けたら、黄色い枠が出た。もしや猫も認識?

 5番目は広角カメラでもポートレートモード、つまり背景ぼかしを使えるようになったが、料理に使うのは難しいかも。あまり近寄ると「離れてください」と言われる。もうちょっと近寄れるとうれしいのだけどね。

iPhone 11 Pro 広角カメラでのポートレートモードは非常に便利だが、期待するほどは近寄れないかも

 でも、広角カメラで背景ぼかしを使えるのはやはり待望である。

 6番目は望遠カメラがF2.0と明るくなったこと。望遠カメラは広角カメラに比べるとイメージセンサーが小さくて高感度に弱い。レンズが明るいとその分感度を抑えられるので画質も落ちにくくなるのだ。

 今までと同様、「2x」を選択しても、暗いときや被写体が近いときは広角カメラのデジタルズームが採用されるわけだが、室内など明るくない場所でも望遠カメラで撮ってくれるケースは増えている気がする。それに、望遠カメラを使うポートレート時の画質もあがる。

iPhone 11 Pro 明るくない室内で猫を望遠のポートレートモードで。室内での望遠カメラ撮影のクオリティーは上がっている気がする

 超広角カメラはめちゃ楽しい。楽しい上に、フィールドワーク時の記録用としてもめちゃ欲しかった。これでワイコンを付けなくてもよくなる、と個人的には思う。もうずっと待っていたのだ。

iPhone 11 Pro 超広角カメラは遠近感を強調するような撮り方が楽しい

 めちゃ楽しいのだけど、楽しいだけのためではありますまい。よく言われるのは、ARなど新しいカメラの使い方をするとき、超広角は世界を幅広く捉えられるのでより有用になるということ。

 インカメラが広角になったことと、Face IDを使うときに顔が近かったり多少角度がついていたりしても認識するようになったことにも無関係ではあるまい(もちろん赤外線照射角も広がっているのだろうけど)。

 そういった意味では、超広角カメラを前後に搭載したiPhone 11系からが新世代iPhoneなんじゃなかろうか、と思うわけである。

 あ、最後に今回もまた改善されなかった悲しい欠点を1つ。

 シャッター音がでかい!

 諸般の事情で完全な無音が難しいなら、もうちょっと目立たない、連写してもけたたましくない程度の音にしてもらえないだろうかと思う……よね。

 ともあれ、今回のトリプルカメラのiPhoneは、素晴らしい出来なので買い換えて損はないはず。

 他社のスマホカメラと比べたらどうか、というと、そうだな、今のスマホカメラって大きく「映え派」と「リアル派」に分かれていて、HuaweiやOPPOやサムスンは映え派、逆にソニーやAppleはそれに比べるとリアル派傾向が強めなわけで、コテコテの見栄えのする絵が欲しい人以外には超おすすめといいたい。

 少なくとも私は、iPhoneで写真を撮る機会がぐっと増えてきている。

前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月17日 更新
  1. ゲオが5478円/6578円の“激安スマートウォッチ”を販売した狙い デザイン+機能性の追求が成功 (2024年05月13日)
  2. Google I/Oで明かされたAndroidの進化 日本で「Googleメッセージ」開始、RCS対応でKDDIと連携 (2024年05月16日)
  3. 「Xperia 1 VI」は何が進化した? 21:9比率/4Kディスプレイ廃止の理由は? 「Xperia 1 V」と比較しながら解説 (2024年05月16日)
  4. 「dポイントクラブ」改定のメリットを解説 ポイント還元率は下がるが、d払い併用でトータルの還元率アップ (2024年05月15日)
  5. Googleに聞く「Google メッセージ」日本展開の意義 AppleのRCS対応は「非常に楽しみにしている」 (2024年05月16日)
  6. 「Xperia 1 VI」発表 光学7倍ズームのカメラを搭載も、21:9比率/4Kは廃止 SIMフリーモデルは18万円前後 (2024年05月15日)
  7. “ダサい”と酷評のdocomoロゴ、「Xperia 1 VI」「Xperia 10 VI」には印字されず (2024年05月15日)
  8. FCNTが「arrows We2」「arrows We2 Plus」発表 PlusはSnapdragon 7+ Gen 2搭載で自律神経測定も可能 (2024年05月16日)
  9. 新型「iPad Pro」「iPad Air」を購入する理由/購入しない理由:読者アンケート結果発表 (2024年05月17日)
  10. FCNTがLenovoグループ傘下になった意義 自律神経測定スマホ「arrows We2 Plus」はどこがスゴい? (2024年05月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年