6万円台でCore 2 Duoを搭載した2スピンドルモバイル機が手に入る!中古ではなく新品?

» 2009年06月16日 10時00分 公開
[ITmedia]

「安い」のはいいけど「性能」も

 Netbookの登場によってノートPC市場の勢力図は大きく変わった。かつてデスクトップPCよりも高価だったノートPCが、今では実売5万円前後で手に入り、しかもWebブラウズやメールチェック程度の(そして多くのユーザーにとってはメインの)仕事をなんなくこなしてくれる。「家にPCはあるけど自分専用のマシンを持ちたい」「常時携帯できる2台目がほしい」、そんなニーズを満たしてくれるNetbookは、一部のPCマニアだけでなく、一般ユーザーにも受け入れられつつあるようだ。

 PC USERでも「ミニノート・Netbook・UMPCのすべて」という特集記事を組んでレビューを掲載してきたが、数々のメーカーがこぞって新モデルを投入しているNetbook市場は今や百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の様相を呈している。しかしその一方、Netbookに搭載されるCPUの性能は好意的に見ても“控えめ”で、ユーザーの用途を限定してしまっていたのも事実だ。あらかじめ性能や使い勝手を把握していれば問題ないが、あくまでも主用途はネット端末としてであって過剰な期待はできない。

 そこで2009年は、いわゆるNetbookよりも画面サイズが大きめで、Atomよりもパフォーマンスの高い超低電圧版のCore 2 Duoなどを採用した薄型軽量の低価格ノートPCが注目を集めつつある。ASUSTeKの「U Seires/UX Series」や、Acerの「Aspire Timeline AS3810T」、MSIの「X-Slim Series X340」など、かつてNetbook市場を開拓してきた台湾メーカーから、実売10万円を大幅に切るモデルが続々とリリースされた。これらの動きに国内PCメーカーが追従するのかどうか、非常に気になるところだ――とそんな中、GENOから東芝の「dynabook NX」を100台限定で放出するという知らせが届いた。

「dynabook NX」が6万9990円……あれ? これは安いのではないか?

dynabook NX(ノーブルホワイト)

 今回特価販売されるのは12.1型ワイド(1280×800ドット表示)のLEDバックライト液晶を搭載する「dynabook NX E/76HE」で、型番から見るに2009年1月発表モデルの“生協モデル”(同社)らしい。すでにNXは夏モデル(2009年4月)が発表されているため型落ちの扱いにはなるが、夏モデルもCPUやストレージ容量を強化しただけのマイナーバージョンアップであり、それほど差があるわけではない。また、なにより未使用の新品である。

 特価モデルの基本スペックをチェックすると、CPUにCore 2 Duo SU9300(1.2GHz)を採用し、メモリが1Gバイト(PC2-5300)、HDDが250Gバイト(5400rpm)、グラフィックスはIntel GS45 Expressチップセットの内蔵機能(GMA 4500MHD)で、光学ドライブとして2層書き込み対応のDVDスーパーマルチドライブを備えている。また、ギガビットLANポートやIEEE802.11a/b/g/n(11nはドラフト2.0)準拠の無線LAN機能も搭載する。さらに100台限定モデルの特典として、2Gバイトの増設用メモリとUSB接続のテンキーパッドがセットになるという。OSは32ビット版のWindows Vista Business(SP1)だ。

1280×800ドット表示に対応した12.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載(写真=左)。日本語87キーボードは、キーピッチが19ミリ/キーストロークが2ミリ。クリックボタンがやや固めで押しづらい印象を受けた(写真=右)

本体前面/背面。前方に向かって船底形にエッジを切るデザインだ

本体左側面/右側面。左側面には、前方から音量調節ダイヤルや音声入出力、USB 2.0といった着脱頻度の高い端子が並び、排気口を挟んでeSATA兼用のUSB 2.0ポートとアナログRGB出力が並ぶ(写真=左)。一方、右側面は前方側にPCカードスロット(TYPE II)とDVDスーパーマルチドライブ、中央やや後方よりにSD/SDHCメモリーカードスロット、そして無線LANスイッチとUSB 2.0、ギガビットLANがレイアウトされている(写真=右)

 ちなみに、dynabook NXは標準バッテリー(バッテリパック63A)で10時間以上駆動する長時間バッテリーライフも特徴の1つだが、このモデルはより軽量な「バッテリパック32A」が搭載されており、バッテリー駆動時間は約5.2時間となっている。そのぶん重量は約1.33キロまで抑えられており、可搬性は非常に高い。本体サイズは、約286(幅)×223(奥行)×29.9(高さ)ミリだ。

約1.33キロという軽量ボディながら2層書き込み対応のDVDスーパーマルチドライブを備えた2スピンドル機だ(写真=左)。メモリスロットは底面からアクセスできる。特価モデルは増設メモリがセットになっており、最大容量の3Gバイトまで増設可能だ。ACアダプタも持ち運びに便利な小型サイズ(写真=右)

 さて、“型落ち”とはいえ、新品かつ6万9990円の本機がどれだけ安いのか、ほかのモデルと並べてみよう。比較対象として、超低電圧版のCore 2 Duoを採用するAspire Timeline(AS3810T)とAdamo(DESIRE)、そしてYukonプラットフォームを採用した低価格ノートPC「HP Pavilion Notebook PC dv2」を、基本的なスペックで横並びにしてみた。

今回比較したノートPCの主要スペック
モデル名 dynabook NX E/76HE HP Pavilion Notebook PC dv2 Aspire Timeline(AS3810T) Adamo(DESIRE)
CPU Core 2 Duo SU9300(1.2GHz) Athlon Neo MV-40(1.6GHz) Core 2 Duo SU9400(1.4GHz) Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)
メモリ 3Gバイト(DDR2) 2Gバイト(DDR2) 2Gバイト(DDR3) 4Gバイト(DDR3)
チップセット Intel GS45 Express ATI Radeon Xpress 1250 Intel GS45 Express Intel GS45 Express
液晶ディスプレイ 12.1型ワイド 12.1型ワイド 13.3型ワイド 13.4型ワイド
画面解像度 1280×800 1280×800 1366×768 1366×768
ストレージ 250GバイトHDD 120GバイトHDD 250GバイトHDD 128GバイトSSD
有線LAN ギガビット 100BASE-TX/10BASE-T ギガビット ギガビット
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト準拠) IEEE802.11b/g IEEE802.11b/g/n(nはドラフト準拠) IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト準拠)
Bluetooth Bluetooth 2.1+EDR Bluetooth 2.1+EDR
USB USB 2.0×3(うち1基はeSATA兼用) USB 2.0×3 USB 2.0×3 USB 2.0×3(うち1基はeSATA兼用)
外部出力 アナログRGB HDMI、アナログRGB DisplayPort×1(DVI変換アダプタ付き)
Webカメラ
バッテリー駆動時間 約5.2時間 約3時間 約8時間 約5時間
ボディサイズ 約286(幅)×223(奥行)×29.9(高さ)ミリ 293(幅)×240(奥行き)×9〜30(厚さ)ミリ 322(幅)×228(奥行き)×23.4〜28.9(高さ)ミリ 331(幅)×242(奥行き)×16.4(厚さ)ミリ
重量 約1.33キロ 約1.79キロ 約1.6キロ 約1.81キロ
OS Windows Vista Business(SP1) Windows Vista Home Basic(SP1) Windows Vista Home Premium(SP1) 64ビット版Windows Vista Home Premium(SP1)
価格 6万9990円(限定特価) 6万円前後 8万9800円前後 27万6000円

 ここで取り上げたAdamo以外でも、12.1型液晶を搭載した2スピンドル機「Let'snote LIGHT W8」(発表時の実売24万円前後)と比べれば、基本スペックはほとんど変わらないのに価格差は非常に大きいことが分かる(もっとも、あくまでもスペックに限った話だが)。また、AcerがNetbookと高性能モバイルノートPCの価格差を埋めるために投入したAspire Timeline AS3810Tよりも約2万円も安いうえに、光学ドライブを搭載した2スピンドル構成でありながら、重量は約1.33キロと非常に軽い。

 さて、実際に定番ベンチマークテストを実施したところ、PCMark05のスコアは遜色なく、CPUのクロック差が反映された形とはいえ、まず満足のいく結果だった。グラフィックス性能も高いとは言えないが、比較した機種とはほぼ誤差の範囲に収まっており、これも6万9990円という価格を考えればまったく不満はない。価格対性能比という点ではなかなかお買い得な1台と言えるだろう。

PCMark05(画面=左)、3DMark06(画面=中央)、FFベンチ(画面=右)の結果

 「100台限定」ということで時間との勝負が予想されるが、デザインや質感を重視するか否かで“お買い得”かどうかは大きく変わってくる。外観重視の人は、できれば最寄りの量販店に並ぶ東芝の夏モデルを実際に触って確かめたほうがいいかもしれない。とはいえ、新品(つまり当然メーカー保証もつく)のdynabook NXがメモリを最大まで搭載して6万9990円というのは、やっぱり心が揺れるよなぁ……。

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