大型店舗もパーツショップも、バージョンアップ中のアキバ5分で分かった気になる、10月のアキバ事情(1/2 ページ)

» 2007年11月02日 12時00分 公開
[古田雄介,ITmedia]

大型店が本気を出し、激しい淘汰の時代に挑む

10月26日にグランドオープンした石丸電気。写真は「秋葉原本店」

 10月は家電ショップとPCパーツショップの有力店が、それぞれ大幅なリニューアルを行った。26日に秋葉原エリアの全店舗改装を終えた石丸電気と、20日に突貫でグループ3店舗の店名や品ぞろえを変更したフェイスだ。

 石丸電気は、家電からPCまでそろえたワンストップショッピングの「秋葉原本店」を核にして、旧「駅前店」を「パソコン館」に、「アキバ・ステーション・プラザ」を携帯電話やDOS/Vパーツを売る「モバイル館」に変更するなど、各店舗の特色を際だたせている。

 一方のフェイスグループも、BTOマシンやモニターなどを扱う「フェイス カスタム館」と、DOS/Vパーツ向けの「フェイス パーツ館」、即納パソコンを販売する「フェイス PC館」と、各店舗のカラーを明確に分けた。

 9月にグランドオープンした「ソフマップタウン」以降、複数の店舗の個性を強く打ち出したリニューアルを行うショップが増えている。

 この流れを分析する某PCパーツショップの店長は、「家電もPCも、昔のように出せば売れるという状況はもう来ない。これからは各店舗が生き残りをかけてしのぎを削っていくでしょう。複数の店舗を持つ巨大ショップはその“巨体”を最大限に生かした経営が迫られている。ぜい肉はそぎ落として、全身で利益が出せるように改造を施したといったところでしょうか。まあ、ウチみたいに1店舗で細々やっているショップは、体が小さいぶん、身の振り方も楽だけどね」と語った。

 上層部に“ぜい肉”と判断されてシャッターを閉じるショップも今後出てくると思われる。しかし、昔以上にアキバの店が合理的になっているのは間違いない。

元「フェイス秋葉原本店」は「フェイス カスタム館」となった(写真=左)。「フェイスアキバ店」は外観が変わらないが、よりPCパーツを充実させた「フェイス パーツ館」にリニューアル(写真=中央)。「じゃんじゃん亭」の赤い看板は、「フェイス PC館」の黒看板に変わった(写真=右)

Intel X38 ExpressとPCI Express 2.0が始動

X38解禁を知らせるT-ZONE.PC DIY SHOPのPOP

 10月10日に、Intel 3シリーズ最上位のチップセット「Intel X38 Express」を搭載したマザーボードの発売が解禁された。最初に出回ったのは、ギガバイトの「GA-X38-DQ6」とASUSTeKの「P5E」で、価格はそれぞれ3万円台半ばとなっている。

 Intel X38 ExpressはDDR2/DDR3に対応するチップセットで、帯域幅を2倍にした「PCI Express 2.0」をサポートするのが特徴。発売当初はPCI Express 2.0 x16対応のグラフィックスカードが出回っていなかったため、X38マザーは話題を呼んだものの、一部のハイエンドユーザーのみが購入する状況だった。

 ツートップ秋葉原本店は「現状ではP35マザーとあまり変わらない仕様です。まあ、将来を見越して先物買いする人もいますが、3万円超の製品なので、多くの人には高嶺の花ですね」と話す。

 しかし、「早くて11月上旬」との噂を覆して、10月末にNVIDIAの新GPU「GeForce 8800 GT」を搭載したPCI Express 2.0対応カードが登場し、にわかにX38マザーの人気が過熱。11月初頭の時点で「超品薄というわけではないですが、X38マザーの売れ行きが好調です。型番を指定して買うなら、早めに動いたほうがいいでしょうね」(某ショップ)という状態だ。

ギガバイト「GA-X38-DQ6」(写真=左)。ASUSTeK「P5E」(写真=中央)。水冷用ブロックをチップセットに装着したASUSTeK「Maximus Formula (Special Edition)」も第3週から出回っている。価格は4万円強だ(写真=右)

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